外傷性気胸の90%以上は保存的治療で問題ない

e0156318_13182892.jpg 胸部外傷の新しいエビデンスになりそうですね。

Walker SP, et al.
Conservative Management in Traumatic Pneumothoraces: An Observational Study.
Chest. 2017 Nov 15. pii: S0012-3692(17)32917-3. doi: 10.1016/j.chest.2017.10.015. [Epub ahead of print]


背景:
 外傷性気胸は主要な外傷によって起こる合併症である。これにもかかわらず、適切なマネジメントについては報告が少ない。この研究の目的は、主要外傷センターに紹介された外傷性気胸患者の治療、合併症、アウトカムを調べることである。

方法:
 Trauma Audit and Research Network (TARN)データベースを前向きに調べ、イギリスの主要外傷センターで外傷性気胸の診断で登録された全患者を対象とした(2012年4月~2016年12月)。
 患者背景、外傷機転、外傷重症度スコア(ISS)、マネジメント、アウトカムが解析された。

結果:
 602人の患者が登録された。平均年齢は48±22歳だった。73%が男性だった。平均ISSは26で、入院患者死亡率は9%だった。602の外傷性気胸のうち、277(46%)は保存的に治療された。252人(90%)はその後胸腔ドレナージを必要としなかった。陽圧換気を要した62人のうち56人(90%)でも胸腔ドレナージを必要としなかった。陽圧換気が必要であった気胸患者と必要でなかった気胸患者には保存的マネジメントの失敗に対するハザード比に差は観察されなかった(ハザード比1.1、p=0.84)。ただ、大量の血胸の症例では保存的マネジメントが失敗する尤度が上昇した。
 
結論:
 この大規模観察研究から、90%を超える外傷性気胸患者は保存的にマネジメント可能であり、胸腔ドレーンを要さないことがわかった。また重要なことだが、たとえ陽圧換気を要する患者であっても、この待機的マネジメントは失敗リスクを上昇させないのだ。これは、外傷性気胸のマネジメントにおける保存的治療を支持する結果である。


by otowelt | 2017-12-06 00:07 | 救急

<< IPFの咳嗽は日中に多い TBNA時に迅速細胞診を併用し... >>