2015年 05月 19日 ( 11 )

ATS2015:COPD急性増悪に対する妥当なメチルプレドニゾロン量は?

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 私も、妥当な量を知りたいと長らく思っています。

T.H. Kiser, et al.
Corticosteroid Dosing for Acute Exacerbations of Chronic Obstructive Pulmonary Disease Requiring Ventilatory Support
ATS2015, B23, Poster Discussion Session


背景:
 全身性ステロイド投与は、COPD急性増悪で入院した患者に対する最も重要な治療の1つである。しかしながら、人工呼吸管理を要する患者を含め、その適正な量についてはわかっていない。この研究の目的は、人工呼吸管理を要するCOPD急性増悪で入院した患者の臨床試験で用いられてたステロイド量を記載し、それが臨床試験の計画に妥当性のあるリサーチクエスチョンかどうか検証した。

方法:
 人工呼吸を要するCOPD急性増悪を起こした患者の臨床に携わる2つのネットワーク(the United States Critical Illness and Injury Trials Group [USCIITG] 、 the Prevention and Early Treatment of Acute Lung Injury Trials Network [PETAL])内で集中治療医に対するサーベイをおこなった。医師は以下に対する意見を求められた。
1) この患者群における1日あたりのステロイド量(メチルプレドニゾロン相当)
2) 人工呼吸を要するCOPD急性増悪の患者に対するステロイド量を評価するための臨床試験の必要性
3) 異なるステロイド量レジメンを臨床試験に用いるとして、容認できる最高用量
4) 異なるステロイド量レジメンを臨床試験に用いるとして、容認できる最低用量

結果:
 32人の医師がサーベイに回答した。回答者のCOPD急性増悪に対するメチルプレドニゾロンの通常使用量は40~500mg/日であり、中央値は120mg/日だった。
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(Abstractより引用)

 81%の医師が240mg/日以下から開始し、19%の医師が240mg/日超から開始すると回答した。94%の医師は、これらの患者群における妥当なステロイド量を検証するための臨床試験の必要性があると答えた。臨床試験で用いるレジメンを想定する場合、78%の医師が最低でも40mg/日の用量が必要で、88%の医師は最大は240mg/日ないし500mg/日の用量と回答した。

結論:
 このサーベイから得られたことは、以下のことである
1) 人工呼吸管理を要するCOPD急性増悪に対するステロイドの現行使用量にはメチルプレドニゾロン換算で40~500mg/日とバラつきがある。
2) 妥当な用量を調べる臨床試験が必要である
3) 臨床試験として妥当なステロイド量は、最低でも40mg/日、多くても250mg/日あるいは500mg/日と答える医師が多かった。


(補足)
別のセッションで、高用量ステロイドはその合併症の観点から推奨されないという発表をしている研究グループもあります。

Y.C. Yeh, et al.
Factors Influencing Initial Steroid Dose Selection and Subsequent Adverse Events in Patients Hospitalized for Exacerbations of COPD
ATS2015, B25, Thematic Poster Session



by otowelt | 2015-05-19 12:19 | 気管支喘息・COPD

ATS2015:EBUS-TBNAに用いる針の比較:22G vs 25G

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P.A. Berger, et al.
A Comparison of the 22-Gauge Medi-Globe Sonotip II Transbronchial Aspiration Needle with the 25-Gauge Cook Echotip Ultra Transbronchial Aspiration Needle, and the 25-Gauge Cook Echotip Procore Core Biopsy Needle During Endobronchial Ultrasound-Guided Tran
ATS2015, B103, Poster Discussion Session


背景:
 EBUS-TBNAは安全で低侵襲で高い診断能を有する気管支鏡検査である。この研究では22GのEBUS-TBNAと25GのEBUS-TBNAと25Gのコアニードルを比較した。

方法:
 EBUS-TBNAを受けた患者をレトロスペクティブに登録した。針は以下のものを使用
・22G:Medi-Globe Sonotip II needle
・25G:Cook Echotip Ultra needle
・25G:Cook Echotip Procore core biopsy needles
 それぞれの針による診断能を比較した。組織診断が可能であったか、また血液混入の度合いについても調べた。

結果:
 22G群に24人、25G群に24人が登録され、後者については25Gコアニードルを併用した患者についても調査した。
 22G群では合計87の針生検がおこなわれた。51生検(57%)が細胞診が可能であった。そのうち36生検(41%)が組織診断可能であった。血液混入は無視できるほどであった。
 25G群では合計96の針生検がおこなわれた(コアニードル併用)。69生検(71%)が細胞診が可能であった。そのうち、36生検(52%)が組織診断可能であった。血液混入は1検体のみで有意にみられた。
 25Gコアニードルでは組織診断評価は困難であった。

