気管支鏡を用いない急性好酸球性肺炎の診断スコア(韓国)

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韓国軍ではAEPがたくさん発生しているようで、これは喫煙を始めたことと関連しているようです。吸わないといけないような環境に入ってしまうことが問題なのかもしれません。

AEPをたくさん集めて解析すること自体が困難なので、韓国の医学雑誌とはいえ、有用な報告と思います。ただ、好酸球増多よりも白血球増多のほうが鑑別能が高いという結果でした。




  • 概要
■急性好酸球性肺炎(AEP)は、韓国の軍の喫煙者に多くみられるが、診断には気管支鏡検査が必要である。我々は、気管支鏡検査なしでAEPを診断するためのスコアリングシステムを開発し、検証することを目的とした。

■2016年11月15日~2019年12月25日までに軍都病院に入院した軍人喫煙者のうち、AEPまたはその他の肺炎と診断された患者を含む後方視的研究を実施した。患者は、入院日によってスコアリングを解析した群とスコアリングを検証した群に分けられた。患者の症状、検査所見、胸部CT所見を候補変数とした。LASSO回帰を用いてスコアを算出した。

■414人の患者のうち、AEPが確認されたのは、解析群279人中54人(19.4%)、検証群では135人中18人(13.3%)だった。LASSO回帰を用いて、新規喫煙または最近喫煙量が増加した(4週間以内)(8点)、小葉間隔壁肥厚(5点)、喀痰がない(3点)、すりガラス陰影(3点)、急性発症(3日以内)(2点)、呼吸困難(2点)、胸痛(2点)、白血球増加(2点)、気管支血管束肥厚(2点)、両側病変(2点)の10の変数から選択された。適切なカットオフ値は18点で、感度94.44%、特異度96.58%だった。AEP診断ADIMSスコアのROC曲線下面積は、解析群で0.997(95%信頼区間0.992-1.000)、検証群で0.985(95%信頼区間0.965-1.000)だった。
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by otowelt | 2022-01-18 00:26 | 呼吸器その他

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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