2017年 03月 31日 ( 1 )

実地臨床に即したオーストラリアIPFレジストリ

e0156318_7331272.jpg 臨床試験になぞらえた集団を解析することも重要ですが、臨床医としてはこういったコホートを実臨床に応用したいですね。

Jo HE, et al.
Baseline characteristics of idiopathic pulmonary fibrosis: analysis from the Australian Idiopathic Pulmonary Fibrosis Registry.
Eur Respir J. 2017 Feb 23;49(2). pii: 1601592. doi: 10.1183/13993003.01592-2016. Print 2017 Feb.


背景:
 致死的な進行性肺疾患である特発性肺線維症(IPF)の有病率は10万人あたり1.25~63人と考えられているため、大規模集団を用いた研究は困難である。近年、IPFの研究のための大規模な縦断的レジストリの必要性が認識されている。

方法:
 オーストラリアIPFレジストリ(AIPFR)を用いてIPFのデータを収集した。IPFコホートの臨床的特徴を調べ、患者背景、生理学的パラメータ、特異的マネジメントが死亡率に与える影響を調べた。

結果:
 AIPFRの患者647人(平均年齢70.9歳±8.5歳、67.7%が男性、追跡期間中央値2年[6ヶ月~4.5年])が解析対象となった。年齢、疾患重症度、合併症には広くばらつきがみられ、これは臨床試験のコホートでは見受けられない現象であった。累積死亡率は、1年次5%、2年次24%、3年次37%、4年次44%だった。ベースラインの肺機能(努力性肺活量、DLCO、composite physiological index)およびGAPステージは死亡率の強い予測因子であった(ハザード比4.64、95%信頼区間3.33~6.47、p<0.001)。抗線維化治療を受けていない患者と比較すると、同治療を受けた患者は、疾患重症度と独立して生存期間が長かった(ハザード比0.56、95%信頼区間0.34~0.92、p=0.022)。

結論:
 AIPFRはIPFの自然経過と臨床的マネジメントを理解する上で重要な知見を提供した。



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by otowelt | 2017-03-31 00:07 | びまん性肺疾患