パルモディアとリファンピシン
2022年 07月 04日
脂質異常症に対して、ペマフィブラート(パルモディア®)の処方を見かけることが増えました。
呼吸器科では注意が必要な薬剤です。その理由は、リファンピシンとの併用が禁忌だからです。
肺MAC症の治療を導入しようとした患者さんが、他院でパルモディア®を処方されていることもありました。ちなみにリファンピシンと併用することで、パルモディア®の血中濃度は10倍以上になるリスクがあります。特に腎機能障害がある患者さんで、単独で服用した場合であっても横紋筋融解症のリスクがあるとされており、リファンピシン併用下では言わずもがなということでしょう。
パルモディア®とクラリスロマイシンの併用は禁忌ではありませんが、やはりこれも約2倍程度にパルモディア®の血中濃度が上昇するので、肺MAC症でリファンピシンとクラリスロマイシンが同時に入ると、パルモディアの血中濃度がかなり上がりそうです。
CYP3A代謝、OATP1B1とOATP1B3の基質、胆汁排泄型という特性を俯瞰的にみると、フィブラートよりも脂溶性スタチンに近い感じがします。ちなみにロスバスタチンはシクロスポリンの併用が禁忌ですが、リファンピシンはセーフです。パルモディア®は、シクロスポリンとリファンピシンのどちらもアウトです。
呼吸器科医がリファンピシンやボリコナゾールを使用する場合、とにかく添付文書で相互作用をチェックするクセをつけたほうがよいです(該当薬剤が多いので)。
by otowelt
| 2022-07-04 00:59
| 呼吸器その他