2017年 09月 13日 ( 2 )

METREX試験・METREO試験:好酸球性フェノタイプを有するCOPDに対するヌーカラ®はCOPD増悪を抑制

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 ERS2017で話題の臨床試験です。

Ian D. Pavord, et al.
Mepolizumab for Eosinophilic Chronic Obstructive Pulmonary Disease
NEJM, September 12, 2017


背景:
 COPD患者で好酸球性フェノタイプがある人は、IL-5モノクローナル抗体であるメポリズマブ治療の恩恵を受けるかもしれない。

方法:
 われわれはランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間試験を実施し、メポリズマブ(METREX試験では10omg、METREO試験では100あるいは300mg)とプラセボを比較した(4週ごと52週まで)。患者はCOPDで、吸入ステロイド薬ベースのトリプル吸入療法を受けているにもかかわらず、中等症あるいは重症の増悪の既往があるものを登録した。
 METREX試験では、好酸球性フェノタイプがある非選択的な患者(修正ITT集団)を好酸球数によって層別化した(スクリーニング時150/mm3以上あるいは過去1年300/mm3以上)。METREO試験では、全患者が上記好酸球条件に合致するものとした。プライマリエンドポイントは年間の中等症あるいは重症増悪率とした。安全性についても評価された。

結果:
 METREX試験では、好酸球性フェノタイプのある修正ITT集団(462人)において、メポリズマブ群1.40/年、プラセボ群1.71/年の年間増悪率であった(率比0.82; 95%信頼区間0.68 to 0.98; 補正P=0.04)。フェノタイプを問わない修正ITT集団全例では有意差はみられなかった(836人) (率比0.98; 95%信頼区間0.85 to 1.12; 補正P>0.99)。
 METREO試験では、同平均増悪率は100mgメポリズマブ群1.19/年、300mgメポリズマブ群1.27/年、プラセボ群1.49/年だった(率比は100mg vs プラセボ群で0.80、95%信頼区間0.65 to 0.98; 補正P=0.07、300mg vs プラセボ群で0.86、95%信頼区間0.70 to 1.05; 補正P=0.14)。
 安全性プロファイルについてはメポリズマブとプラセボは同等だった。
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(文献から引用:METREX、METREO-修正ITT)

結論:
 好酸球性フェノタイプのあるCOPD患者において、プラセボと比較してメポリズマブ100mgは中等症あるいは重症のCOPD増悪の年間発生率を抑制する。これは、好酸球性気道炎症がCOPD増悪に寄与していることを示唆する。


by otowelt | 2017-09-13 12:49 | 気管支喘息・COPD

LABA+ICSでコントロール不良の喘息患者に対するテゼペルマブの有用性

e0156318_224778.jpg 血中好酸球数などのバイオマーカーに依存しない、というのは喘息の抗体医薬品で重要なポイントになってくるでしょうね。

Jonathan Corren, et al.
Tezepelumab in Adults with Uncontrolled Asthma
N Engl J Med 2017; 377:936-946


背景
 中等症~重症の喘息で、とりわけ非好酸球性炎症がみられる患者には、いまだ喘息コントロールが得られにくいものがいる。本研究では、長時間作用性β刺激薬(LABA)と中~高用量の吸入ステロイド薬(ICS)による治療を導入してもコントロールが不良である喘息患者を対象に、上皮細胞由来のサイトカインである胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)に特異的なヒトモノクローナル抗体であるテゼペルマブの有効性と安全性を評価した。

方法:
 この研究は、第2相ランダム化二重盲検プラセボ対照試験である。52週の投与期間中に3用量のテゼペルマブ皮下投与とプラセボ皮下投与を比較した。プライマリエンドポイントは、52週時点での喘息増悪の年間発生率(1人年あたり)に設定した。

結果:
 テゼペルマブ70mg4週ごとの投与(低用量群145人)、210mg4週ごとの投与(中用量群145人)、280 mg2週ごとの投与(高用量群146人)は、52週時点の年間増悪率はそれぞれ1人年あたり0.26件、0.19件、0.22件であったのに対し、プラセボ群(148人)では0.67件だった。ゆえに、各々のテゼペルマブ群の増悪率はプラセボ群と比較してそれぞれ61%、71%、66%低かったと言える(P<0.001)。また、登録時の血中好酸球数を問わず同様の結果が得られた。52週時点での気管支拡張薬吸入前1秒量は、テゼペルマブのすべての用量群でプラセボ群よりも高かった。中用量群の2人、高用量群の3人、プラセボ群の1人が有害事象のため試験を中止した。

結論:
 LABAとICSによる治療歴のある喘息患者では、テゼペルマブはプラセボと比較して血中好酸球数に関係なく臨床的に重要な喘息増悪率が低下させた。


by otowelt | 2017-09-13 00:02 | 気管支喘息・COPD