抗癌剤における吃逆のエビデンス


肺癌の白金系抗癌剤の副作用の1つである吃逆(しゃっくり)に、
氷水を飲むことが有効である可能性が、2009年2月7日~8日に開催された
第23回日本癌看護学会学術集会で、国立がんセンター東病院の菅野雄介先生により
報告された。

成人患者33人を対象に研究を行った。
200mLに氷片(約1cm3)を半分まで入れて、氷の高さ(約100mL)まで水を入れ、
それらをすべて摂取した。
吃逆消失の評価を氷水を摂取してから5分後と設定したところ、
33人中効果があったのは26人、効果なしが7人で、
有効率は78.7%(95%信頼区間 64.9-92.7)だった。


ちなみに・・・・・・・・・・・・
●非薬物療法
(1)吸気後の呼吸停止。
(2)咽頭刺激;
  1.舌圧子による圧迫
  2.咽頭へのキシロカインスプレー処置
  3.鼻から咽頭に向けてチューブ挿入し口蓋垂高の咽頭部を上下にこする。
 
(3)迷走神経、横隔神経に対して
  1.眼球圧迫
2.頸動脈洞のマッサージ
(4)吸入法;
  1.アンモニア、エーテル、からし油などで上気道を刺激しくしゃみをさせる
  2.炭酸ガスと酸素との混合ガスを吸入
(5)胃の膨満を解除;
  1.胃洗浄=急性胃拡張、幽門狭窄、空気嚥下症などによる吃逆の場合に有効
  2.重曹のかたまりを飲み、胃を急激に膨らませ、またげっぷ発生により
           収縮させることにより横隔膜の刺激をとる方法
        胃X線検査に用いる発砲錠でもよい
  3.経鼻的に胃にチューブを挿入
(6)神経ブロック;
  横隔膜神経ブロック(C3~5)や胸髄神経領域での持続硬膜外ブロック
(7)横隔膜神経切除;
  頑固な吃逆に対して施行。不成功に終わる例もある。

●薬物療法
・柿のへた
  撫育草 1803脇坂義堂
・クロルプロマジン(コントミン® 、ウィンタミン® )最近あまり使われない
 (12.5、25、50、100mgの錠剤と12.5、25、50mgのアンプル)
 用量:25mg×3/日 or 25~50mg点滴(点滴は特に術後に有効)
 禁忌:Parkinson症候群
Friedjood, CE, Ripster, CB. Chlorpromazine in the treatment of intractable hiccups. JAMA 1955; 157:309.
・ハロペリドール(セレネース® )
 用量:5~10mg/日
 禁忌:Parkinson症候群
・アミノトリプチン(トリプタノール® )
 用量:1回25~90mg
 禁忌:前立腺肥大、緑内障

・クロナゼパム(ランドセン® 、リボトリール® )
  用量:0.5~1.0mg×3/日
  禁忌:前立腺肥大、緑内障
・カルバマゼピン(テグレトール® )
  用量:200mg×4/日
  併用禁忌:ボリコナゾール 禁忌:血液障害、高度徐脈
・バルプロ酸ナトリウム(デパケン® )
  用量:15mg/kg/日
  併用禁忌:カルバペネム系 禁忌:妊娠、肝障害

・メトクロプラミド(プリンペラン®)
  用量:10mg×3~4回/日
  クロルプロマジンが無効のとき
  禁忌:褐色細胞腫
Madanagopolan, N. Metoclopramide in hiccup. Curr Med Res Opin 1975; 3:371.

・バクロフェン(ギャバロン® 、リオレサール®)
  用量:10~20mg×3回/日
  中枢神経を抑制するGABA類似作用を有すると考えられる。
・Ramirez, FC, Graham, DY. Treatment of intractable hiccup with baclofen: results of a double-blind randomized, controlled, cross-over study. Am J Gastroenterol 1992; 87:1789.  
・Guelaud, C, Similowski, T, Bizec, JL, et al. Baclofen therapy for chronic hiccup. Eur Respir J 1995;


・芍薬甘草湯 用量:7.5g~15g/日

・呉茱萸湯、半夏厚朴湯、半夏蕩心湯
 用量:1包に水500mLを加え、半量まで煎じ、煎汁を3回に分けて食間服用。
文責"倉原優"

by otowelt | 2009-02-12 19:04 | 肺癌・その他腫瘍

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