2017年 12月 01日 ( 1 )

定量式フィットテストによるN95マスク選択

e0156318_2374935.jpg かなり興味深い論文です。こういった実臨床にマッチした報告は好きです。

鍋谷大二郎ら
定量式フィットテストによるN95マスク選択:当院の結果とプロトコール項目別解析
日呼吸誌, 6(6): 410-416, 2017


方法:
 2013年9月から4年間に当院で行われたN95マスク(4種)の定量式フィットテストの結果を後ろ向きに解析した.
 定量式フィットテストにはPorta-Count Pro+(TSI)が用いられ,3M1860 S/R(3M):金属ノーズクリップ付きカップ型,3M1870(3M):三面折り畳み構造,興研350(興研):接顔クッション付き・ゴム紐調節可カップ型,Moldex®1500 XS/S(Moldex-Metric):成形型ノーズブリッジ加工・保護シェル付きカップ型,の4種類のN95マスクでテストが行われた.
 フィットテストはPortaCount Pro+ に内蔵されているプログラムに従って行われた.具体的には,テスターに接続されたマスクを着けながら,OSHAプロトコール[①通常呼吸60秒,②深呼吸60 秒,③頭をゆっくり左右に振る60秒,④頭をゆっくり上下に振る60 秒,⑤声を出して指定された文章を読む60秒,※顔をしかめる15秒,⑥前傾姿勢(お辞儀)を繰り返す60 秒,⑦通常呼吸60 秒]に沿ってfit factor(マスク外気の粉塵数をマスク内気の粉塵数で除した数値:FF)の測定を行い,※を除いた各項目のFFから算出される総合FFが100 以上であれば合格,100未満の場合は不合格として判定されるものである.

結果:
 88人で延べ165回行われ,81人がいずれかのマスクで合格した.各マスクの合格率は46〜82%で男女差も認めた.不合格判定されたテストの64%で開始時から漏れを認め,テスト直前に行われていたシールチェックの限界が示唆された.合格判定されたテストの28%でテスト中の漏れを認めたが(特に前屈姿勢),ほとんど漏れを認めないマスクもあった.

結論:
 施設全体の合格率を上げるためには複数種類のマスク導入が望まれる.


by otowelt | 2017-12-01 00:03 | 集中治療