結論:
 少ない患者数の研究ではあるが、EBUSで用いる針は大きいGの方が望ましい診断能であった。将来的に大規模な研究でこれらを比較検討したい。


by otowelt | 2015-05-19 07:51 | 気管支鏡

ATS2015:肺動脈径/大動脈径比の上昇はIPFの予後不良因子

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 GAPスコアについてはびまん性肺疾患を診療されている方はご存知と思いますが、そのパフォーマンスについてはまだまだ改善の余地があると言われています。

H.T. Duong, et al.
Pulmonary Artery Diameter to Aortic Diameter Ratio Predicts Mortality in Idiopathic Pulmonary Fibrosis
ATS2015, B25, Poster Discussion Session


背景:
 特発性肺線維症(IPF)は進行性の予後不良疾患であるが、その生存や予後を予測する因子を同定する研究は不足している。胸部CTによって測定される肺動脈(PA)径・大動脈(A)径の比は肺高血圧の存在と関連している。肺高血圧症はIPFの死亡の増加と関連しているとされている。そこで、われわれはPA/A比がIPFの死亡予測因子として妥当かどうか検証した。

方法:
 レトロスペクティブにIPFと診断された患者を登録した。胸部CTおよび呼吸機能検査を受けていることを条件とした。PA径はPA分岐部で測定され、A径も同じスライスで測定するものとした。プライマリアウトカムは死亡までの期間とした。GAPスコアに対してPA/A比の追加的効果があるかどうかなどを調べた。

結果:
 147人の患者が生存解析に登録された。平均年齢は69.3±8.5歳で、75%が男性だった。全生存期間は中央値で4年だった。PA/A比は有意にDLCOが低い患者、CT線維化スコアが高い患者、酸素療法を受けている患者、生存期間の短い患者と関連していた。年齢、性別、努力性肺活量、DLCOによる補正後においても、PA/A比は死亡を予測する独立因子であった。GAPスコアに追加的にPA/A比評価を組み込むことで予後推定能が向上した。
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(Abstractより引用)

結論:
 PA/A比はIPFの死亡を強く予測する因子である。GAPスコアの予後推定能に加えることで有用である。


(補足)
 類似の発表があるので要チェックです。

S. Shin, et al.
Utilization of Pulmonary Arterial Size and Coronary Artery Calcification on HRCT Imaging for Prognostic Stratification in Patients with IPF
ATS2015, B25, Poster Discussion Session


H. Kiyokawa, et al.
PA/A Ratio (the Ratio of Pulmonary Artery Diameter to Aortic Artery Diameter) as a Prognostic Predictor and Longitudinal Impact of Exacerbations on PA/A Ratio in COPD Patients
ATS2015, B34, Thematic Poster Session



by otowelt | 2015-05-19 07:34 | びまん性肺疾患

ATS2015:胸部HRCTで非典型的UIPパターンを示した患者は典型的UIPパターンの患者より予後不良

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 非典型的UIP、という概念が本当にUIPと書いていいものか難しいところです。

J.K. Pannu, et al.
Atypical Radiological Findings in Usual Interstitial Pneumonia of Unknown Etiology vs. Idiopathic Pulmonary Fibrosis: A Retrospective Cohort Study
ATS2015, B25, Poster Discussion Session


背景:
 UIPは特発性肺線維症(IPF)の特徴的な病理組織像であるが、他の線維性肺疾患においても観察される。肺底部の網状影と蜂巣肺は胸部HRCTにおいてIPFの患者にみられる典型的所見である。しかしながら、病理学的にUIPと診断されても画像上は典型的なそれとは異なるケースもある。この研究ではその差異について調べた。

方法:
 レトロスペクティブに76人のUIPと診断された患者を登録した。われわれは、胸部HRCTにおいて非典型的なパターンを示したUIP患者と典型的UIP患者を分け、解析した。非典型的な所見とは、左右非対称の線維化所見、偏った陰影分布、などである。

結果:
 20人(26.3%)の患者が非典型的UIPパターンとHRCTで診断された。左右非対称の患者のうち、6人が左側に、13人が右側、2人が上葉に偏った線維化がみられた。患者背景に両群とも差はみられなかった。
 非典型的UIPパターンを示したUIP患者は、典型的UIPパターンの患者と比較して生存期間が短かった(Log rank p=0.027)。

