PS不良NSCLC/EGFR+群にゲフィチニブは有用


イレッサに関する興味深い論文がJCOから発表されていた。
ここでまずイレッサに関する復習から。

●INTEREST試験 2nd-line イレッサ=DOC
1~2レジメンの化学療法(少なくとも1つは白金製剤を含むレジメン)を受けた
後、進行もしくは再発した、局所進行、転移性NSCLC患者を対象に行われた。
患者は無作為にゲフィチニブを1日当たり250mg投与する群と、3週間おきに
ドセタキセル75mg/m2を静脈内投与する群に割り付けられた。
24カ国149施設で1466人の患者が登録され、ゲフィチニブ群は733人、
ドセタキセル群も733人となった。1466人のうち323人がアジア人だった。
試験の結果、全生存期間の中央値は、ゲフィチニブ群が7.6カ月に対して
ドセタキセル群が8.0カ月、1年生存率はゲフィチニブ群が32%で
ドセタキセル群が34%だった。全生存期間の評価対象はゲフィチニブ群が
723人、ドセタキセル群が710人で、イベント数はゲフィチニブ群が593、
ドセタキセル群が576だった。HRは1.020(96%CI 0.905-1.150)で、
ゲフィチニブがドセタキセルに非劣性であることが明らかとなった。

●IPASS試験 1st-line EGFR+ イレッサ>カルパク
IPASS試験は、アジア人の化学療法治療歴のない進行
非小細胞肺癌(NSCLC)患者で、組織型は腺癌、かつ喫煙歴がないか
軽度の喫煙歴(10pack yaer以下で少なくとも15年以上禁煙している)が
ある患者が対象になっている。日本人は233人参加しており、
ゲフィチニブ群114例、カルボプラチン/パクリタキセル(PC)群は119例。
試験の結果、ゲフィチニブはPCに対して優れていることが明らかとなった
(HR0.741、95%CI:0.651-0.845、p<0.0001)。
ただし、無増悪生存について、最初の6カ月間はPC群の方が上回っており、
次の16カ月はゲフィチニブ群が上回ったという結果だった。
EGFR変異の有無でサブ解析を行った結果では、EGFR変異陽性群で
HR0.48(95%CI:0.36-0.64、p<0.0001)でゲフィチニブ群が
有意にPFSを延長し、EGFR変異陰性群ではHR2.85
(95%CI:2.05-3.98、p<0.0001)でPC群の方が有意にPFSを延長した。


First-Line Gefitinib for Patients With Advanced Non–Small-Cell Lung Cancer Harboring Epidermal Growth Factor Receptor Mutations Without Indication for Chemotherapy.JCO Mar 2009: 1394–1400.

North East Japan Study Groupa:東北大学からの論文。
PSが悪いEGFR mutationポジティブの症例に イレッサを投与するというもの。

目的:
 このmulticenter phase II studyは、進行NSCLCのEGFR mutationが
 ポジティブの 症例に対して、化学療法が適応とならないようなPS不良の
 患者に対して、どのような効果と安全性があるかを調べた試験である。

患者および方法:
 化学療法ナイーヴで、PS不良(20~74歳でPS 3~4, 75~79歳でPS 2~4,
 80歳以上でPS 1~4)のEGFR mutationがポジティブの症例。
 この患者群にgefitinib (250 mg/d)単剤で治療を開始した。

結果:
 2006年2月から2007年5月までに、30人の患者が登録された。
 うち22人はPS3~4だった。
 RRは66% (90% CI, 51% to 80%)であり、DCRは90%だった。
 PSの改善は79%にみられた (P < .00005)。median PFSは6.5ヶ月、
 median 生存期間は17.9ヶ月、1年生存率は63%であった。
 治療関連死亡はみられなかった。

結論:
 EGFR mutationポジティブのPS不良症例における
 イレッサの効果を示した初めての論文である。
 こういった生命予後の悪い患者におけるスタンダードの治療はBSCしかなく、
 このイレッサの試験は今後のPS不良群における治療に一石を投じるであろう。

by otowelt | 2009-03-22 13:44 | 肺癌・その他腫瘍

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