2017年 04月 27日 ( 1 )

胸部CTの「枝読み」は呼吸器内科医ごとに個人差がある

e0156318_9511053.jpg 枝読みは少し時間がかかるので、てっとり早く描出できるLungPointをよく使用しています。
 東京タワーを目指すとき、私は「だいたいあそこらへんかな」と目標を見つつ目指す感じだったのですが、今の若手医師は「次の角は左、そのあと右」とかなり細かい枝まで読み込める人が多いです。とはいえ、結局カーナビ(バーチャル気管支鏡)があると、それに頼ってしまいます。
 枝読みには、栗本先生の書籍(末梢病変を捉える 気管支鏡“枝読み”術 [DVD-ROM(Windows版)付])がオススメです。おそろしい本です。

水守康之ら.
肺末梢病変への到達ルート同定に仮想気管支鏡は有用か―CT画像読影実験―
気管支学 Vol. 39(2017) No. 2, 121-6.


背景:
 近年,肺末梢病変の診断において仮想気管支鏡による標的気管支への経路同定の有用性が報告されているが,理論的には通常のCT画像から3次元的に標的気管支を把握することが可能であり,仮想気管支鏡の必要性には疑問がある.

目的:
 熟練者においても仮想気管支鏡が通常のCT読影を上回る意義を有するかを検討する目的で,2症例をモデルにCT読影実験を行った.

対象と方法:
 過去に当院で仮想気管支鏡を用いて診断した末梢小型肺癌症例のうち,標的気管支以外の気管支が喀痰で閉塞していた症例1と,ブラのため正常構造が変位している症例2をモデルとし,気管支鏡経験5~31年の呼吸器科医16名に標的気管支への経路を同定させる実験を行った.被験者に時間制限なく胸部CT読影を行わせ,その後に仮想気管支鏡像を提示し,気管から標的気管支まで画像を進めながら,分岐部毎に正しいルートを選択させた.進路を間違えた時点で終了とした.

結果:
 症例1の正答率は3次,4次気管支でそれぞれ88%,50%,症例2では38%,6%であった.また,気管支鏡経験年数と正答率には相関がみられなかった.

結論:
 CT読影による肺末梢病変への経路同定能には経験年数に依存しない個人差がみられた.これにより医療の均てん化の見地から仮想気管支鏡の有用性が示唆された.


by otowelt | 2017-04-27 00:54 | 気管支鏡