COPDに対するLABA・LAMAは開始1か月以内の心血管系リスク増加と関連
2018年 01月 19日
それでも利益の方が大きいと思いますが、何はともあれ吸入薬開始初期は注意が必要ですね。たしか、尿閉も開始してから1か月以内が多かったように記憶しています。
Meng-Ting Wang, et al.
Association of Cardiovascular Risk With Inhaled Long-Acting Bronchodilators in Patients With Chronic Obstructive Pulmonary DiseaseA Nested Case-Control Study
JAMA Intern Med. Published online January 2, 2018. doi:10.1001/jamainternmed.2017.7720
背景:
COPDにおける心血管系疾患(CVD)と吸入LABA、吸入LAMAの関連性はこれまでよく議論されてきた。ランダム化比較試験においてはLABA・LAMA使用者のうちCVDがあるものは除外されていた。新規にLABA・LAMAを開始することによるCVDのリスクについてはまだよくわかっておらず、本研究でそれを調べた。
目的:
吸入開始時期に着目して、LABA・LAMAに関連したCVDリスクを調べること。
方法:
284220人のLABA・LAMAナイーヴの40歳以上のCOPD患者が症例対照研究に組み込まれた(平均71.4歳、68.9%が男性)。データは2007年~2011年Taiwan National Health Insurance Research Databaseを用いた。
入院患者あるいは救急外来で冠動脈疾患、心不全、虚血性脳卒中、不整脈になったものを抽出し、条件付きロジスティック回帰によってLABA・LAMAの使用による影響を推察した。
結果:
平均2.0年の追跡中、37719人のCVD患者(平均75.6歳、男性71.6%)、146139人のコントロール患者(平均75.2歳、男性71.6%)が登録された。新規にLABAおよびLAMAを使用したCOPD患者は、開始30日以内のCVDリスクがそれぞれ1.50倍(95%信頼区間1.35-1.67、p<0.001)、1.52倍(95%信頼区間1.28-1.80、p<0.001)大きかった。個々のLABAの製剤やLAMAの用量やCOPD併用レジメンはCVDリスクに変化は与えなかった。CVD既往歴や過去のCOPD増悪のないサブグループでも、リスクはそのままだった。
結論:
COPD患者に新規にLABAあるいはLAMAを用いることで、心血管系のリスクが1.5倍上昇する。これは、過去のCVD既往歴やCOPD増悪の有無を問わない。
Meng-Ting Wang, et al.
Association of Cardiovascular Risk With Inhaled Long-Acting Bronchodilators in Patients With Chronic Obstructive Pulmonary DiseaseA Nested Case-Control Study
JAMA Intern Med. Published online January 2, 2018. doi:10.1001/jamainternmed.2017.7720
背景:
COPDにおける心血管系疾患(CVD)と吸入LABA、吸入LAMAの関連性はこれまでよく議論されてきた。ランダム化比較試験においてはLABA・LAMA使用者のうちCVDがあるものは除外されていた。新規にLABA・LAMAを開始することによるCVDのリスクについてはまだよくわかっておらず、本研究でそれを調べた。
目的:
吸入開始時期に着目して、LABA・LAMAに関連したCVDリスクを調べること。
方法:
284220人のLABA・LAMAナイーヴの40歳以上のCOPD患者が症例対照研究に組み込まれた(平均71.4歳、68.9%が男性)。データは2007年~2011年Taiwan National Health Insurance Research Databaseを用いた。
入院患者あるいは救急外来で冠動脈疾患、心不全、虚血性脳卒中、不整脈になったものを抽出し、条件付きロジスティック回帰によってLABA・LAMAの使用による影響を推察した。
結果:
平均2.0年の追跡中、37719人のCVD患者(平均75.6歳、男性71.6%)、146139人のコントロール患者(平均75.2歳、男性71.6%)が登録された。新規にLABAおよびLAMAを使用したCOPD患者は、開始30日以内のCVDリスクがそれぞれ1.50倍(95%信頼区間1.35-1.67、p<0.001)、1.52倍(95%信頼区間1.28-1.80、p<0.001)大きかった。個々のLABAの製剤やLAMAの用量やCOPD併用レジメンはCVDリスクに変化は与えなかった。CVD既往歴や過去のCOPD増悪のないサブグループでも、リスクはそのままだった。
結論:
COPD患者に新規にLABAあるいはLAMAを用いることで、心血管系のリスクが1.5倍上昇する。これは、過去のCVD既往歴やCOPD増悪の有無を問わない。
by otowelt
| 2018-01-19 00:52
| 気管支喘息・COPD