カテゴリ:未分類( 19 )

奇静脈食道陥凹が深いと気胸になりやすい?

e0156318_11284919.jpg 二次性気胸と対比するため、ここでは一次性気胸と記載させていただきます。

Takahashi T, et al.
A deep azygoesophageal recess may increase the risk of secondary spontaneous pneumothorax.
Surg Today. 2017 Feb 15. doi: 10.1007/s00595-017-1482-1.


目的:
 奇静脈食道陥凹:azygoesophageal recess (AER)は自然気胸患者のブラ形成の原因として知られている。しかしながら、AERの深さに着目した報告はほとんどない。われわれは、AERの深さと自然気胸発症の関連を調べた。

方法:
 後ろ向きに外科手術を受けた80人の気胸患者を組み入れた。AERの深さを術前CT検査で評価した。

結果:
 AERに破裂ブラがあったのは二次性気胸の12人(52.2%)、一次性気胸の8人(14.0%)だった(p < 0.001)。AERに破裂ブラがあった患者のうち、二次性気胸の10人(83.3%)が深いAERを有し、一次性気胸の2人(25%)だけが深いAERを有していた(p = 0.015)。

結論:
 一次性気胸よりも二次性気胸の患者で深いAERが高頻度に観察された。深いAERは二次性気胸患者のブラ形成と破裂に寄与しているかもしれない。




▼楽天

by otowelt | 2017-02-24 11:29

進展型小細胞肺癌に対する化学療法にイピリムマブを追加しても生存期間は延長しない

e0156318_12481476.jpg CheckMate-032試験からの流れで、こちらの論文も読みました。長い・・・。

Reck M, et al.
Phase III Randomized Trial of Ipilimumab Plus Etoposide and Platinum Versus Placebo Plus Etoposide and Platinum in Extensive-Stage Small-Cell Lung Cancer.
J Clin Oncol. 2016 Jul 25. pii: JCO676601. [Epub ahead of print]


目的:
 進展型小細胞肺癌(ED-SCLC)はプラチナ製剤+エトポシドによる化学療法をおこなっても生存期間が短い。このランダム化第III相試験において、新規にED-SCLCと診断された患者に対するプラチナ製剤+エトポシドにイピリムマブを追加する群あるいはプラセボを追加にする群を比較し、効果と安全性について検討した。

方法:
 登録患者はランダムに1:1にプラチナ製剤+エトポシドにイピリムマブ10mg/kgあるいはプラセボを3週おきに投与する群に割り付けられた(化学療法は4コース、イピリムマブまたはプラセボは3サイクルから6サイクルに投与開始され、維持療法として12週ごとの投与)。プライマリエンドポイントは少なくとも1回でも試験薬治療を受けた患者の全生存期間(OS)とした。

結果:
 1132人が登録され、954人が少なくとも1回の治療を受けた(化学療法+イピリムマブ群:478人、化学療法+プラセボ:476人)。OS中央値は化学療法+プラセボ群11.0ヶ月、化学療法+イピリムマブ群10.9ヶ月だった(ハザード比0.94、95%信頼区間0.81-0.97、P=0.3775)。無増悪生存期間中央値はそれぞれ4.6ヶ月、4.4ヶ月だった(ハザード比0.85、95%信頼区間0.75-0.97)。
 治療関連有害事象は両群同等であったが、下痢、皮疹、大腸炎は化学療法+イピリムマブ群に有意に多かった。治療毒性関連の治療中止は化学療法+イピリムマブ群に多くみられた(18% vs 2%)。化学療法+イピリムマブ群で5人、化学療法+プラセボ群で2人の治療関連死が観察された。

結論:
 ED-SCLCに対して、プラチナ製剤にイピリムマブを投与しても生存期間の延長はみられなかった。現在進行しているPD-1抗体とイピリムマブの併用試験によってさらに評価されるであろう。


by otowelt | 2016-08-12 00:03

LUX-Lung7試験:EGFR陽性IIIB/IV期非小細胞肺癌に対するアファチニブとゲフィチニブの比較

e0156318_8124310.jpg 言わずと知れたLUX-Lung7試験です。commonなEGFR遺伝子変異であれば、とりあえずアファチニブという帰結は短絡的だと思います。L858R陽性の場合、アファチニブかゲフィチニブのどちらを使うのか、悩ましいです。データの豊富さという観点では、ゲフィチニブの方がまだ安心できるかなというイメージですがいかがでしょう。またアファチニブによる恩恵が、ある程度の期間を経ないと顕在化しないということは、それまでアファチニブを続けなければならないということでもあり、これも一つの課題と言えるでしょう。

Park K, et al.
Afatinib versus gefitinib as first-line treatment of patients with EGFR mutation-positive non-small-cell lung cancer (LUX-Lung 7): a phase 2B, open-label, randomised controlled trial.
Lancet Oncol. 2016 Apr 12. pii: S1470-2045(16)30033-X.


