2017年 04月 26日 ( 1 )

ドコサヘキサエン酸は気管支肺異形成のリスクを減らすどころか上昇させる

e0156318_1895439.jpg なかなか衝撃的な論文です。

Carmel T. Collins, et al.
Docosahexaenoic Acid and Bronchopulmonary Dysplasia in Preterm Infants
N Engl J Med 2017; 376:1245-1255


背景:
 動物・ヒトを対象とした研究では、n–3長鎖多価不飽和脂肪酸であるドコサヘキサエン酸(DHA)が気管支肺異形成のリスクを低下させることが示唆されている。しかし、妥当なデザインの試験は不足している。

方法:
 29週未満の出生児1273人を、初期経腸栄養後3日以内に、60mg/kg/日のDHAを含む乳剤投与群と、DHAを含まないコントロール乳剤群(大豆)にランダムに割り付け、最終月経開始日から計算して36週まで経腸投与した。性別、在胎週数、投与された施設で層別化した。プライマリアウトカムは、最終月経開始日から計算して36週または自宅退院のいずれか早い時点での、生理学的気管支肺異形成とした。

結果:
 合計1205人がプライマリアウトカムの評価時点まで生存していた。生理学的気管支肺異形成があるとされた児は、DHA群では592人中291人(49.1%)だったのに対して、コントロール群では613人中269人(43.9%)だった(補正相対リスク1.13、95%信頼区間1.02~1.25、P=0.02)。セカンダリ複合アウトカムである、最終月経開始日から計算して36週以前にみられた気管支肺異形成あるいは死亡は、DHA群の52.3%、コントロール群の46.4%にみられた(補正相対リスク1.11、95%信頼区間1.00~1.23、P=0.045)。死亡率、その他の新生児疾患の発症に群間差はなかった。臨床的気管支肺異形成は、DHA群の53.2%とコントロール群の49.7%に発症した(P=0.06)。

結論:
 29週未満で出生した早産児において、DHA経腸投与は、大豆コントロール乳剤と比較して生理学的気管支肺異形成のリスクを低下させず、リスクを増大させる可能性がある。


by otowelt | 2017-04-26 00:31 | 呼吸器その他