結論:
 病理学的にUIPパターンと診断されている患者で、胸部HRCT上非典型的UIPパターンを示した患者の生命予後は不良であった。ただし、当該研究における二次性UIPの疫学的情報不足はlimitationになるであろう。


(補足)
 同セッションで非典型的IPFというテーマで発表があります。GAPスコアが悪い非典型的IPFは予後不良かもしれませんが、"atypical"の適格基準にどこまで組み込むかが今後議論になるかもしれません。

K. Sugino, et al.
Clinico-Radiological Features and Prognostic Factors of Atypical IPF: A Comparison Between Typical IPF and Atypical IPF
ATS2015, B25, Poster Discussion Session


Y. Kondoh, et al.
Clinical Features and Outcomes of Atypical Idiopathic Pulmonary Fibrosis
ATS2015, B25, Poster Discussion Session




by otowelt | 2015-05-19 07:19 | びまん性肺疾患

ATS2015:CPFEの急性増悪の最も多い原因は肺炎で、肺癌と結核の合併も急性増悪のリスク因子

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 CPFEのまとまった報告です。

J.Y. Oh, et al.
Predictors of Acute Exacerbation of Combined Pulmonary Fibrosis and Emphysema
ATS2015, B25, Poster Discussion Session


背景:
 CPFE(Combined pulmonary fibrosis and emphysema)は、上葉優位に気腫性変化、下葉優位に線維化をきたす近年確立された疾患概念である。CPFE患者はしばしば急性増悪で受診するが、その原因についてはよくわかっていない。

方法:
 われわれは当院でCPFEと診断された患者の診療録を10年分検索した。急性増悪の有無を問わず全患者を抽出し、年齢、性別、喫煙歴、BMI、呼吸困難感の程度、既往歴、呼吸機能検査、心臓超音波検査、肺癌の診断、生存期間を調べた。

結果:
 146人のCPFE患者が解析された。72人(49%)が急性増悪を経験していた。無急性増悪期間の平均は43.66ヶ月であった。もっとも多い急性増悪の原因は肺炎(52.8%)で、その次に多かったのが終末期肺癌(28.2%)であった。肺癌のうち33人(45.8%)は急性増悪患者で、6人(8.1%)は非急性増悪患者であった(肺癌CPFEの患者が急性増悪を起こすことが多かったということ)。急性増悪を起こしやすいCPFEの基礎疾患として、肺癌以外にも結核が観察された(P = 0.037)。また、肺動脈圧は有意に急性増悪患者で高かった(46.71±18.66mmHg vs. 32.95±9.25mmHg, P <0.001)。Composite physiologic indexにも急性増悪と非急性増悪患者にわずかな差がみられた(P = 0.047)。本研究の死亡はすべて急性増悪時に起こっていた。
 年齢、喫煙歴、BMIで補正すると、ベースラインのCPI(ハザード比1.03, 95%信頼区間1.02-1.05, P < 0.001), DLco (ハザード比0.98, 95%信頼区間0.96-0.99, P = 0.005), 努力性肺活量(ハザード比0.98, 95%信頼区間0.97-0.99, P = 0.020), 全肺気量(ハザード比0.98, 95%信頼区間0.96-0.99), 6ヶ月以内の1秒量の減少(%)(ハザード比1.05, 95%信頼区間1.02-1.08, P = 0.002), EF(ハザード比0.97, 95%信頼区間0.94-0.99, P = 0.022)は急性増悪を予測する因子であった。肺癌の合併は、CPFE急性増悪(ハザード比2.55, 95%信頼区間1.59-4.09, P < 0.001)、死亡(ハザード比6.53, 95%信頼区間3.23-13.19, P < 0.001)を有意なリスクであった。

結論:
 CPFE急性増悪を起こした患者は、肺癌、結核、肺動脈性高血圧症、高CPIを有していた頻度が多かった。最も多いCPFE急性増悪の原因は肺炎であった。


by otowelt | 2015-05-19 06:49 | 気管支喘息・COPD

ATS2015:結核高蔓延国における胸水中ADAカットオフ値は低く設定してもよい

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Z. Tong, et al.
Adenosine Deaminase in Pleural Tuberculosis: A Reevaluation of Its Diagnostic Value
ATS2015, B50, Thematic Poster Session


背景:
 胸水中ADAは結核性胸膜炎に有効とされているが、そのカットオフ値はこれまでの研究から40IU/Lが広く受け入れられている。われわれは、レトロスペクティブに血清および胸水中ADAを結核性胸膜炎の患者において測定し、結核高蔓延国における最良のカットオフ値を調べた。

