IPFに対するオフェブ®の実地臨床レベルの安全性

IPFに対するオフェブ®の実地臨床レベルの安全性_e0156318_7331272.jpg 後ろ向き研究なので参考程度です。

Tzouvelekis A, et al.
Safety and efficacy of nintedanib in idiopathic pulmonary fibrosis: A real-life observational study.
Pulm Pharmacol Ther. 2018 Jan 20. pii: S1094-5539(17)30243-2. doi: 10.1016/j.pupt.2018.01.006. [Epub ahead of print]


背景:
 ニンテダニブはIPFの進行を緩和させる抗線維化薬である。

目的:
 実地臨床レベルのIPF患者のニンテダニブの安全性・有効性を調べること。

方法:
 2014年10月~2016年10月に実施された多施設共同後ろ向き観察研究である。

結果:
 94人のニンテダニブ内服IPF患者が登録された(72人が男性、平均年齢73.8±7.5歳、平均%努力性肺活量68.1±18.3%、平均%DLCO44.4±14.5%)。下痢がもっともよくみられた副作用だった(55.3%)。20人(21.2%)の患者は副作用のためニンテダニブを中断せざるを得なかった。死亡や脱落例を除外すると、6ヶ月の経過において%努力性肺活量および%DLCOの減少中央値はそれぞれ1.36(95%信頼区間0-2.97)、4.00(95%信頼区間2.01-6.20)だった。360日の経過中、17人(18.1%)が死亡した。

結論:
 観察研究においても、ニンテダニブは忍容性があり効果的と考えられる。実臨床レベルの安全性と効果を検証する前向き研究が望まれる。


by otowelt | 2018-02-15 00:40 | びまん性肺疾患

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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