関節リウマチによる間質性肺疾患の胸部HRCT分類上の予後の違い

関節リウマチによる間質性肺疾患の胸部HRCT分類上の予後の違い_e0156318_1023364.jpg 既知の知見です。

Yunt ZX, et al.
High resolution computed tomography pattern of usual interstitial pneumonia in rheumatoid arthritis-associated interstitial lung disease: Relationship to survival.
Respir Med. 2017 May;126:100-104.

背景:
 関節リウマチによる間質性肺疾患(RA-ILD)はよくみられる病態であり、その後の合併症・死亡と関連しているとされている。しかしながら、死亡を予測する因子については限られたデータしかない。われわれは、RA-ILD患者の胸部HRCTパターンが予後指標として有用かどうか検証した。

方法:
 胸部HRCTでUIPあるいはNSIPと診断されたRA-ILD患者を当該コホートに登録した。158人の患者が研究に組み入れられた。いずれの患者も、超早期にHRCTデータが参照でき、これを独立した2人の胸部放射線科医が読影した。胸部HRCTパターンは、UIP、possible UIP、NSIPに分類され、Kaplan-Meier曲線を作成し生存期間を比較した。

結果:
 100人(63%)がdefinite UIP、23人(15%)がpossible UIP、35人(22%)がNSIPだった。生存期間については、definite UIPとpossible UIPに差はなかったdefinite/possible UIPをまとめて、NSIPと比較すると、前者の方が生存期間は短かった(log-rank p = 0.03)。

結論:
 RA-ILDでは、NSIPよりもdefinite/possible UIPの患者で予後が不良である。


by otowelt | 2017-05-12 00:13 | びまん性肺疾患

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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