ニューモシスティス肺炎 (カリニ肺炎) その2

●ニューモシスティス肺炎の症状
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Fujii, T. et al. Journal of Infection and Chemotherapy. 2007; 13:1-7


●ニューモシスティス肺炎の診断
・喀痰
 生食吸入で喀痰採取すると、特異度100%、感度55~92%。
Cruciani, M, et al. Meta-analysis of diagnostic procedures for Pneumocystis carinii pneumonia in HIV-1-infected patients. Eur Respir J 2002; 20:982.
 しかし、ペンタミジン吸入予防をしていると、PCPを発症しても
 64%しか陽性にならない。
Levine, SJ, et al. Effect of aerosolized pentamidine prophylaxis on the diagnosis of Pneumocystis carinii pneumonia by induced sputum examination in patients infected wit the human immunodeficiency virus. Am Rev Respir Dis 1991; 144:760.

・BAL
 97~100%の診断率。喀痰から出なければ、これが推奨される。

・画像
 PCPは、典型的には肺門部から両側に広がるGGOが特徴的である。
 しかしながら、AIDS患者に多発嚢胞+GGOを呈することは有名。
 嚢胞以外に、気胸、区域性浸潤影、結節影、胸水などもみられることがある。
Kales, CP, Murren, JR, Torres, RA, Crocco, JA. Early predictors of in-hospital mortality for Pneumocystis carinii pneumonia in acquired immunodeficiency syndrome. Arch Intern Med 1987; 147:1413.
 HRCTはPCPに非常に感度が高い。特にHIV関連の場合はさらに高くなる。
 HIV関連PCPの場合、斑状・結節性のGGOに関しては
 感度は100%、特異度は89%まで上昇。
Hartman, TE, Primack, SL, Muller, NL, Staples, CA. Diagnosis of thoracic complications in AIDS:accuracy of CT. AJR Am J Roentgenol 1994; 162:547.

※なぜ嚢胞ができるのか??
 空洞や囊胞形成の機序については,血管浸潤による虚血性壊死性変化,
 肺胞マクロファージの産生するTNFや顆粒球エラスターゼ産生などが
 組織壊死を引き起こし,空洞・囊胞形成をきたすと推測。
 可逆性がある囊胞を形成する症例報告が散見されており,
 ニューモシスチス肺炎に伴う末梢気道チェックバルブが関与している可能性も指摘。
・Goodman PC. Pneumocystis carinii pneumonia. J Thorac Imaging 1991 ; 6 : 16-21.
・Marutsuka K, Suzumiya J, Sumiyoshi A. Cavitating pneumocystis pneumonia in an autopsied case of adult T-cell leukemia. Int J Hematol 1992 ; 56 : 233-237.

 混合感染に伴う組織破壊が空洞を形成するとも言われている。
Uwyyed K, et al. Case report : Pneumocystis carinii pneumonia presenting as a solitary cavitating lung lesion in non-HIV immunosuppressed patients. Br J Radiol 1996 ; 69 : 472―475.

・核医学検査
 ガリウム67、インジウム111、テクネシウム99m、インジウム111IgG、
 テクネシウム99mIgGなどが診断に使われる。ガリウム67シンチは
 感度100%、特異度50%以下。肺にびまん性の集積がガリウムで
 みられた場合、Kramerらは特異度が83%まで上昇、
 Barronらは特異度が86%まで上昇すると報告している。
 エビデンスとまではいかないが、症例報告としてKatialらはAIDS患者の
 PCP再発に際して、両側肺尖部にガリウムの集積がみられるとしている。 J   
   Nucl Med 1992;331(1):81-87.
   J Nucl Med 1994;35:1038-1040.
   Radiology 1989;170:671-676.
   J Nucl Med 1994;35:1034-1037.


・β-Dグルカン
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文責 "倉原優"

by otowelt | 2009-03-18 11:56 | レクチャー

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