ベンゾジゼピンは肺炎のリスクを上昇させる
2017年 08月 18日
今後、ベンゾジアゼピン系以外の睡眠薬がさらに普及してくるでしょうか。
Chen TY, et al.
The use of benzodiazepine receptor agonists and the risk of pneumonia hospitalization: a nationwide population-based, nested case-control study.
Chest. 2017 Aug 4. pii: S0012-3692(17)31326-0. doi: 10.1016/j.chest.2017.07.030.
背景:
ベンゾジアゼピン受容体アゴニスト(BZRA)の使用と肺炎のリスクの関連性はまだ結論がついていない。この研究は、一般人口集団におけるBZRA使用と肺炎の関連性を調べたものである。
方法:
2002~2012年の台湾国民健康保険データベースを用いて、コホート内症例対照研究を実施した。われわれは、新規にBZRAを処方された患者のみを登録し、過去に使用歴のあるものは除外した。また、肺炎患者は入院を要した12002人を同定し、リスクスコアをマッチさせたコントロールを別に12002人設定した。ロジスティック回帰モデルを用いてBZRA使用と入院を要する肺炎の関連性を調べた。曝露日、用量反応関係、BZRAのクラスが包括的にアセスメントされた。
結果:
BZRAの現行使用は、入院を要する肺炎のリスク上昇と関連していた(補正オッズ比1.86; 95%信頼区間1.75-1.97)。ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、ベンゾジアゼピン系抗不安薬よりも肺炎のリスクが高かった(補正オッズ比2.42; 95%信頼区間2.16-2.71 vs 補正オッズ比1.53; 95%信頼区間1.44-1.63)。肺炎リスクは、超短時間作用性および短~中時間作用性BZRAを内服している場合、1日用量が多い場合、BZRAの使用種類が多い場合に上昇した。個々のBZRAをみると、ミダゾラムが入院を要する肺炎のリスクが最も高かった(補正オッズ比5.77; 95%信頼区間4.31-7.73)。
結論:
BZRAの現行使用は入院を要する肺炎のリスクを用量依存的に上昇させた。加えて、ベンゾジアゼピン系睡眠薬、特にミダゾラムは、入院を要する肺炎のリスクを大きく上昇させた。
Chen TY, et al.
The use of benzodiazepine receptor agonists and the risk of pneumonia hospitalization: a nationwide population-based, nested case-control study.
Chest. 2017 Aug 4. pii: S0012-3692(17)31326-0. doi: 10.1016/j.chest.2017.07.030.
背景:
ベンゾジアゼピン受容体アゴニスト(BZRA)の使用と肺炎のリスクの関連性はまだ結論がついていない。この研究は、一般人口集団におけるBZRA使用と肺炎の関連性を調べたものである。
方法:
2002~2012年の台湾国民健康保険データベースを用いて、コホート内症例対照研究を実施した。われわれは、新規にBZRAを処方された患者のみを登録し、過去に使用歴のあるものは除外した。また、肺炎患者は入院を要した12002人を同定し、リスクスコアをマッチさせたコントロールを別に12002人設定した。ロジスティック回帰モデルを用いてBZRA使用と入院を要する肺炎の関連性を調べた。曝露日、用量反応関係、BZRAのクラスが包括的にアセスメントされた。
結果:
BZRAの現行使用は、入院を要する肺炎のリスク上昇と関連していた(補正オッズ比1.86; 95%信頼区間1.75-1.97)。ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、ベンゾジアゼピン系抗不安薬よりも肺炎のリスクが高かった(補正オッズ比2.42; 95%信頼区間2.16-2.71 vs 補正オッズ比1.53; 95%信頼区間1.44-1.63)。肺炎リスクは、超短時間作用性および短~中時間作用性BZRAを内服している場合、1日用量が多い場合、BZRAの使用種類が多い場合に上昇した。個々のBZRAをみると、ミダゾラムが入院を要する肺炎のリスクが最も高かった(補正オッズ比5.77; 95%信頼区間4.31-7.73)。
結論:
BZRAの現行使用は入院を要する肺炎のリスクを用量依存的に上昇させた。加えて、ベンゾジアゼピン系睡眠薬、特にミダゾラムは、入院を要する肺炎のリスクを大きく上昇させた。
by otowelt
| 2017-08-18 00:32
| 感染症全般