方法:
 レトロスペクティブ研究において、未診断胸水の患者のうち内科的胸腔鏡を実施された患者を登録した。胸水中ADA、血清ADA、胸水中ADA/血清ADA比が測定された。最良の診断カットオフ値を解析した。

結果:
 結核性胸膜炎と悪性胸水を鑑別する上で、胸水中ADAには両群に有意な値差がみられた(P<0.001)。カットオフ値を23.75U/Lに設定すると、胸水中ADAのAUCは0.982、感度90.6%、特異度97.2%であった。血清ADAのAUCは0.463であった。カットオフ値を28.68IU/Lに設定すると、非結核性胸膜炎と比較した場合、結核性胸膜炎の胸水中ADAのAUCは0.918は感度88.5%、特異度72.6%だった。この場合、血清ADAのAUCが0.703に上昇した。胸水中ADA/血清ADA比はカットオフ値2.05で感度86.3%、特異度72.6%だった。胸水中ADAと胸水中ADA/血清ADA比の組み合わせは感度84.2%、特異度89%だった。

結論:
 結核高蔓延国において、結核性胸膜炎の診断に胸水中ADAは低蔓延国よりも低く設定してもよいかもしれない。


by otowelt | 2015-05-19 06:30 | 抗酸菌感染症

ATS2015:COPDGene試験から:吸入薬管理を受けているCOPD患者の急性増悪リスク因子:GERD、女性、高SGRQ

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 非常に参考になる研究です。ただ、男性の方が急性増悪による死亡が多いという報告(Respiration. 2013;85(1):15-26.)もあるので、急性増悪の頻度だけ女性が多いというのはロジックとして合わないなと思いました。基本的に男性の方がリスクが高いと私は思っています。ただ、繰り返す急性増悪は女性に多いという報告が本ATSの別のセッションで紹介されています(補足参照)。
 なお、現時点では過去の急性増悪歴が最たる急性増悪リスク因子と考えられています。GERD、肺高血圧症の存在もすでにリスク因子として報告されています。

R. Busch, et al.
Risk Factors for COPD Exacerbations in Inhaled Medication Users: COPDGene Study Biannual Longitudinal Follow-Up
ATS2015, B23, Poster Discussion Session


背景:
 これまでの研究において、COPD急性増悪がCOPDの臨床経過に与える影響は大きいことがわかっている。吸入治療は急性増悪リスクを減らすことができるが、COPD患者はそれでも頻繁に急性増悪を起こす。われわれは、COPDGene研究のデータを用いて、COPD急性増悪のリスク因子を同定した。

方法:
 チオトロピウム(TIO)、LABA/ICS、SABA・SAMA(SAB)を用いられたCOPD患者2489人のデータがCOPDGene研究から抽出された。薬剤使用(TIO/LABA/ICS, TIO, LABA/ICS, SAB)については患者の自己申告とし、過去1年に急性増悪を起こしたかどうかで患者群を分類した。

結果:
 各吸入薬使用群ごとに患者背景に差はみられなかった。
 多変量モデルにおいて、GERDの存在(トリプル吸入療法:オッズ比1.62 、95%信頼区間1.11-2.38、LABA/ICS:オッズ比1.96、95%信頼区間1.21-3.15)、女性(トリプル吸入療法:オッズ比1.53、95%信頼区間1.05-2.21、LABA/ICS:オッズ比1.90、95%信頼区間1.19-3.05)、高SGRQスコア(トリプル吸入療法:オッズ比1.02、95%信頼区間1.00-1.03、LABA/ICS:オッズ比1.03、95%信頼区間1.01-1.04)は有意に急性増悪を予測する因子であった。
 LABA/ICSと比較するとTIO単剤群の患者の方が急性増悪は少ない傾向にあった(オッズ比0.69、95%sン来区間0.45-1.06, p= 0.09)。また、気管支喘息の診断を受けていない(ACOS非合併)患者のリスクは低かった(オッズ比0.56、95%信頼区間0.31-1.00, p=0.05)。

結論:
 吸入薬による長期管理を受けているCOPD患者において、SGRQスコア、GERD、女性は急性増悪を予測するリスク因子であった。気管支喘息のないCOPD患者ではTIO単剤がリスクを減らす傾向にあると考えられる。