背景:
 不可逆的ErbBファミリー阻害薬であるアファチニブおよび可逆性EGFR-TKIであるゲフィチニブは、EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌(NSCLC)のファーストライン治療として承認されている。われわれは、この効果と安全性を比較した。

方法:
 この多施設共同国際オープンラベル第2B相ランダム化比較試験(LUX-Lung7試験)は、13か国64施設で実施された。対象はIIIB/IV期NSCLCで、腫瘍組織にDel19またはL858Rが確認された治療歴のない患者である。患者はアファチニブ40mgを1日1回投与する群(アファチニブ群)、またはゲフィチニブ250mgを1日1回投与する群(ゲフィチニブ群)に、1:1でランダムに割り付けられた。EGFR遺伝子変異型、脳転移の有無によって層別化された。複合プライマリエンドポイントは、無増悪生存期間(PFS)、治療成功期間(TTF)とした。有効性解析はITT集団で行われ、安全性解析は少なくとも試験薬を1回内服した患者で行われた。

結果:
 2011年12月13日から2013年8月8日までの間、319人の患者がランダムにアファチニブおよびゲフィチニブに割り付けられた。フォローアップ期間中央値は27.3ヶ月(IQR 15.3-33.9)。PFS中央値は、アファチニブ群11.0ヶ月、ゲフィチニブ群10.9ヶ月だった(ハザード比0.73、95%信頼区間0.57-0.95、p=0.017)。また、TTF中央値は、アファチニブ群13.7ヶ月、ゲフィチニブ群11.5ヶ月だった(ハザード比0.73、95%信頼区間0.58-0.92、p=0.0073)。よくみられたGrade3あるいは4の有害事象は、下痢(アファチニブ群20%、ゲフィチニブ群1%)、皮疹・ざ瘡(アファチニブ群9%、ゲフィチニブ群3%)、肝機能障害(アファチニブ群0%、ゲフィチニブ群9%)であった。
 L858Rを有する患者では、PFSおよび奏効率はDel19と同様に改善(PFS有意差なし、Del19:ハザード比0.76、95%信頼区間0.55-1.06、L858R:ハザード比0.71、95%信頼区間0.47-1.06)。

結論:
 アファチニブは治療歴のないEGFR陽性NSCLCに対してゲフィチニブよりもアウトカムを有意に改善させる。


by otowelt | 2016-04-19 00:11

複雑性肺炎随伴性胸水の在院日数延長を予測する因子

e0156318_14285339.jpg 肺炎随伴性胸水-膿胸では、どのタイミングで胸腔ドレナージを行えるかが重要です。

Junghyun Kim, et al.
Predictors of prolonged stay in patients with community-acquired pneumonia and complicated parapneumonic effusion
Respirology, Article first published online: 29 OCT 2015 DOI: 10.1111/resp.12658


背景および目的:
 市中肺炎(CAP)における複雑性肺炎随伴性胸水(CPE)の発症は、在院日数を延長させ死亡率を上昇させるかもしれない。われわれは、CPEコントロール目的に胸腔ドレナージを実施した患者の在院日数の延長にかかわる微生物学的および臨床的予測因子を同定することとした。

方法:
 これは胸腔ドレナージを要するCPE患者を組み込んだレトロスペクティブコホート研究である。2004年1月1日から2012年7月30日までの症例を登録した。在院日数によってグループを2分し、臨床所見、検査所見、微生物学的所見を比較した。

結果:
 158人のCPE患者が解析対象となった。130人(85%)が男性であり、平均年齢は62.8歳だった。平均在院日数は17.7±10.2日だった。胸腔ドレナージをおこなわれていた期間は平均9.6±6.7日だった。Streptococcus viridans (48.4%)が最もよくみられた病原菌だった。胸腔内線維素溶解療法は85人(53.8%)で実施されていた。また、追加で胸腔ドレナージを要したのは40人(25.3%)だった。多変量解析では、在院日数の延長は発熱(補正オッズ比3.42, P = 0.02), PaO2低下(補正オッズ比4.89, P = 0.007)、ヘモグロビン低下(補正オッズ比4.90, P = 0.003)、好中球分画の上昇(補正オッズ比3.83, P = 0.01)、CPEの病原菌同定(補正オッズ比4.14, P = 0.03)、胸腔ドレナージ反応性不良(補正オッズ比3.28, P = 0.03)と関連していた。

