2017年 08月 23日 ( 1 )

診断から手術までの期間が長いと扁平上皮肺癌の生存アウトカムが悪化

e0156318_8124310.jpg 喫煙している患者さんはある程度の期間禁煙してもらってから手術することが多いですね。

Chi-Fu Jeffrey Yang, et al.
Impact of Timing of Lobectomy on Survival for Clinical Stage IA Lung Squamous Cell Carcinoma
Chest, DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.chest.2017.07.032


背景:
 肺癌の診断から手術までの期間と生存の関連についてはこれまで検討されたことはなく、ガイドラインにも早期肺癌における臨床的に意義のある遅延についての記述はみられない。この研究は、診断から肺葉切除までの期間が長いほど病期IAの扁平上皮肺癌の生存アウトカムが不良になるという仮説を調べたものである。

方法:
 肺葉切除の時期と生存との関連性を、国立癌データベース(2006年~2011年)に登録された病期IAの扁平上皮肺癌患者のデータを用いて、多変量Cox比例ハザード分析および制限3次スプラインによってアセスメントした。

結果:
 登録基準を満たした4984人の5年全生存期間は58.3%だった(95%信頼区間56.3-60.2%)。外科手術は診断から30日以内に行われたのが1811人(36%)で、手術までの日数の中央値は38日だった(IQR23-58)。多変量解析では、診断から38日よりも遅く手術された患者は有意に5年生存率が低かった(38日より早く手術された患者と比較:ハザード比1.13、95%信頼区間1.02-1.25)。多変量制限3次スプライン解析では、統計学的に有意な生存アウトカム不良につながったのは90日以上という結果だった。
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(文献より引用:Figure3c:全コホート)

結論:
 早期扁平上皮肺癌において、診断から外科手術までの期間が長くなると、生存アウトカムの不良を招く。この知見に、手術のタイミング以外の因子が寄与した可能性は否定できないが、術前評価から手術までの期間を最小限にする努力は必要であろう。


by otowelt | 2017-08-23 00:19 | 肺癌・その他腫瘍