2017年 05月 01日 ( 1 )

TRINITY試験:COPDに対するトリプル吸入療法はチオトロピウム単独治療よりもCOPD増悪率を抑制する

e0156318_135223100.jpg FULFIL試験と同時期に発表された論文です。

Vestbo J, et al.
Single inhaler extrafine triple therapy versus long-acting muscarinic antagonist therapy for chronic obstructive pulmonary disease (TRINITY): a double-blind, parallel group, randomised controlled trial.
Lancet. 2017 Apr 3. pii: S0140-6736(17)30188-5. doi:10.1016/S0140-6736(17)30188-5.


背景:
 COPD患者における吸入ステロイド薬に長時間作用性気管支拡張薬を加えたトリプル吸入療法の効果を示したデータは限られている。われわれは、ベクロメタゾン/ホルモテロール/グリコピロニウムのトリプル吸入製剤とチオトロピウム、およびブデソニド/ホルモテロール+チオトロピウム(オープンラベルのトリプル吸入療法:オープントリプル群)を比較した。

方法:
 この二重盲検並行群間ランダム化比較試験では、適格患者はCOPDの中でも気管支拡張後1秒量が50%未満で過去1年で中等症から重症のCOPD増悪を経験しているCATスコアが10点以上のものとした。2週間のrun-in periodの後、患者は2:2:1にチオトロピウム、トリプル吸入療法、オープントリプルの52週治療に割り付けられた。ランダム化は患者の出身国、気流制限の重症度によって層別化された。プライマリエンドポイントは中等症から重症のCOPD増悪の発生率とした。セカンダリエンドポイントには、52週時点での気管支拡張前1秒量のベースラインからの変化量が設定された。

結果:
 2014年1月21日から2016年3月18日まで、2691人の患者がトリプル吸入療法(1078人)、チオトロピウム(1075人)、オープントリプル(538人)の治療を受けた。中等症から重症のCOPD増悪の発生率は、それぞれ0.46 (95%信頼区間0.41-0.51)、0.57 (0.52-0.63)、0.45 (0.39-0.52)だった。トリプル吸入療法はチオトロピウム単独より優れていた(p=0.0025)。セカンダリエンドポイントである気管支拡張前1秒量についてもトリプル吸入療法群の方がチオトロピウム単独より優れており(p<0·0001)、オープントリプルに非劣性であった(p=0.85)。有害事象に差はみられなかった。

結論:
 このTRINITY試験で、有症状COPD患者に対するトリプル吸入療法がチオトロピウムよりも臨床的に利益があることが示された。


by otowelt | 2017-05-01 00:57 | 気管支喘息・COPD