結論:
 胸腔ドレナージを要するCAP-CPE患者の在院日数の延長を予測する臨床・検査所見について知っておく必要があるだろう。


by otowelt | 2015-11-11 00:38

早期にピーナッツを摂取すれば、ピーナッツアレルギーは回避できる?

e0156318_1639861.jpg NEJMから、アレルギーに関する興味深い論文です。

George Du Toit, et al.
Randomized Trial of Peanut Consumption in Infants at Risk for Peanut Allergy.
N Engl J Med 2015; 372:803-813


背景:
 西欧では小児のピーナッツアレルギーの有病率がここ10年で倍増している。また、ピーナッツアレルギーはアフリカやアジアでもみられるようになってきた。そこでわれわれは、ピーナッツアレルギーのリスクが高い乳児におけるアレルギーの発症の予防に対して、ピーナッツを摂取する方法と摂取を回避する方法のどちらが有効かを調べた。

方法:
 重度の湿疹、卵アレルギー、またはその両方を有する乳児640人を、生後60ヶ月までの間、ピーナッツを摂取する群(ピーナッツ群)と、摂取を回避する群(回避群)にランダムに割り付けた。対象となった小児は、生後4ヶ月以上11ヶ月未満だった。
 プリックテストによるピーナッツ抽出物への反応の有無によって、測定可能な膨疹が観察されなかったコホートと、直径1~4mm膨疹が観察されたコホートに層別化し、ランダム化した。
 プライマリアウトカムは、生後60ヶ月時点でピーナッツアレルギーを有する参加者の割合とし、コホートごとに独立に評価した。

結果:
 プリックテストがベースラインで陰性だったITT530人では、生後60ヶ月時のピーナッツアレルギー有病率は、回避群13.7%、ピーナッツ群1.9%であった(P<0.001)。プリックテスト陽性であったITT98人では、同様に回避群35.3%、ピーナッツ群10.6%であった(P=0.004)。重篤な有害事象には群間差はなかった。
 ピーナッツ特異的IgG4抗体の上昇はピーナッツ群でみられ、回避群では同IgE 抗体価の上昇がみられた。プリックテストでの膨疹がより大きいこと、ピーナッツ特異的IgG4/IgE比がより小さいことは、ピーナッツアレルギーの発症と関連していた。

結論:
 ピーナッツに対するアレルギーのリスクが高い小児において、ピーナッツの摂取を早期に開始することで、アレルギーの発症頻度が有意に低下する。


by otowelt | 2015-02-27 00:23

鈍的外傷による遅発性外傷性気胸のリスク因子の検討

e0156318_2321154.jpg 外傷領域における気胸の論文です。

伊坂哲哉ら.
鈍的外傷による遅発性外傷性気胸のリスク因子の検討
日本呼吸器外科学会雑誌Vol. 28 (2014) No. 4 p. 420-426


背景および方法:
 鈍的外傷による外傷性気胸の経過観察中もしくはドレナージ療法後に遅発性外傷性気胸(LTP)を発症することが知られている.今回LTPのリスク因子を検討した.2006年11月1日~2012年12月31日に横浜労災病院で治療を行った鈍的外傷による外傷性気胸患者58人,61病変をLTP群と非LTP群に分けて患者背景および臨床背景を比較検討した.今回検討した肺嚢胞とは気腫性肺嚢胞および外傷性肺嚢胞とした.

