COMET研究:メポリズマブを中止するとどうなるか?

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長期的安全性もしっかりしていますので、基本的に喘息に対する生物学的製剤はかなり長期に継続するほうがよいと思います。

プレフィルドシリンジ製剤「ヌーカラ皮下注100mgシリンジ」、オートインジェクター製剤「ヌーカラ皮下注100mgペン」が、在宅自己注射指導管理料の対象薬剤となっているため、2021年4月21日より在宅自己注射が保険適用になっています。

少し見にくいですが、現時点での生物学的製剤のまとめです。自著『ポケット呼吸器診療』にも毎年掲載している、アレです。

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Moore WC, et al. Stopping versus continuing long-term mepolizumab treatment in severe eosinophilic asthma (COMET study). Eur Respir J . 2021 Jun 25;2100396.

  • 概要
■重度の好酸球性喘息の治療に対するメポリズマブの長期的な有効性と安全性は十分に確立されている。メポリズマブの長期使用後に同薬を中止することの臨床的影響を調べた。

■COMET研究は、ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間多施設共同研究である。COLUMBA研究またはCOSMEX研究を完了し、メポリズマブの継続治療を3年以上受けた患者は、メポリズマブ100 mgを4週間ごとに52週間継続、中止(プラセボへの切り替え)するよう1:1でランダム化された。

■主要評価項目は、初回の臨床的に重大な増悪までの期間とした。副次的評価項目は、入院/救急科受診を必要とする初回の増悪までの期間、喘息コントロールの低下までの期間(ベースラインからのACQ-5スコアの0.5ポイント以上の増加)、およびベースラインに対する血中好酸球数比とした。また、安全性を評価した。

■メポリズマブを中止した患者(n = 151)は、継続した患者(n = 144)と比較して、初回の臨床的に有意な増悪までの期間が有意に短かかった(ハザード比:1.61 [95%信頼区間:1.17-2.22]; p = 0.004)。喘息コントロール(ハザード比:1.52 [95%信頼区間1.13-2.02]; p = 0.005)、52週目での血中好酸球数の増加(270 vs 40/µL:比6.19 [95%%信頼区間4.89、7.83] ; p <0.001)。12週目(最終メポリズマブ投与から16週間後)から評価した場合、グループ間の有効性の違いが観察された。入院/救急科の受診を必要とする増悪はまれだった。

■メポリズマブを継続している患者の有害事象は、以前の研究と一致していた。

■メポリズマブを中止した患者の安全性プロファイルは、他の好酸球性喘息集団と一致していた。メポリズマブを中止した患者は、継続した患者と比較して、喘息の増悪が増加し、喘息コントロールが低下した




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by otowelt | 2021-07-12 00:19 | 気管支喘息・COPD

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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