2013年 09月 26日 ( 1 )

特発性肺線維症における線維化の弾性線維スコアが高いほど予後不良

e0156318_22462696.jpg 浜松医科大学からの報告です。“線維化(fibrosis)”という議論に一歩踏み込んだ論文です。

Enomoto N, et al.
Amount of elastic fibers predicts prognosis of idiopathic pulmonary fibrosis
Respiratory Medicine, published online 03 September 2013.


背景:
 弾性線維は線維組織を“かたく”するが、特発性肺線維症(IPF)の病態生理における役割は完全には調べられていない。この試験の目的は、IPFにおける弾性線維の臨床的重要性を同定することである。

方法:
 われわれは外科的肺生検によってIPFと診断された43人の患者を登録した。組織学的検体はElastica Van Gieson染色され、デジタル画像が得られた(全文読んでいませんがおそらく病理デジタル画像)。デジタル画像上、(弾性線維を含むピクセル数)/(線維組織が占める数)でスコアを算出した(弾性線維スコア[%])。弾性線維スコア、臨床所見、放射線学的所見、病理学的所見、予後の関連性が探索された。

結果:
 弾性線維スコアの中央値は10.9%(5.1–23.3%)だった。弾性線維スコアは、努力性肺活量(%予測値)と逆相関しており(r −0.451, p = 0.003)、12ヶ月の努力性肺活量の減少と相関していた(r −0.475, p = 0.033)。
 さらに、弾性線維スコアはHRCTにおける線維化のひろがりと関連していた。高い弾性線維スコアは、スコアが低い患者と比較して有意にアウトカムを悪くした(5年生存率:48.7% vs. 84.0%, p = 0.024)。弾性線維スコアは予後不良の独立予測因子であった(ハザード比1.21, p = 0.005)。

結論:
 線維組織における弾性線維の量は、IPF患者の予後指標である。


by otowelt | 2013-09-26 00:49 | びまん性肺疾患