2017年 08月 31日 ( 1 )

アファチニブの髄液移行率は想定より高い?

e0156318_1164629.jpg 当院の田宮医師の報告です。exon19欠失のセルラインでアファチニブのIC50はかなり低かったように記憶しています。髄液移行率が想定よりも高いということは脳転移にかなり有効と考えてよさそうです。

Tamiya A, et al.
Cerebrospinal Fluid Penetration Rate and Efficacy of Afatinib in Patients with EGFR Mutation-positive Non-small Cell Lung Cancer with Leptomeningeal Carcinomatosis: A Multicenter Prospective Study.
Anticancer Res. 2017 Aug;37(8):4177-4182.


背景:
 アファチニブはEGFR陽性NSCLCに対する初回治療として効果的である。しかしながら、中枢神経系に転移のある患者の効果に対して、脳脊髄液(CSF)移行性を論じた報告は極めて少ない。そこでわれわれは、多施設共同で、EGFR陽性NSCLCで髄膜腫症をきたした患者においてアファチニブのCSF移行率と有効性を前向きに評価した。

患者および方法:
 癌性髄膜腫症を併発したEGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者11人を登録した(2014年4月~2015年11月)。患者はアファチニブ(40mg/day)で治療されており、血液およびCSFのアファチニブレベルがday8に解析された。プライマリエンドポイントはCSF移行率とした。セカンダリエンドポイントは客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)とした。

結果:
 年齢中央値は66歳だった。5人の患者がexon19欠失を有しており、3人はL858Rの点突然変異が陽性で、3人はuncommon exon18変異がみられた。アファチニブの血中およびCSFレベル(平均±標準偏差)は、それぞれ233.26±195.40 nM、3.16±1.95 nMだった。CSF移行率は2.45±2.91%だった。ORRは27.3%(11人中3人)、そのレスポンダーのうち2人がuncommon EGFR遺伝子変異を有していた。PFS中央値およびOS中央値は2.0ヶ月、3.8ヶ月だった。

結論:
 アファチニブのCSF移行率は過去に報告されているよりも高かった。アファチニブはuncommon EGFR遺伝子変異を有するNSCLCの癌性髄膜腫症に有効だった。


by otowelt | 2017-08-31 00:46 | 肺癌・その他腫瘍