結果:
 胸部CTにて,肺嚢胞は10病変(16.4%)検出された.LTPは7病変(11.5%)で発症した.単変量解析および多変量解析にて肺嚢胞の存在がLTPの独立したリスク因子だった(オッズ比12.2;95%信頼区間、1.1-142.3,p=0.046)。
 重症度は全例II 度以上だった.トロッカーカテーテルによるドレナージ療法を行い,5 例は完治したが,2 例は完治が得られず,手術を行った。

結論:
 外傷性気胸の気胸側に肺嚢胞を有する場合LTPを念頭に厳密なフォローを要することが考えられた.


by otowelt | 2014-07-28 00:09

術後Noninvasive Ventilationレビュー

Anesthesiologより術後Noninvasive Ventilationの話がレビューされていた。
curativeとpreventiveの違いを強調している。

Postoperative Noninvasive Ventilation
Anesthesiology 2010; 112:453– 61
e0156318_11234755.jpg

e0156318_11233321.jpg

by otowelt | 2010-01-31 11:24

重症患者への抗菌薬の相互作用

●抗MRSA薬とその他の薬の相互作用
●バンコマイシン
・チオペンタール
 同時に投与すると、紅斑、ヒスタミン様潮紅、アナフィラキシー反応等の
 副作用が発現することがある。
 全身麻酔の開始1時間前には本剤の点滴静注を終了する。
・アミノグリコシド系抗生物質(アルベカシン、トブラマイシン等)
・白金含有抗悪性腫瘍剤(シスプラチン、ネダプラチン等)
 腎障害、聴覚障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けること。
 やむを得ず併用する場合は、慎重に投与する。
・アムホテリシンB、シクロスポリン等
 腎障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けること。
 やむを得ず併用する場合は、慎重に投与する。

・・・・・・・・・・・・・・・呼吸器内科医としての注意
・アミノグリコシドやファンギゾン、アムビゾームとの併用時には、
 腎傷害や耳毒性を説明する。



●リネゾリド(ザイボックス)
・モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤、塩酸セレギリン
 両薬剤が相加的に作用し血圧上昇等があらわれるおそれがある。
 リネゾリドは非選択的、可逆的MAO阻害作用を有する。
・アドレナリン作動薬、ドパミン塩酸塩、アドレナリン、フェニルプロパノールアミン
 血圧上昇、動悸があらわれることがあるので、患者の状態を観察しながら
 これらの薬剤の初回量を減量するなど用量に注意。
・セロトニン作動薬
 セロトニン症候群の徴候及び症状があらわれるおそれがある。
・リファンピシン
 リファンピシンとの併用により本剤のCmax及びAUCがそれぞれ
 21%及び32%低下した。
・チラミンを多く含有する飲食物(チーズ、ビール、赤ワイン等)
 血圧上昇や動悸があらわれることがあるので、本剤投与中には
 チラミン含有量の高い飲食物の過量摂取(1食あたりチラミン100mg以上)
 を避けさせること。

・・・・・・・・・・・・・・・呼吸器内科医としての注意
・結核治療中のMRSA肺炎でRFPを使用している場合、
 リネゾリドの効果は減少するものと考える。
・リネゾリド使用中の昇圧剤使用に関しては、ナーバスになるべき。



●テイコプラニン(タゴシッド)
・ループ利尿剤、エタクリン酸フロセミド
 腎障害、聴覚障害を増強するおそれがあるので併用は避けることが望ましい。
 やむを得ず併用する場合は、慎重に投与すること。
 腎障害、聴覚毒性が増強される。
・アミノグリコシド系抗生物質(アルベカシン、トブラマイシン等)
・白金含有抗悪性腫瘍剤(シスプラチン、ネダプラチン等)
 腎障害、聴覚障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けること。
 やむを得ず併用する場合は、慎重に投与する。
・アムホテリシンB、シクロスポリン等
 腎障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けること。
 やむを得ず併用する場合は、慎重に投与する。

・・・・・・・・・・・・・・・呼吸器内科医としての注意
・ラシックスやアミノグリコシドやファンギゾン、アムビゾームとの併用時には、
 腎傷害や耳毒性を説明する。



●キヌプリスチン・ダルホプリスチン(シナシッド)
・ピモジド(オーラップ)、キニジン(硫酸キニジン)、シサプリド(国内承認整理済)
 これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、QT延長、心室性不整脈、血液障害、
 痙攣等の副作用を起こすことがある。 本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素
 (CYP3A4)を阻害する。
・スパルフロキサシン(スパラ)
 QT延長、心室性不整脈を起こすことがある。
 併用によりQT延長作用が相加的に増強する。

・・・・・・・・・・・・・・・呼吸器内科医としての注意
・不整脈を有する患者や不整脈薬を服用している場合のシナシッドの使用時には
 細心の注意を払うべき。



●広域抗菌薬とその他の薬の相互作用
●カルバペネム系
・バルプロ酸ナトリウム(デパケン)
 本剤との併用により,バルプロ酸の血中濃度が低下し
 てんかんの発作が再発することがある。

