2017年 02月 15日 ( 1 )

小児期に肺機能が低いとACOSのリスクが上昇する

e0156318_125953.jpg 私はACOSという用語があまり好きになれません。用語だけが独り歩きして、多様な集団を単一化してしまうリスクがあります。とりわけ喘息はフェノタイプの細分化が討議されており、ACOSという用語が時代と逆行している気がしてなりません。syndromeとして捉えるのではなく「ACO(asthma-COPD overlap))」という用語使用にとどめるべきとする意見もあります。しかしこのブルージャーナルの論文を読むと、ただの足し算というわけではないのかなと思う気持ちも芽生える・・・。

Dinh S Bui, et al.
Childhood Lung Function Predicts Adult COPD and Asthma-COPD Overlap Syndrome (ACOS).
AJRCCM, Published Online: February 01, 2017


背景:
 COPDフェノタイプの早期リスク因子のデータは限られている。

目的:
 小児期の肺機能が成人COPDフェノタイプに与える役割を調べること。

方法:
 気管支拡張前スパイロメトリーが7歳のタスマニア人小児に実施された。45歳時点で再度気管支拡張前後のスパイロメトリーを実施した。この解析では、COPDは気管支拡張後1秒率がLLN以下のものと定義した。ACOSは、スパイロメトリー上のCOPDと現在の喘息を合併したものと定義した。小児期の肺機能と喘息/COPD/ACOSの関連性を多項ロジスティック回帰分析を用いて調べた。

結果:
 45歳時点で、959人の被験者が喘息もCOPDも有しておらず、269人が喘息単独、59人がCOPD単独、58人がACOSを有していた。再重み付け有病率は喘息単独13.5%、COPD単独4.1%、ACOS13.5%だった。7歳時点で1秒量が最も低い集団(最低四分位)はACOSの発症と関連していた(オッズ比2.93、95%信頼区間1.32-6.52)。しかしCOPD単独あるいは喘息単独とは関連していなかった。1秒率が最も低い集団(最低四分位)はACOS(オッズ比16.3; 95%信頼区間4.7-55.9)、COPD単独(オッズ比5.76; 95%信頼区間1.9-17.4)と関連していたが、喘息単独とは関連していなかった。
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(文献より引用)

結論:
 7歳時点で肺機能が低いと、長期的にCOPDとACOSの発症リスクになりうる。学童児期に肺機能のスクリーニングを行うことで、ハイリスクグループを同定できるかもしれない。



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by otowelt | 2017-02-15 00:09 | 気管支喘息・COPD