2013年 09月 08日 ( 1 )

サルコイドーシスに対するインフリキシマブ治療を中断すると、SUVmaxおよびsIL-2R高値例では再発が多い

e0156318_11333269.jpg ヨーロッパ呼吸器学会(ERS)の速報をしようと思っていたのですが、多忙のためできませんでした。申し訳ありません。

 PETでSUVmaxが高くsIL-2Rも著増しているサルコイドーシス患者さんは実際にいますが、多くの場合、両側肺門リンパ節腫脹(BHL)だけでは済まず、眼・心臓・神経・皮膚へのサルコイドーシスの浸潤がみられます。
 「これは悪性リンパ腫だろう」と思われる症例でも、病理組織でサルコイドーシスと診断されることがあります。経験的にSUVmaxが高い症例は、皮膚や心臓など縦隔以外にも病変がみられることが多いと感じています。
 以前CHESTで報告があったように、サルコイドーシスのセカンドラインとしてはメトトレキサートやアザチオプリンなどの免疫抑制剤が用いられることがあります。本当に“効く”のかどうか存じ上げませんが・・・。

サルコイドーシスのセカンドライン治療におけるメトトレキサートとアザチオプリンは良好な効果

 サードラインとして、インフリキシマブが挙げられています。

Vorselaars A, et al.
Prediction of relapse after discontinuation of infliximab therapy in severe sarcoidosis
Eur Respir J erj00552-2013; published ahead of print 2013, doi:10.1183/09031936.00055213


背景:
 インフリキシマブは、重症サルコイドーシスに対するサードライン治療として効果的であるが、長期的な効果は不明である。

方法:
 この試験の目的は、サルコイドーシス患者におけるインフリキシマブの中断後の再発率、および血清可溶性インターロイキン2受容体(sIL-2R)や18F-FDG PETのSUVmaxといった活動性マーカーの解析によって再発が予測できるかどうか検証することである。このレトロスペクティブコホート試験において、Kaplan-Meier法によってサルコイドーシスの再発率が解析され、Cox回帰分析によって予測因子を調べた。

結果:
 インフリキシマブを開始した47人のサルコイドーシス患者がリスク解析に登録された。47人のうち、29人(62%)が再発を経験した。再発は、29人のうち20人が最初の10ヶ月以内に起こった。Kaplan-Meier解析では、再発までの中央期間は11.1ヶ月であり、コホート内の25%が4ヶ月以内に再発した。
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(文献より引用)

 治療開始時の縦隔における18F-FDG PETのSUVmaxが6.0以上の場合(ハザード比3.77、P<.001)、血清sIL-2Rが4,000 pg/mL以上の場合(ハザード比2.24、P =.033)はサルコイドーシスの再発を有意に予測することができた。多変量解析では、治療開始時の縦隔リンパ節のSUVmax6.0以上は、サルコイドーシス再発の独立予測因子であった(ハザード比4.33、P<.001、人種間で補正後)。
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(文献より引用)

 なお、サルコイドーシスのバイオマーカーとしてよく使用されているアンジオテンシン変換酵素(ACE)は本試験では有意差はみられなかった。

結論:
 サルコイドーシスに対してインフリキシマブ治療を中断した患者の多くが再発した。治療開始時の血清sIL-2R高値および縦隔における18F-FDG PETのSUVmax高値は、再発を有意に予測する。そのため、こういった患者集団においてはインフリキシマブの治療中断には細心の注意を払わねばならない。


by otowelt | 2013-09-08 00:44 | サルコイドーシス