2017年 09月 22日 ( 1 )

Cope針を用いた胸膜生検

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・手順

①局所麻酔後、シャフト(外筒)+インナーシャフト(内筒)+トロッカーを組み合わせた状態で胸腔を穿刺する。胸腔に到達したかどうかは、トロッカーを抜いて胸水の流出を確認することで行う。ただし、シャフト(外筒)だけでシリンジにつないでも通常の胸腔穿刺と同様に胸水が返ってくるので、トロッカー自体にはあまり存在意義はない。

②胸水の流出を確認したら、シャフト(外筒)からインナーシャフト(内筒)も抜き、外気胸にならないよう手で穴を抑えながら、スネア外筒+スネア内筒を挿入する。生検は、スネア外筒を用いて行う。

スネア外筒からスネア内筒を1~2cm程度抜いた状態でないと、スネア外筒の生検鉤が露出しないので(写真1)、生検はスネア内筒をわずかに引いた状態でおこなうことを覚えておく(写真2)。
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シャフト(外筒)の先端が壁側胸膜ギリギリの胸腔にあるのが望ましいが、盲目的にこの位置を探すのは難しいため、スネア外筒の生検鉤が胸膜に引っかかるかどうか何度もスネア外筒を抜き差しする作業が必要である(写真3)。このとき、角度をつけて胸膜をスネア外筒に噛ませることを意識しなければならない(胸壁と垂直だとスネア外筒が胸膜を噛まないため)。シャフト(外筒)をゆっくり体外側へ移動させながら、角度をつけてスネア外筒を引く作業を繰り返す。このとき、あらかじめ1~2cm引いておいたスネア(内筒)が術野外に落ちてしまわないよう注意する(極めて滑らかに落ちる)。
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スネア外筒の生検鉤が胸膜に引っかかると、患者は胸膜痛を訴えることが多い。疼痛が強ければ、局所麻酔を追加してもよい。このままシャフトを胸腔に進める形でスネア外筒に胸膜を収納するのが一般的だが、スネア外筒を回転させたりそのまま手前に引っ張たりすることで組織を採取してもよい。

⑥皮下に胸水が漏出することが多いので、処置後は深めに垂直マットレス縫合をおこない創を閉鎖する。


・注意すべき合併症:外気胸

デバイスの出し入れが多い処置であるため、外気胸のリスクが多い。可能であれば、外気と交通する瞬間にはすべて息を止めてもらうのが望ましい。とはいえ、少量の外気胸であっても、経過観察のみで軽快することが多い。


(参考文献)
・籠手田恒敏, 他. 胸膜炎に対する体壁胸膜針生検. 日胸疾会誌1981;19(8):567-74.


by otowelt | 2017-09-22 00:50 | レクチャー