・・・・・・・・・・・・・・・呼吸器内科医としての注意
・基本的に痙攣とカルバペネム系抗菌薬は避けること。
・チエナムとガンシクロビルも痙攣リスクあるため、避けたい。


●リンコマイシンとその他の薬の相互作用
●クリンダマイシン
・エリスロマイシン(エリスロシン等)
 併用してもクリンダマイシンの効果があらわれないと考えられる。
 細菌のリボゾーム50Sサブユニットへの親和性が本剤より高いため。

・・・・・・・・・・・・・・・呼吸器内科医としての注意
・エリスロシン投与中にクリンダマイシンは無意味。



●ニューキノロンとその他の薬の相互作用
●シプロフロキサシン
・テオフィリン、アミノフィリン
 テオフィリンのCmaxが17%,AUCが22%それぞれ上昇したとの
 報告がある。テオフィリンの作用を増強させる可能性があるので
 併用する場合にはテオフィリンを減量するなど適切な処置を行う。
・フェニル酢酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤、ジクロフェナク,アンフェナク等
 プロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤(ただし,ケトプロフェンとは併用禁忌)
 ロキソプロフェン、プラノプロフェン、ザルトプロフェン等
 痙攣を起こすおそれがある。症状が認められた場合,両剤の投与を中止するなど
 適切な処置を行う。 併用により、ニューキノロン系抗菌剤のGABAA受容体への
 阻害作用が増強され、痙攣が誘発されると考えられている。
・シクロスポリン
 相互に副作用(腎障害等)が増強されるおそれがあるので,頻回に腎機能検査
 (クレアチニン,BUN等)を行うなど患者の状態を十分に観察する。
・ワルファリン
 ワルファリンの作用を増強し、出血、PT延長等があらわれることがある。
・グリベンクラミド(オイグルコン、ダオニール)
 グリベンクラミドの作用を増強し、低血糖があらわれることがある。
・メトトレキサート
 メトトレキサートの血中濃度が上昇し、作用が増強されるおそれがある。
 併用する場合には患者の状態を十分に観察する。

・・・・・・・・・・・・・・・呼吸器内科医としての注意
・閉塞性肺疾患でテオフィリン内服中で異型肺炎を疑ったとき、
 シプロが必要なら少しテオフィリンを減量したほうがいいかもしれない。
・ワーファリン内服中のシプロは、少し凝固系に注意を払う。
・リウマチと異型肺炎合併例でMTX投与中のときは、シプロ以外でせめたい。


●抗真菌薬とその他の薬の相互作用
●アムホテリシンB(ファンギゾン)/liposomalアムホテリシンB(アムビゾーム)
・副腎皮質ホルモン剤、ヒドロコルチゾン等
 ACTH 低カリウム血症を増悪させるおそれがあるので
 血清中の電解質及び心機能を観察すること。
・ジギトキシン、ジゴキシン等
 ジギタリスの毒性(不整脈等)を増強するおそれがあるので、
 血清電解質及び心機能を観察すること。
・頭部放射線療法
 併用により白質脳症があらわれるおそれがある。

・・・・・・・・・・・・・・・呼吸器内科医としての注意
・アムホテリシン製剤使用時には、ジギタリスとステロイドに注意。
・LCでガンマナイフあるいはWBRT中にはアムホテリシン製剤は使うべきではない。


●その他
●ベナンバックスとアミオダロン(注射剤)(アンカロン注)
 併用によりTdPリスクが増加する。
 併用によりQT延長作用が相加的に増強すると考えられる。

by otowelt | 2009-12-15 15:50

敗血症治療の根拠


・ステロイド
 適切な抗菌薬、十分な輸液を投与しても、血管作動薬の減量ができない
 早期のseptic shockであれば、300mg/日未満のヒドロコルチゾン静脈内投与
 を考慮してもよく、この場合rapid ACTH試験は不要である(CORTICUS試験より)。
 投与期間に関するエビデンスはない。
 
 根拠:・重症疾患やストレス下では、視床下部~下垂体~副腎皮質系が低下する。
     そのためフリーコルチゾルの増加が乏しいため。
    ・重症患者では、コルチゾル組織抵抗性が存在する。
 