(補足)
 女性の場合、繰り返すCOPD急性増悪が多くなるという報告です。それでも全体からすればCOPD急性増悪そのものは男性の方に多いと考えられます。

E.R. Narewski, et al.
Short-Term Impact of Frequency of COPD Exacerbations on Quality of Life
ATS2015, B34, Thematic Poster Session



by otowelt | 2015-05-19 06:05 | 気管支喘息・COPD

ATS2015:非嚢胞性線維症の気管支拡張症は、嚢胞性線維症の気管支拡張症より予後良好

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 海外では嚢胞性線維症の気管支拡張症の方が多いこともあるんだなとしみじみ感じます。そう考えると、アジアの気管支拡張症の生命予後はまだ長い方なのでしょう。

D. Hayes, et al.
Survival in Advanced CF and Non-CF Bronchiectasis, [Publication Page: A2447]
ATS2015, B14, Mini Symposium


背景:
 非嚢胞線維症(CF)気管支拡張症のエビデンスは蓄積されており、通常のCF気管支拡張症とは異なることが示唆されている。進行性の両気管支拡張症の生存期間の違いについてはほとんどデータがない。

方法:
 UNOSデータベースを用いて、1987年から2013年の間に肺移植の候補となった非CF/CF気管支拡張症の患者を登録した。患者の生存期間を解析した。

結果:
 2940人の気管支拡張症の肺移植候補が登録された(220人:非CF、2720人:CF)。2228人が単変量CoxおよびKapalan-Meier生存解析を実施され、1623人が多変量Coxモデルを用いて解析された。
 単変量解析では、CFと比較して非CF気管支拡張症は有意に生存期間が長かった(ハザード比0.536、95%信頼区間0.409-00.701、p < 0.001)。Kaplan-Meier曲線を以下に示す(p < 0.0001)。
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(Abstractより引用)

 潜在的な交絡因子で補正をした多変量Coxモデルでは、肺移植候補となった非CF気管支拡張症患者において有意な死亡リスクの低下がみられた(ハザード比0.622; 95%信頼区間0.444-0.872; p = 0.006)。

結論:
 肺移植候補となった進行期の気管支拡張症の患者の死亡リスクは、非CF患者の方が低い。


by otowelt | 2015-05-19 06:01 | 呼吸器その他

ATS2015:閉塞性睡眠時無呼吸は抑うつのリスク?

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会場にて、以下の発言。
「Excessive daytime sleepiness and severe OSA were both associated with depression in our sample of men. The presence of both was associated with an even greater risk―――」。

C.J. Lang, et al.
Obstructive Sleep Apnea (OSA) and Excessive Daytime Sleepiness (EDS) are Associated with Depression in a Community Based Population of Australian Men
ATS2015, Scientific Abstract


概要:
 35歳から83歳までのOSA男性を組み込んだ研究。5年におよぶ研究で、2時点で抑うつの解析をおこなった。ランダムサンプルとして857人のOSAと診断されていない患者データを参照にした。
 潜在的交絡因子で補正すると、過去に重症OSAと診断された場合抑うつの頻度が増加した(補正オッズ比2.1, 95%信頼区間1.1-4.0), また日中の眠気も増加した(補正オッズ比1.1, 95%信頼区間1.0-1.2)。
 未診断OSAと日中の眠気を過去に有していた男性は、そうでない男性と比べて4~5倍抑うつのオッズ比が高かった。過去にOSAと診断されていた場合(オッズ比2.0, 95%信頼区間1.15-3.45)、過去に未診断重症OSAがあった患者(オッズ比2.9, 95%信頼区間1.19-6.92)でも抑うつは増加した。


by otowelt | 2015-05-19 04:21 | 呼吸器その他

ATS2015:3Dプリント技術による気道ステントの作製

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 科学技術の進歩は素晴らしいですね。

G.Z. Cheng, et al.
Creating Personalized Airway Stents via 3D Printing
ATS 2015, B103, Poster Discussion Session


概要:
 現在の気道ステントはシリコン製、金属製、ハイブリッド素材が用いられているが、高価で合併症が多いため使用しにくい。もっとも主要な合併症はステントの移動と肉芽形成である。
 われわれは、解剖学的な解析に基づいた個人に合った気道ステントを作成した。3DCTに基づいた解剖学的精度の高いデータを作成し、3Dプリント技術を用いて個人に合った気道ステントを作製した。技術的には実用可能であり、今後の研究が期待される。
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(Abstractより引用:現在のYステントと3Dプリンターで作製した気道ステント)


by otowelt | 2015-05-19 04:10 | 気管支鏡