2017年 10月 24日 ( 1 )

タルクによる胸膜癒着術後にARDSを発症するリスク因子

e0156318_1256030.jpg 個人的にもタルクによるARDSを1例経験しており、苦い思い出があります。

Shinno Y, et al.
Old age and underlying interstitial abnormalities are risk factors for development of ARDS after pleurodesis using limited amount of large particle size talc.
Respirology. 2017 Oct 4. doi: 10.1111/resp.13192.

背景:
 タルクによる胸膜癒着術は難治性胸水や気胸のマネジメントによく用いられている。大粒子径のタルクを限定的に用いれさえすれば安全な手技と考えられているが、ARDSのような頻度が低い重篤な合併症も報告されている。われわれは、大粒子径のタルクを用いて胸膜癒着術をおこなった後にARDSを発症するリスク因子を調べた。

方法:
 タルクあるいはOK-432(ピシバニール®)による胸膜癒着術をおこなった患者を後ろ向きに抽出した。

結果:
 大粒子タルク(4g以下)で胸膜癒着術を受けた27人、およびOK-432で胸膜癒着術を受けた35人が対象となった。タルクによる胸膜癒着術のあと、27人中4人(15%)がARDSを発症した。ARDSを発症した患者は、発症しなかった患者よりも高齢者が多く(年齢中央値80歳 vs 66歳、p=0.02)、胸部CTで既存の間質影がみられる頻度が高かった(4人中2人 vs 23人中1人, p<0.05)。OK-432による胸膜癒着術によってARDSを発症した患者はいなかった。

結論:
 高齢および胸部CTで既存の間質影がみられることは、タルクによる胸膜癒着術の後にARDSを発症するリスク因子かもしれない。


by otowelt | 2017-10-24 00:34 | 呼吸器その他