2017年 09月 07日 ( 1 )

IPFにもたらすオゾンと微小粒子状物質の影響

e0156318_21341355.jpg 地道な研究ですが、重要な知見ですね。

Sesé L, et al.
Role of atmospheric pollution on the natural history of idiopathic pulmonary fibrosis.
Thorax. 2017 Aug 10. pii: thoraxjnl-2017-209967. doi: 10.1136/thoraxjnl-2017-209967.


背景:
 特発性肺線維症(IPF)は、疾患安定性・生理的疾患進行・急速な肺機能低下といったいろいろな病像があるも、臨床経過を予測するkとは難しい。また、少数の患者はIPF急性増悪(AE)を経験する。近年の研究において、オゾンとNO2はIPF-AEの発生に寄与すると報告されている。われわれは、屋外での大気汚染がIPFの自然経過に影響すると仮説を立てた。

方法:
 IPF患者はフランス多施設縦断的前向きコホート(French cohort COhorte FIbrose [COFI])から192人の抽出した。大気汚染レベルはIPF患者の住居に最も近い大気環境観測所のデータをそれぞれの患者に符号させた。Cox比例ハザード解析によって、IPF-AE、IPF病勢進行、死亡に対する大気汚染の影響を評価した。

結果:
 IPF-AEの発症は、発症前6週間の間の平均オゾンレベルの上昇と有意に関連していた(ハザード比1.47/10μg/m3, 95%信頼区間1.13-1.92, p=0.005)。微小粒子状物質であるPM10とPM2.5の暴露累積は、IPF患者のそれぞれ34%・100%でWHO推奨レベルを超過。死亡はPM10への暴露(ハザード比2.01/10μg/m3, 95%信頼区間1.07-3.77, p=0.03)とPM2.5の暴露(ハザード比7.93/10μg/m3, 95%信頼区間2.93-21.33, p<0.001)と有意に関連していた。
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(文献より引用:Table4:死亡に与える影響)

結論:
 屋外の大気汚染がIPFに対して負の影響をもたらすことが示された。IPF-AEに対するオゾンの役割と微小粒子状物質曝露の潜在的な影響を示した。


by otowelt | 2017-09-07 16:27 | びまん性肺疾患