・ガンマグロブリン
 エビデンスは乏しいが、抗菌薬治療開始3日で効果がみられない場合
 ガンマグロブリン5g×3日間の治療を検討してもよい。
 
 根拠:・食細胞の貪食作用を促進するオプソニン化
    ・補体を介した溶菌作用促進  
    ・毒素・ウイルスの中和作用
    ・Fc受容体を介した、抗体依存性細胞障害活性促進作用
    ・樹状細胞、T細胞、B細胞の活性化
    ・IL-1α/β、IL-6、TNF-αなどのサイトカインの抑制作用
    
・輸血
 ・septic shockの蘇生の最初の6時間でSv(-)O2/SvO2が低値を示す患者では
  目標Ht値を30%以上にする(SSCG2008)。
 ・明らかな心筋虚血がなければ、輸血開始Hbレベル7.0~8.0g/dl、
  目標Hbレベル7.0~9.0g/dlを推奨する(Br J Anaesth2006; 97:278-91.)。
 ・sepsis治療にアンチトロンビン製剤を用いるべきではない。
 
・輸液
 ・細胞外液補充液(晶質液:crystalloid)を用いる。

 根拠:ICU患者で輸液蘇生が必要な場合、アルブミン投与でも生理食塩水でも
    臨床的治療効果は同等である(SAFE試験より)。

・昇圧剤
 ・循環管理の指標としては、平均動脈圧、CVP、Sv(-)O2、PAOP(PCWP)など
  があるが、指標と確実に言えるものは存在しない(Crit Care 2007; 11: R67.
 ・心エコー上は左室一回仕事係数(left ventricular stroke work index)が最も
  精度の高い指標である(Chest 2006; 129: 1349-66.)。
  左室駆出率(LVEF)はこれより劣るが臨床上有用である。
 ・SSCG2008ではScvO2≧70%で組織灌流を評価してよいとしている。
  (肺動脈カテーテル使用で死亡率に差はないので、肺動脈カテーテルは不要
   (JAMA2005; 294: 1664-70.))

 根拠:・sepsisでは末梢組織の酸素需要増加や発症時に産生されるNOの血管拡張
     作用も加わって、末梢血管拡張から血圧低下を招くためモニタリング必要。

 ・十分な輸液でも昇圧できない場合、平均動脈圧が65mmHg以上を保てない
  ようであれば、使用する。ノルアドレナリンあるいはドパミンを最初用いる。
 ・ノルアドレナリンとパソプレッシン(低容量)に死亡率の差はない
 (NEJM 2008; 358: 877-87.)。

by otowelt | 2009-12-07 09:41

オキシーパをARDS・敗血症で使う理由


・アルギニンが入っていない(NOをおさえるため)
アルギニンは、病態時においては条件付き必須脂肪酸となることもある。
アルギニンは、成長ホルモンやインスリン、プロラクチンなど様々な
ホルモン分泌を促進し、代謝を改善したり、たんぱく質の合成を促進すること
により、創傷治癒の促進や、免疫細胞の活性化により感染を予防する機能が期待できる。
さらに、アルギニンは、核酸の前駆物質として、リンパ球の機能の
正常化・活性化に有用であることが報告されている。また、血管拡張作用や、
殺菌作用を有する一酸化窒素の基質となるため、循環の維持や感染防御能の
増強に有用である。しかし、過剰な一酸化窒素の産生は血管拡張作用に伴う
ショックの誘発や、活性酸素と一酸化窒素との反応によって産生される
過酸化硝酸塩が原因となり、組織障害の原因となりうるため、敗血症時における負荷は
むしろ有害となりうる。 よって、このような患者にはアルギニンを添加した
濃厚流動食の投与は望ましくないとされている。

・ω-3 系脂肪酸が入っている
Immunonutritonでもアルギニンを入れず、炎症で大きな問題になっている
酸化ストレスを抑えるω-3 脂肪酸やその他の抗酸化物質を考慮した組成の
ものが開発されるようになった。
ω-3 系脂肪酸は免疫能を上げるよりは調整する働きがあり過剰な炎症を抑制する。
Immune-Enhancing ではなくImmuno-Modulating Diet(IMD)という
新たなカテゴリーの栄養剤とされている。
過剰な炎症が起こっている状態ではω-3 系脂肪酸はそれを抑え、
必要に応じて急性の肺障害や合併症の発症も抑えます。

・グルタミンが入っている
オキシーパ® の主な成分にはグルタミンも入っている。
グルタミンはIED にも使われていたが、
免疫能を上げる一方で細胞保護にはたらくヒートショックプロテインの産生を
上げ、抗酸化作用のあるグルタチオンの材料にもなる。

by otowelt | 2009-11-13 13:34