COVID-19:ATOMIC2研究:軽症~中等症に対するアジスロマイシンは死亡や入院を減らさない
2021年 07月 14日
RECOVERY研究においても無効であると結論づけられています。RECOVERY研究では、28日死亡率は、アジスロマイシン併用群22%、通常治療単独群22%でした(率比0.97、95%信頼区間0.87-1.07、P=0.50)。
Hinks T, et al. Azithromycin versus standard care in patients with mild-to-moderate COVID-19 (ATOMIC2): an open-label, randomised trial. Lancet Respir Med . 2021 Jul 9;S2213-2600(21)00263-0
- 概要
■アジスロマイシンの抗菌・抗炎症・抗ウイルス性は、COVID-19に対する治療の可能性を示唆している。軽度から中等度の疾患におけるランダム化データはない。われわれは、アジスロマイシンが軽症~中等症COVID-19患者の入院を減らすのに有効かどうかを評価した。
■この前向き非盲検ランダム化優越性試験は、イギリスの19病院で行われた。対象は、臨床的にCOVID-19と診断されたか、あるいはその可能性が高い、18歳以上の成人で、当初外来管理が妥当と考えられる患者を登録した。
■患者は、アジスロマイシン(500mgを1日1回、14日間経口投与)+標準治療、または標準治療のみに、1:1の割合でランダムに割り付けられた。主要評価項目は、ランダム化から28日間の総死亡または入院とした。主要評価項目および安全性評価項目は、ITT集団で評価された。
■2020年6月3日~2021年1月29日までに298人の参加者が登録された。6人の参加者が同意を撤回したため、292人の参加者(アジスロマイシン群145人、標準治療群147人)で主要評価項目をみた。参加者の平均年齢は45.9±14.9歳だった。アジスロマイシン群で15人(10%)、標準治療群で17人(12%)の参加者が試験期間中に入院または死亡した(補正オッズ比0.91 [95%信頼区間0.43-1.92]、p=0.80)。重篤な有害事象は報告されなかった。
by otowelt
| 2021-07-14 00:30
| 感染症全般