2017年 09月 29日 ( 1 )

慢性咳嗽の個人・コミュニティレベル・喫煙による差

e0156318_1519449.jpg 慢性咳嗽の分野が好きなので、興味深く読めました。

Çolak Y, et al.
Risk Factors for Chronic Cough Among 14,669 Individuals From the General Population.
Chest. 2017 Sep;152(3):563-573.


背景:
一般集団での慢性咳嗽のリスク因子は体系的にはわかっていない。Copenhagenの一般集団コホートデータ14669人を用いて、個人・コミュニティレベルでの慢性咳嗽のリスク因子を検証した。

方法:
 慢性咳嗽の重症度はLCQで評価した。個人レベルでは年齢補正オッズ比、コミュニティレベルでは人口寄与危険度を基に慢性咳嗽のリスク因子をランクした。

結果:
 一般集団での慢性咳嗽の有病率は4%で、非喫煙者で3%、既喫煙者で4%、現喫煙者で8%だった。LCQ中央値は身体的ドメインで5.8 (25th-75th percentile, 5.0-6.3)、心理的ドメインで5.6 (25th-75th percentile, 4.6-6.3)、社会的ドメインで6.3 (25th-75th percentile, 5.5-6.8)であり、合計で17.3 (25th-75th percentile, 15.4-18.9)。
 個人レベルでは非喫煙者の上位3つのリスク因子の年齢補正後オッズ比は、気管支拡張症症5.0 (95% 信頼区間1.4-18)、喘息2.6 (95%信頼区間1.7-3.9)、胃食道逆流症2.3 (95%信頼区間1.5-3.4)であり、既喫煙者では気管支拡張症7.1 (95%信頼区間2.6-20)、喘息3.1 (95%信頼区間2.2-4.4)、粉塵/ヒュームへの職業的曝露2.2 (95%信頼区間1.5-3.2)であり、現喫煙者では気流制限1.9 (95%信頼区間1.3-2.9)だった。
 コミュニティレベルでは、上位3つの危険因子は非喫煙者女性(PAR, 19%)、喘息(PAR, 10%)、胃食道逆流症(PAR, 8%)であり、喫煙経験者では腹部肥満(PAR, 20%)、低収入(PAR, 20%)、喘息(PAR, 13%)で、喫煙者では気流制限(PAR, 23%)だった。

結論:
 慢性咳嗽に対するリスク因子は個人レベルとコミュニティレベルで異なっており、また個々の喫煙歴によっても異なる。


by otowelt | 2017-09-29 00:50 | 呼吸器その他