2017年 01月 06日 ( 1 )

OSAの二次性高血圧症に対する時間薬物治療(クロノセラピー)

e0156318_13584726.jpg 時間薬物治療(クロノセラピー:Chronotherapy)とは、ヒトの24時間のリズムに合わせ、必要な時に必要な量を送達するという治療法です。

Serinel Y, et al.
Chronotherapy for hypertension in obstructive sleep apnoea (CHOSA): a randomised, double-blind, placebo-controlled crossover trial.
Thorax. 2016 Dec 14. pii: thoraxjnl-2016-209504. doi: 10.1136/thoraxjnl-2016-209504. [Epub ahead of print]


背景:
 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は二次性高血圧症の重要な原因である。夜間高血圧症はOSAでよくみられ、心血管系死亡率の強い予測因子である。本態性高血圧症の患者における研究では、夜間の降圧薬は、日中の血圧を上昇させることなく夜間血圧を改善させることが示されている。われわれは、これがI/II度の高血圧を有するOSA患者に適用できるかどうか検証した。

方法:
 この二重盲検ランダム化プラセボ対照クロスオーバー試験において、中等症~重症OSAおよび呼応血圧を有する患者を6週間の夜間ペリンドプリル、朝のプリンドプリルに割り付け、盲検のためにプラセボ内服を併用した。CPAP療法はペリンドプリル用量相が終わってから8週間適用された(図)。プライマリアウトカムは、線形混合モデルを用いて解析された睡眠時収縮期血圧とした。
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(文献より引用:ランダム化とクロスオーバー)

結果:
 2011年3月から2015年1月までの間に、85人の患者がランダム化され、79人がペリンドプリル用量期間を完遂し、78人がCPAP療法を完遂した(図)。
 睡眠時収縮期血圧は、夜間内服群(-6.9mmHg)でも朝内服群(-8.0mmHg)でもベースラインから有意に低下がみられた。しかし、内服時間による差は観察されなかった(差1.1mmHg、95%信頼区間-0.3 to 2.5)。ただ、起床時収縮期血圧は朝内服群の方が夜内服群よりも有意に低下した(-9.8 mm Hg vs -8.0 mm Hg、差1.8 mm Hg, 95%信頼区間1.1 to 2.5)。
 夜間あるいは朝内服にCPAP療法を加えると、いずれも睡眠時収縮期血圧を減少させたが、差は有意ではなかった(夜-3.2 mm Hg vs 朝-3.3 mm Hg)。
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(文献より引用:睡眠時収縮期血圧)

結論:
 私たちの研究によれば、OSA治療に朝の高血圧内服治療を加える妥当性があると言える。本態性高血圧症とは異なり、夜間の降圧薬の内服が支持されるわけではなかった(少なくともペリンドプリルに関しては)。

by otowelt | 2017-01-06 00:40 | 呼吸器その他