2013年 09月 20日 ( 1 )

呼吸器科医もトレーニングを積めばTBNA検体の迅速細胞診が可能に

e0156318_9511053.jpg 当院では、気管支鏡検体のROSEのときに、細胞診断士が観察する顕微鏡画面を液晶テレビで一緒に見ることができます。

Martina Bonifazi, et al.
The Role of the Pulmonologist in Rapid On-Site Cytological Evaluation of Transbronchial Needle Aspiration: A Prospective Study
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-0756


背景:
 細胞診検体の迅速細胞診(rapid on-site evaluation: ROSE)は、肺や縦隔領域の穿刺吸引細胞診で補助的な診断方法である。ただ、時間や医療資源の理由から、ROSEは普及している検査法ではない。この研究の目的は、資格を有する細胞病理学者と比較して、細胞診の訓練を受けた呼吸器科医が経気管支針吸引(TBNA)の検体を評価することが、肺門や縦隔のリンパ節の診断をつけるのに妥当かどうか検証した。また、ROSEの診断の正確さを呼吸器科医と病理医の間で比較、評価した。

方法:
 一人の呼吸器科医と一人の細胞病理学者(後者をゴールドスタンダードとする)が、ROSEを行い、その細胞診検体を診断的カテゴリー(C1~C5)に分類した。臨床医同士の一致は、カッパ統計量で評価した。ROSEの正確さについては、最終的な細胞診断学的アセスメントに従うものとした。

結果:
 肺門の縦隔リンパ節が腫大した84人の患者に対して、計362のTBNAが施行された。その81%において、呼吸器科医と病理医の観察者間一致がみられた (κ 0.73, 95%信頼区間0.61-0.86, P < .001)。悪性疾患の場合には、さらに観察者間一致率が高かった (κ 0.81, 95%信頼区間0.70-0.90, P < .001)。ROSEの正確さについては、呼吸器科医(80%, 95%信頼区間77-90)と病理医(92%, 95%信頼区間85-94)の間に有意差はみられなかった。
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(文献より引用:赤=偽陽性、青=偽陰性、緑=真陽性、黄=非診断検体、軸=クラス1~5)

結論:
 この研究は、訓練を受けた呼吸器科医が、ROSEによる細胞診検体を適切に評価することができるという最初のエビデンスである。基本的な細胞病理の知識を呼吸器科医に訓練することで、(多忙な)診断業務の中で細胞病理学者に関与してもらうことが難しいという問題を取り除くことができる上、コストも減らすことができるだろう。


by otowelt | 2013-09-20 00:31 | 気管支鏡