2017年 01月 19日 ( 1 )

喘息診断例の33.1%は、現在喘息がない

e0156318_13444039.jpg 呼吸器科医必読であります。
 私は「気道可逆性検査」が日本全国どの病院でも信頼性がある検査と言えるのかどうか、疑問に感じています。検査をオーダーして満足しているドクターも多いはず。
 気道可逆性検査時のSABA吸入は誰がイニシアチブをとっていますか?検査技師?患者さん自身?そのSABA吸入は、本当にしっかりとできていますか?
 以前あるセミナーで「とりあえず、シュッシュっと噴霧すればいいんでしょうか?」と聞いてこられた検査技師さんがおられ、SABA吸入の手技なんて誰も教えてくれないとぼやいていました。

Shawn D. Aaron, et al.
Reevaluation of Diagnosis in Adults With Physician-Diagnosed Asthma
JAMA. 2017;317(3):269-279.


背景:
 喘息は慢性疾患だが、成人喘息の自然寛解率や診断の安定性はよくわかっていない。

方法:
 前向き多施設共同コホート研究がカナダの主要10地域で実施された。ランダムに電話し、過去5年以内に喘息と診断された成人患者を抽出した。長期経口ステロイドを用いている患者、スパイロメトリーを試験できない患者は除外された。どのように喘息診断にいたったのか調べるために診断医から情報を得た。
 1026人の被験者がスクリーニング基準を満たし、701人(68.3%)がこの研究への登録を受容した。全被験者は自宅ピークフロー値・症状モニタリング、スパイロメトリー、気道過敏性検査を受け、これらの被験者は喘息治療薬を4回の受診をかけて漸減されていった()。 フローチャートの如く、現在喘息がないと判断された患者の割合をプライマリアウトカムとした。
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(文献より引用)

結果:
 701人の被験者(平均年齢51±16歳、467人[67%]が女性)のうち、613人が試験を完遂した。喘息の存在が否定されたのは、613人の被験者のうち203人(33.1%、95%信頼区間29.4%-36.8%)だった。12人(2.0%)の被験者は重篤な循環呼吸器系障害があると報告された。
 追加12ヶ月の追跡により、最終的に181人(29.5%、95%信頼区間25.9-33.1%)が喘息のエビデンスなしと判断された。
 現在喘息がないと判断された被験者は、喘息があると判断された被験者と比較すると、初期診断で気流制限を評価されているケースが少なかった(43.8% vs 55.6%, 絶対差11.8%; 95%信頼区間2.1%-21.5%)。

※呼吸器科医として気になるのは次の表。もう少し診断率が高いと思っていたのだが・・・。
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(文献より引用改変)

※現在の喘息の存在を示唆する因子の補正オッズ比
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(文献より引用改変)

結論:
 喘息と診断された成人のうち、現在喘息があると認定されなかった者は33.1%にのぼった。



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by otowelt | 2017-01-19 00:39 | 気管支喘息・COPD