2017年 05月 17日 ( 1 )

家族性肺線維症の胸部HRCTパターンによる違い

e0156318_21341355.jpg 家族性肺線維症は比較的若年発症であることが知られています(Sarcoidosis Vasc Diffuse Lung Dis. 2014 Apr 18;31(1):28-36.)。MUC5Bの転写開始点の上流にあるSNP(rs35705950)が関与しているのではないかと考えられています。

Bennett D, et al.
Familial pulmonary fibrosis: Clinical and radiological characteristics and progression analysis in different high resolution-CT patterns.
Respir Med. 2017 May;126:75-83. doi: 10.1016/j.rmed.2017.03.020.


背景:
 家族性肺線維症(FPF)は、同一の生物学的家系に2人以上の特発性びまん性肺実質病変をきたすものと定義されている。この研究の目的は、疾患進行および生存に関してFPFの臨床的、機能的、放射線学的特徴を調べることである。

方法:
 FPF集団(46人)におけるベースラインの臨床的、機能的、放射線学的データを後ろ向きに収集し、2011年IPFガイドラインHRCT分類に準じて分類した。1年後の呼吸機能検査および生存解析が実施された。

結果:
 30家系に属する、女性22人・男性24人(診断時年齢58.5±9.7歳)が登録された。放射線学的解析では、胸部HRCTでUIPパターンがみられたのは全体の54.3%で、possible UIPパターンがみられたのは21.8%、inconsistent with UIPパターンがみられたのは23.9%だった。inconsistent with UIPパターンがみられた患者は若年で女性が多かった。呼吸機能検査では、UIPパターンおよびinconsistent with UIPパターンの患者では拘束性換気障害がみられたが、possible UIPパタンーンの患者ではおおむね正常でDLCOの障害も軽度だった。BALでは、リンパ球比率の増加がinconsistent with UIPパターン患者でみられた。1年後の呼吸機能検査ではUIPパターンの患者のみで有意な悪化がみられた。possible UIPパターンからUIPパターンへの移行が18%にみられた。生存期間中央値は3つのグループで有意差はなかったが、possible UIPパターンがもっとも長かった。

結論:
 FPFは予後不良の複雑な病態である。今回の研究では、FPF患者の機能的・放射線学的データは胸部HRCTパターンによって異なる経過をみせたが、possible UIPパターンおよびUIPパターンは同一病型を見ていると考えられるものの、inconsistent with UIPパターンは別の臨床的・放射線学的特徴を有する集団であることが示唆された。


by otowelt | 2017-05-17 00:21 | びまん性肺疾患