2009年 05月 19日 ( 2 )

プラビックスとPPIは併用禁忌


プラビックスとPPIは併用禁忌であるという
ショッキングなスタディに対してSCAIが声明を出した。
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「冠動脈ステント留置後にクロピドグレルを投与した患者の心血管アウトカムに対する、個々のPPIの影響についての全国的調査: The Clopidogrel Medco Outcomes Study」に対するSCAIの声明

SCAIの学術総会で発表されたThe Clopidogrel Medco Outcomes Studyの
結果から、クロピドグレルとPPIを併用している患者は、心筋梗塞、脳卒中、
不安定狭心症、再血行再建術実施に伴う入院の複合リスクが50%上昇したことが
明らかになった。心筋梗塞または不安定狭心症のリスクは70%、
脳卒中または脳卒中様症状(stroke-like symptoms)のリスクは48%、
再血行再建術実施のリスクは35%上昇した。
対象者は冠動脈ステント留置後に1年間クロピドグレルを服用した患者1万6690人。

重要な背景:
・本研究ではパントプラゾール(Protonix)、エソメプラゾール(Nexium)、
 オメプラゾール(Prilosec)、およびランソプラゾール(Prevacid)の投与患者の
 アウトカムを調査した。ラベプラゾール(Aciphex)やdexlansoprazole(Kapidex)
 などの、より新しいPPIのアウトカムについては調査していない。
・本研究の対象患者のPPI平均投与期間は9カ月である。
・本研究は、クロピドグレルとPPIの併用患者のアウトカムを調査した研究としては、
 これまでで最大規模である。
・これら2剤の併用患者における有害事象を調査した過去2件の小規模研究は、
 相反した結果となっている。データベースを解析した最初の研究ではクロピドグレル
 とPPIの併用患者で心イベントの増加を見いだしたが、CREDO研究ではこれら2剤
 の併用による有害事象は認められなかった。

医療提供者に対する勧告:
 今回のデータの主旨は以下の通りである。
 本コホートのPPI非投与患者の総イベント発生率は17.9%
 (心筋梗塞、脳卒中、不安定狭心症、再血行再建術実施に伴う入院の複合リスク)。
 PPI投与患者全体のリスクは、対照群に対し50%上昇した。
 PPIごとのイベント発生率は、ランソプラゾール(Prevacid)24.3%、
 エソメプラゾール(Nexium)24.9%、オメプラゾール(Prilosec)25.1%、
 パントプラゾール(Protonix)29.2%で、PPI非投与の対照群における17.9%
 と比較すると、これらはすべて統計的に有意だった。

 ステント留置患者に対し、抗血小板薬2剤併用療法による消化器系の副作用
 (悪心、消化不良)を予防する目的で、留置後短期間PPIが処方されることが
 しばしばある。消化性潰瘍や胃食道逆流症など、抗血小板薬2剤併用療法とは
 関係ない適応症で、ステント留置の前後にPPIを処方される患者もいる。
 このような患者はPPIを長期間服用することがある。

 この問題についてはさらなる研究が必要だが、本研究で有害事象のリスクが
 高いことが分かったことから、ステント留置後に抗血小板薬2剤併用療法を
 行っている患者を診る医療提供者に対して、PPIではなくH2ブロッカー
 (Zantac、Tagametなど)または制酸剤の処方を考慮することをSCAIは推奨。

 心疾患やステント留置とは無関係の消化器症状に対して薬物療法が必要な場合、
 インターベンション医は患者のプライマリ・ケア医や消化器専門医と連絡を取り、
 PPIの代替薬について話し合うことが求められる。

by otowelt | 2009-05-19 10:34 | 内科一般

早期癌患者生存者における、食事運動療法は機能低下を防ぐ


JAMAより癌生存者における食事運動療法のメリットについて。
高齢者癌患者にどこまで介入していいのやら・・・
というマイルストーン的な論文になるかもしれない。


Effects of Home-Based Diet and Exercise on Functional Outcomes Among Older, Overweight Long-term Cancer Survivors
JAMA. 2009;301(18):1883-1891.


背景:
 早期大腸癌・乳癌・前立腺癌の5年生存率は、現在90%以上である。
 生存者において、第二の発癌、合併症が起こると、機能的な低下を招く。
 ライフスタイルの介入を行うことで、それに利益をもたらすかもしれないが、
 まだ長期の癌生存者のライフスタイル改善による効果についてはよくわかっていない。

目的:
 電話コンサルトとメールプリントによる食事・運動療法が
 高齢者の機能低下においてどのように癌生存者の利益につながるか検証。

デザイン:
 641人65~91歳のBMI25~40の過体重患者を5年間以上追跡。
 大腸癌、乳癌、前立腺癌の患者を319人の介入群と322人の非介入群に割り当て。

介入:
 12ヶ月の在宅ベースの電話コンサルト・メールによるサポート。
 食事・運動療法のマネジメントをこれでおこなった。プライマリエンドポイントは
 自己申告の身体機能と12ヶ月後のShort-Form 36 physical function subscale
 (score range, 0-100;ハイスコアは良い機能を反映)。セカンダリエンドポイントは
 下肢機能サブスケール(Late Life Function and Disability Index)
 (score range, 0-100)、身体活動、BMI、QOLである。

結果:
 平均Short-Form 36 physical function scoreは75.7であった。
 平均機能スコアは介入群でより低下を防いだ。
 (−2.15;95%CI −0.36~−3.93)VS(−4.84;95%CI, −3.04~−6.63) (P=.03)
 平均の下肢機能サブスケールは78.2であった。
 介入群で12ヶ月後に、0.34 (95% CI, −0.84 to 1.52)、非介入群で−1.89
 (95% CI, −0.70 to −3.09)とこれも有意に介入群の成績がよかった(P=.005)。
 セカンダリエンドポイントもすべて介入群に軍配があがった。
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結論:
 高齢者において、早期大腸癌・乳癌・前立腺癌の長期生存者に対して
 食事運動療法についての介入を行うことで、機能低下を防ぐことができる。

by otowelt | 2009-05-19 00:27 | 肺癌・その他腫瘍