アメリカ国内基準より低い濃度のPM2.5とオゾンへの曝露が与える影響

e0156318_1431055.jpgQian D, et al.
Air Pollution and Mortality in the Medicare Population
N Engl J Med 2017; 376:2513-2522


背景:
 大気汚染の長期的な曝露が死亡率を上昇させることはいくつかの研究でわかっている。しかし大気汚染の程度が最新NAAQSより低いときに影響を与えるエビデンスは限られている。過去の研究は都市部の住民を対象としているため、少数集団の健康への影響を推定する統計学的検出力はなかった。

方法:
 2000年~2012 年のアメリカ全土メディケア受給者から構成されるオープンコホート(6092万5443人)を設定し、4億6031万0521人年を追跡。検証済み予測モデルを用いて、PM2.5とオゾン大気中濃度の年平均値を、加入者居住地ごとに推定。PM2.5の「曝露量が10μg/m3増えるごと、またオゾン曝露量が10 ppb増えるごとの死亡リスクを、人口学的特性、メディケイド適格性、地域レベルの共変数について調整。2汚染物質のCox 比例ハザードモデルを用いて推定。

結果:
 全死因死亡率は、PM2.5曝露量が10μg/m3増えるごとに7.3%(95%信頼区間7.1~7.5)上昇し、オゾン曝露量が10ppb増えるごとに1.1%(95%信頼区間1.0~1.2)上昇した。PM2.5曝露量が12μg/m3未満、オゾン曝露量が50ppb未満の人年にしぼった解析だと、死亡リスクはPM2.5曝露量が10μg/m3増えるごとに13.6%(95%信頼区間13.1~14.1)上昇し、オゾン曝露量が10ppb増えるごとに1.0%(95%信頼区間0.9~1.1)上昇した。男性、黒人、メディケイド適格者は、PM2.5曝露関連死亡リスクが対照サブグループよりも高かった。

結論:
 現在のアメリカ国内基準より低い濃度のPM2.5とオゾンへの曝露に関連する有害作用の重要なエビデンスが示された。この影響は、人種的マイノリティや低所得者層で顕著だった。


by otowelt | 2017-07-13 00:56 | 呼吸器その他

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