2017年 06月 20日 ( 1 )

悪性胸水のコントロールに胸腔内温熱化学療法は有効

e0156318_10471089.jpg 消化器系の悪性腫瘍ではよく耳にする治療法ですが、胸腔内に適用したのは初耳です。 

Runlei Hu, et al.
Intrapleural perfusion thermo-chemotherapy for pleural effusion caused by lung carcinoma under VATS
JTD Vol 9, No 5 (May 2017)


背景:
 この研究の目的は、悪性胸水に対する胸腔鏡補助下での胸腔内温熱化学療法(IPTC)の有効性を調べることである。

方法:
 この後ろ向き研究において、非小細胞肺癌による中等量あるいは大量片側悪性胸水の患者54人が登録された。患者は、胸腔鏡補助下でIPTCを適用された。IPTCは、胸腔内に43℃のシスプラチン含有(200mg/m2)生理食塩水を注入し、胸腔鏡下で60分機械的撹拌をこころみる治療法である。術中に、血圧、心拍数、酸素飽和度、食道・直腸温が記録された。処置後、胸膜生検が行われ組織を調べた。

結果:
 胸膜表面の温度は43℃に維持された。胸水は全例でコントロールされた。KPSスコアは89.3%の患者で上昇した。骨髄抑制、処置後の明らかな出血、肝腎障害は観察されなかった。IPTC後、組織学的に胸膜のアポトーシスが同定された。IPTCから1ヶ月後、全例でCEAの著明な減少がみられた。生存期間中央値は21.7ヶ月で、1年生存率は74.1%だった。

結論:
 胸腔鏡補助下IPTCは安全で、侵襲性が少なく、肺癌に続発する悪性胸水のコントロールに効果的である。


by otowelt | 2017-06-20 00:33 | 肺癌・その他腫瘍