vandetanibのNSCLCへの応用


●バンデタニブとは
 バンデタニブは臨床的に証明されている2つの作用により抗腫瘍効果を発揮。
 1. 「血管内皮増殖因子(VEGF)」を阻害し、腫瘍への新しい血管形成を
   阻害することによって、腫瘍増殖を阻止する。
 2.「上皮増殖因子受容体(EGFR)」を介して起こる腫瘍増殖を直接阻害する。
   また特定の甲状腺癌の成長に関わるRETチロシンキナーゼも阻害する。


An open-label study of vandetanib with pemetrexed in patients with previously treated non-small-cell lung cancer. Ann Oncol 2009 20: 486-491

セカンドラインNSCLCにおける、バンデタニブとペメトレキセドの併用について
認容性があるという結果の論文がAnnals of oncologyより出ていた。
Boer医師のZEAL試験の論文である。

イレッサの後継者ともなるべき、このバンデタニブ(商品名ザクティマ)は
アストラゼネカが力を入れている新薬の1つ。
3つの第Ⅲ相臨床試験が有名なので、呼吸器内科医としては知っておきたい。

●ZODIAC試験
バンデタニブ100mg/日とドセタキセルの併用療法をドセタキセル単剤と
比較検討する第Ⅲ相無作為化プラセボ対照二重盲検試験。
1レジメンの抗癌剤治療歴がある進行NSCLC1391例で検討。

●ZEAL試験
バンデタニブ100mg/日とペメトレキセドの併用療法を
ペメトレキセド単剤療法と比較検討する第Ⅲ相無作為化プラセボ対照二重盲検試験。
1レジメンの抗癌剤治療歴がある進行NSCLC534例で検討。

 バンデタニブと化学療法を併用したZODIAC試験とZEAL試験では、
 化学療法の単剤療法に比べ良好な結果であった。
 バンデタニブを化学療法と併用することで、PFSが延長した。
 小規模のZEAL試験では統計学的な有意差は認められなかったが、
 より大規模なZODIAC試験では統計学的に有意なPFSの延長が認められた。
 また、腫瘍縮小効果の指標となる奏効率(ORR)で統計学的に有意な改善があった。
 全生存期間(OS)においてもやや延長傾向がみられた。

 また、化学療法にバンデタニブを併用することで化学療法の単剤療法に比べ、
 疾患随伴症状を良好にコントロールすることが可能。
 良好なQOLを統計学的有意に、より長期間持続させることができた。


●ZEST試験
バンデタニブ300mg/日とエルロチニブ150mg/日の有効性を
比較検討する第Ⅲ相無作為化二重盲検試験で、治療歴のある局所進行
または転移性のNSCLC1240例で検討。
PFSを統計学的に有意に延長することを示すという主要評価項目は達成できなかった。
しかし、バンデタニブとエルロチニブは事前に計画されていた非劣性解析により
同等のPFSとOSを示した。


3つの第Ⅲ相臨床試験におけるバンデタニブの安全性プロファイルは、
これまで非小細胞肺がん患者を対象に行ったバンデタニブ試験と相違のない結果。


現在、ZEPHYR試験も進行中。

●ZEPHYR試験
ZEPHYR (ZACTIMA Efficacy trial for NSCLC Patients with
HistorY of EGFR-TKI and chemo-Resistance)試験はEGFR-TKI
による治療後の局所進行または転移性のNSCLCを対象に
バンデタニブ300mgにBSCを加えた治療とBSCのみの治療の有効性を
比較検討した無作為化並行群間二重盲検試験。現在進行中。

by otowelt | 2009-03-03 11:30 | 肺癌・その他腫瘍

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