職業上の殺虫剤・除草剤の曝露はCOPDのリスク

e0156318_1633480.jpg 喫煙以外のリスク因子については、国によって流行りがあるようです。ヨーロッパではディーゼルエンジン、ラドンなど。

Alif SM, et al.
Occupational exposure to pesticides are associated with fixed airflow obstruction in middle-age.
Thorax. 2017 Nov;72(11):990-997.


背景:
 集団ベースの研究では、職業上の曝露とCOPDに関連性があることが示されている。しかし、これらの研究は気管支拡張薬前スパイロメトリーを用いた限定的な研究である。職業上の曝露はCOPDのリスク因子を修飾するため、気管支拡張後のデータを用いて検討することは重要である。

目的:
 気管支拡張後スパイロメトリーを用いて、職業上の曝露と不可逆性気道閉塞について検討すること。

方法:
 2002年から2008年までに、Tasmanian Longitudinal Health Study (TAHS)に1335人の被験者が組み込まれた。スパイロメトリーが実施され、労働生活カレンダーを用いて職業歴を収集した。職業曝露カテゴリー割当のためALOHA plus Job Exposure Matrix(職務-曝露マトリックス)を用いた。累積曝露単位(EU)-年の観点からも相対リスクを算出した。不可逆性気道閉塞は、1秒率70%未満および同LLN未満とした。

結果:
 職業上のbiological dustの曝露(相対リスク1.58、95%信頼区間1.01-2.48)、殺虫剤の曝露(相対リスク1.74、95%信頼区間1.00-3.07)、除草剤の曝露(相対リスク2.09、95%信頼区間1.19-3.70)は不可逆性気道閉塞と関連していた。累積EU-年の観点では、殺虫剤(相対リスク1.11、95%信頼区間1.00-1.25)除草剤(相対リスク1.15、95%信頼区間1.00-1.32)が不可逆性気道閉塞と関連していた。加えて、殺虫剤曝露は慢性気管支炎および気流閉塞症状と一致した関連がみられた。鉱物、ガス/フューム、蒸気、ガス、ダストあるいはフュームの過去の曝露カテゴリーにおいては、喘息コンポーネントのない人の不可逆性気道閉塞にのみ関連していた。

結論:
 殺虫剤および除草剤の職業上曝露は、不可逆性気道閉塞や慢性気管支炎と関連していた。biological dustの曝露は喘息コンポーネントのない被験者の不可逆性気道閉塞と関連していた。職業上の曝露を最小化することは、COPDの公衆衛生に役立つかもしれない。


by otowelt | 2017-11-15 00:57 | 気管支喘息・COPD

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