2017年 09月 25日 ( 1 )

肺胞蛋白症ではYKL-40が上昇し、高ければ疾患アウトカムが不良である

e0156318_10543430.jpg YKL-40をコードする遺伝子CHI3L1は、プロモータ領域での-131C→G変異がYKL-40蛋白の増加および1秒量の悪化と相関しています(N Engl J Med. 2008 Apr 17;358(16):1682-91.)。

Bonella F, et al.
Serum YKL-40 is a reliable biomarker for pulmonary alveolar proteinosis.
Respirology. 2017 Oct;22(7):1371-1378.


背景および目的:
 肺胞蛋白症(PAP)は肺胞を充満するまれな呼吸器疾患である。YKL-40はマクロファージや上皮細胞から産生されるキチナーゼ様タンパクで、間質性肺疾患の患者で上昇することがわかっている。キチナーゼはTh2細胞由来の炎症に対しても重要な役割を果たすことが知られており、喘息患者の組織においても過剰発現が確認されている。われわれは、今回PAPに対するYKL-40の役割を評価した。

方法:
 合計34人の自己免疫性PAP患者および50人の健常コントトールが登録された。YKL-40は血清および気管支肺胞洗浄液(BALF)中でELISA法を用いて測定された。キチナーゼコード遺伝子の多型(CHI3L1-329、 -131)がPCRおよびpyrosequencingで同定された。血清YKL-40レベルと疾患アウトカムの相関性が解析された。

結果:
 ベースラインの血清YKL-40およびBALF中YKL-40はPAP患者で有意に高かった(それぞれ286 ± 27 ng/mL vs 42 ± 4 ng/mL, P < 0.0001; 323 ± 36 ng/mL vs 3 ± 1 ng/mL, P < 0.0001)。血清YKL-40レベルはベースライン時および全経過中のDLCOと相関していた(それぞれP = 0.002、P < 0.0001)。疾患進行がみられたPAP患者では、血清YKL-40レベルが安定的あるいは改善がみられたPAP患者よりも高かった(P < 0.0001)。ベースラインのカットオフ値を300 ng/mLに設定すると、疾患進行を有意に予測できた(ハザード比7.875, P = 0.001)。Gアレルの存在は血清およびBALF中のYKL-40レベルと関連していた。

結論:
 YKL-40はPAP患者の血清およびBALFで上昇しており、アウトカムの予測に有用かもしれない。


by otowelt | 2017-09-25 00:44 | びまん性肺疾患