2017年 10月 02日 ( 1 )

IPFの咳嗽に対するeFlowネブライザークロモグリク酸の有効性

e0156318_21341355.jpg 個人的にはサレド®がもう少し話題にならないのかなと思っています。

Surinder S Birring, et al.
A novel formulation of inhaled sodium cromoglicate (PA101) in idiopathic pulmonary fibrosis and chronic cough: a randomised, double-blind, proof-of-concept, phase 2 trial
Lancet Respiratory Medicine, DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S2213-2600(17)30310-7


背景:
 咳嗽は特発性肺線維症(IPF)を消耗させる症状であり、治療が困難である。PA101はeFlowネブライザーを用いて吸入する新規クロモグリク酸ナトリウムで、過去の製剤と比べて高い肺内沈着率が達成できる。IPFおよび慢性咳嗽患者においてPA101の有効性と安全性を検証し、PA101の鎮咳メカニズムを明らかにした。また、慢性特発性咳嗽(CIC)の患者においても検証された。
 
方法:

IPF患者と慢性咳嗽患者におけるランダム化二重盲検プラセのボ対照比較試験において、PA101とプラセボを比較した。IPF患者と慢性咳嗽患者はイギリスとオランダの7施設から登録され、1:1にPA101(40mg)
とプラセボの吸入1日3回に割り付けられた。2週間のウォッシュアウト期間ののち、他の群へとクロスオーバーした。参加者、研究者、研究スタッフ、スポンサーはすべての参加者が試験を完遂するまでどちらの群に割り当てられたかマスクされた。プライマリ効果エンドポイントはベースラインからの客観的咳嗽頻度(Leicester咳嗽モニターによる24時間音響記録)の変化とした。プライマリ効果解析は少なくとも1回でも試験薬を投与された全患者が組み込まれた。安全性解析についても少なくとも1回でも試験薬を受けたすべての参加者を対象とした。2番目のコホートではCIC患者を4つの施設で同様のデザインと評価項目でランダム化試験に割り当てた。

結果:
 2015年2月13日から2016年2月2日の間に24人のIPF患者がランダムに割り付けられた。28人のCIC患者が同様の時期に登録され、27人が治療を受けた。
 IPF患者では、PA101はプラシーボと比べて14日時点での日中咳嗽頻度を31.1%減少させた(PA101:55±55回/時間→39±29回/時間、プラシーボ:51±37回/時間→52±40回/時間; 最小二乗平均の比0.67, 95%心理悪刊0.48–0.94, p=0.0241)。また、CICコホートにおいてはPA101の治療効果は観察されなかった(14日時点でのプラセボに対するPA101の日中咳嗽頻度平均減少 6.2% (最小二乗平均の差1.27, 0.78–2.06, p=0.31)。PA101は両コホートで良好な忍容性であった。有害事象の発生はPA101とプラセボの間で差はなく、ほとんどげ軽度であった。

結論:
 IPFの咳嗽メカニズムは疾患特異的なものであると考えられる。吸入PA101はIPFの慢性咳嗽の治療選択肢となりうる。


by otowelt | 2017-10-02 00:43 | びまん性肺疾患