抗癌剤投与なく転移性乳癌で死亡する患者は多い

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乳癌が肺転移した患者さんも何人か受け持って
いるのだが、若いのに結構ステージが
進んでしまっているケースをよくみかける。
やはりできる場所がデリケートな
部位だからか・・・???

ついこの間も33歳の乳癌の
患者さんを天国へ見送った。
全身に転移し、塩酸モルヒネの
タイトレーションをおこなう
時間すら与えられず、非常にシビアな最期を迎えた。

oncologyから以下の論文。
化学療法を受けることなく、亡くなっていく
乳癌の患者さんが意外に多かったという報告。
おそらく日本でも同様の数字だと思う。

Systemic therapy of metastatic breast cancer:the truth beyond the clinical trials.
Oncology 2009;76:247-253.


目的:
 転移性乳癌のコホート研究における緩和療法の経過を追う。

方法:
 1990年から2006年までに乳癌の遠隔転移が診断され
 最終的にこれにより死亡した242例の患者の治療法と経過を比較。
 乳癌の転移が診断された年代により患者を2群にわけた。
 A群:1998~2006年
 B群:1990~1997年

結果:
 一般的な治療の種類および治療の回数は2群で有意な差はなかった
 全身療法なし:A群12.9% VS B群13.7%、p=0.848
 ホルモン療法単独:A群20.4% VS B群25.2%、p=0.430
 化学療法単独:A群18.4% VS B群16.9%、p=0.735
 ホルモン療法/化学療法/trastuzumabを含む順次併用療法:
     A群46.9% VS B群44.2%、p=0.694
 治療回数中央値:2回
 
 化学療法が投与された症例における治療回数は高齢と若年で差はなし。
 (中央値2回、≧70歳 VS <70歳;p=0.269)
 転移性乳癌特異的生存期間は1990~1997年の16か月に対し
 1998~2006年では21か月に延長していた(p=0.062)。

結論:
 どのような抗癌剤の投与も受けることなく転移性乳癌で死亡した
 患者数は10%以上と予想外に多い。
 化学療法は高齢患者にも実施可能な治療法と考えられる。

by otowelt | 2009-03-23 16:51 | 肺癌・その他腫瘍

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