2017年 08月 14日 ( 1 )

SPIROMICSコホート:COPD増悪の年ごとのばらつき

e0156318_23175684.jpg 過去1年や2年の増悪頻度には個人差が大きいので、私もあまりそれを元に重症度分類をしないほうがよいと思っています。より柔軟に決定すべきです。

Han MK, et al.
Frequency of exacerbations in patients with chronic obstructive pulmonary disease: an analysis of the SPIROMICS cohort.
Lancet Respir Med. 2017 Aug;5(8):619-626.


背景:
 COPD患者における増悪リスクを層別化する現在の治療戦略は、前年の増悪イベント歴に基づいている。われわれは、増悪には年ごとに変動があるかどうかを調べ、経時的増悪の因子を検証した。

方法:
 SPIROMICSコホートを用いた縦断的前向き解析において、3年間の前向きデータが得られた40~80歳のCOPD患者を解析した(2010年11月12日~201年7月31日)。われわれは、年ごとの増悪頻度で患者を分類した。すなわち、どの年も増悪がなかった患者、3年追跡で1年間に1回以上の増悪がみられた患者、3年追跡で増悪のあった年となかった年が混在している患者、である。ステップワイズロジスティック回帰によって、年ごとのCOPD増悪に関連する因子を比較した。加えて、ステップワイズZIMBによって、追跡期間中の増悪予測因子をアセスメントした。ベースライン症状はCATスコアで評価した。

結果:
 1843人がCOPDを有しており、1105人が前向きに3年追跡可能であった。1105人のうち538人(49%)が3年間で少なくとも1回の増悪を経験しており、567人(51%)が増悪経験がなかった。82人(7%)はどの年にも少なくとも1回の急性増悪を経験しており、23人(2%)に2回以上の増悪経験があった。3年追跡で増悪のあった年となかった年が混在している患者は群全体では456人(41%)にのぼり、GOLD3および4の患者でよくみられた(456人中256人[56%]がGOLD3-4)。ロジスティック回帰を用いると、3年追跡で1年間に1回以上の増悪がみられた患者は、ベースラインの症状が強く、過去の増悪歴があり、CTにおける末梢気道の異常がみられやすく、インターロイキン15の血中濃度が低く、インターロイキン8の血中濃度が高かった。

結論:
 COPD急性増悪はよくみられる事象だが、年ごとに個々のばらつきが大きいことが分かった。


by otowelt | 2017-08-14 00:04 | 気管支喘息・COPD