なぜアバスチンが非小細胞肺癌へ使われるのか


2008年末に、ベバシズマブ(アバスチン)の非小細胞肺癌への適応拡大が申請された。

これはE4599試験、AVAiL試験という2つの第III相試験に基づいて、
プラチナ製剤をベースとした標準的な化学療法にベバシズマブを併用することで、
扁平上皮癌を除く未治療の進行・再発のNSCLC患者の生存期間・無増悪生存期間を
統計学的に有意に延長することが示された。
欧米では扁平上皮癌を除く進行・再発のNSCLC(非扁平上皮癌)の
1st-lineとして承認されている。

●E4599試験
 局所進行性、転移性、または再発性NSCLCで非扁平上皮細胞の878名を
 対象とした多施設共同無作為化第Ⅲ相臨床試験。
 生存期間の中央値は化学療法単独では10.3カ月であるのに対し、
 化学療法とAvastin 15mg/kgの3週1回投与との併用群では12.3カ月。
 PaclitaxelおよびcarboplatinとAvastinとの併用群の全生存期間は、
 化学療法単独群に比べて25%改善。
 肺出血(喀血)がAvastin+化学療法併用群で2.3%に観察された。
 Avastin治療に関連した、最も多い有害事象は、高血圧(5.6%)、蛋白尿(4.2%)、
 疲労(5.1%)、および呼吸困難(5.6%)であった。
 Sandler A et al. N Eng J Med 2006; 355: 2542-2550

●AVAiL試験
 シスプラチン+ゲムシタビンにベバシズマブの上乗せ効果を検証した試験。
 AVAiL(Avanstin in Lung Cancer)試験。
 シスプラチン、ゲムシタビンのみの群と、化学療法にベバシズマブ7.5mg/kgを
 投与した群、化学療法にベバシズマブ15mg/kgを投与した群の3群で行った。
 1000人以上の非小細胞肺がん(非扁平上皮がん)が対象で、
 化学療法のみの群と比較して、無増悪生存率が20~30%延長した。


・Avastinについて (中外製薬より)
 Avastinは、血管新生(がん組織に栄養と酸素を供給する血管網の伸長)を阻害する初めての治療薬です。Avastinは、血管新生における重要な因子であるVEGF(血管内皮増殖因子)と呼ばれる生体内の蛋白質を標的として、腫瘍の増殖と全身への転移に不可欠な血液供給を遮断するものです。
 Avastinは欧州では2005年1月に、米国では2004年2月に、転移性結腸・直腸がん患者のファーストライン治療薬として承認されました。米国では2006年6月、転移性結腸・直腸がん患者のセカンドライン治療薬として追加で承認を受けました。さらに2006年10月、FDAによる優先審査を経て、血管新生阻害剤では世界で初めてNSCLCの治療薬として承認されました。Avastinは、最近では2007年3月に、欧州では転移性乳がん女性患者のファーストライン治療薬として、また日本では2008年4月、治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんへの使用が承認されました。

 

by otowelt | 2009-02-17 08:45 | 肺癌・その他腫瘍

<< air trappingは喘息... 進行非小細胞肺癌に対するGC併... >>