2017年 01月 10日 ( 1 )

妊婦が魚油を摂取すると出生時の持続性喘鳴・喘息リスクが減る

e0156318_13444039.jpg ニュースにもなっていますね。

Hans Bisgaard, et al.
Fish Oil–Derived Fatty Acids in Pregnancy and Wheeze and Asthma in Offspring
N Engl J Med 2016; 375:2530-2539


背景:
 n–3系長鎖多価不飽和脂肪酸(LCPUFA)の摂取不足は、増加している喘鳴性疾患の有病率に寄与している因子と考えられる。われわれは、妊娠女性のn–3系LCPUFA摂取が児の持続性喘鳴および喘息リスクに与える影響を調べた。

方法:
 妊娠24週の女性736人を、n–3系LCPUFA(魚油)を毎日2.4gを摂取する群と、プラセボ(オリーブ油)を摂取する群にランダムに割り付けた。被験者から出生した児でCOPSAC2010コホートを構築して、前向きにフォローアップし、臨床型で分類。割り付けは、フォローアップ期間中初期3年間は担当医に被験者にも知らせず、その後2年間は担当医にのみに知らせなかった。プライマリエンドポイントは持続性喘鳴または喘息とし、セカンダリエンドポイントは下気道感染、喘息増悪、湿疹、アレルギー感作など。

結果:
 被験者から出生した新生児695人を本試験に登録し、全体の95.5%が3年間の二重盲検フォローアップを完遂した。持続性喘鳴または喘息のリスクは、n-3系LCPUFA摂取群で16.9%であったのに対し、プラセボ群では23.7%でだった(ハザード比0.69、95%信頼区間0.49-0.97、P=0.035)。事前に規定したサブグループ解析において、n–3系LCPUFA摂取の持続性の喘鳴と喘息に対する効果は、ランダム化した時のエイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸の血中濃度が試験集団下位3分の1の女性から出生した新生児でもっとも大きかった(摂取群17.5% vs プラセボ群34.1%、ハザード比0.46、95%信頼区間0.25-0.83、P=0.011)。セカンダリエンドポイントについては、n–3系LCPUFA摂取は下気道感染のリスク低下との関連がみられた(31.7% vs 39.1%、ハザード比0.75、95%信頼区間0.58-0.98、P=0.033)。ただし、喘息増悪、湿疹、アレルギー感作については統計学的に有意な関連はなかった。

結論:
 妊娠第3期におけるn–3系LCPUFAの摂取は、出生児の持続性喘鳴または喘息、および下気道感染の絶対リスクの減少に寄与した。

by otowelt | 2017-01-10 00:14 | 気管支喘息・COPD