カテゴリ:抗酸菌感染症( 145 )

MACにおいてクラリスロマイシン耐性と23S rRNA変異に相関関係

Abstractしか読めない論文はキライなのだが、少し論文の幅を広げてみる。
マクロライド耐性MACの論文。

Evaluation of a rapid detection method of clarithromycin resistance genes in Mycobacterium avium complex isolates
J Antimicrob Chemother (2011) 66 (4): 722-729.


目的:
 クラリスロマイシンは、Mycobacterium avium complex (MAC)
 においてカギとなる薬剤であり、この感受性は臨床的な反応と相関している。
 23S rRNAの2058あるいは2059のpoint mutationが
 クラリスロマイシン耐性株において高レベルで認められるとされている。
 このスタディにおいて、薬剤感受性テストと23S rRAN遺伝子の変異
 との関連性を調べた。さらに、われわれは23S rRNA変異を同定するため、
 ARMS(Amplification Refractory Mutation System)-PCR法を用いた
 早期同定を今回適用した。

方法:
 NCCLS/CLSI推奨に基づき、微量希釈法を使用し
 クラリスロマイシンのMICを245のMAC株で同定した。
 これらのうち219がクラリスロマイシン感受性で、
 26がクラリスロマイシン耐性であった。また、
 23S rRNA遺伝子のシークエンスとARMS-PCRを実施した。

結果:
 薬剤感受性テストにおいて、MICは感受性と耐性において
 二峰性の分布をとった。23S rRNAのシークエンス解析により 
 クラリスロマイシン感受性株は野生型で、一方クラリスロマイシン耐性24株は
 変異型であった。シークエンスとARMS-PCRの感度はそれぞれ92.3%、84.6%
 であった。特異度はいずれも100%であった。

結論:
 われわれは、クラリスロマイシンのMICと23S rRNA遺伝子変異との間に
 相関を見出した。MACにおいて23S rRNA遺伝子変異に対するARMS-PCRを
 用いることは、クラリスロマイシン耐性の迅速的な判断に有用である。
 

by otowelt | 2011-04-12 06:10 | 抗酸菌感染症

genotypeによっては結核患者における喀痰培養陰性化の促進にビタミンDは有用

結核患者さんの治療では、
塗沫が陰性してすぐに退院できる人と、培養陰性化をじっくり待って退院する人と
大きく2つのコースがある。後者は平均的に2ヶ月くらいかかってしまうので
治療者としてもできるだけ早く家に帰してあげたいところである。
ただ、禁煙できない、コンプライアンス不良、培養陰性化が遅い、という
3種の神器が揃うと非常にやっかいだ。

High-dose vitamin D3 during intensive-phase antimicrobial treatment of pulmonary tuberculosis: a double-blind randomised controlled trial
The Lancet, Volume 377, Issue 9761, Pages 242 - 250, 15 January 2011


背景
 ビタミンDは、抗菌薬が発達する前に結核治療として使用されていた。
 この代謝物はin vitroにおいて抗菌作用があるとされている。
 喀痰培養の陰性化に対してこのビタミンDの効果を検証した臨床試験はない。

方法:
 われわれはビタミンDの多施設共同ランダム化比較試験を
 成人の喀痰塗沫陽性結核患者においてロンドン、イギリスで施行した。
 146人が登録され、2.5mgのビタミンD3あるいはプラセボを
 結核治療開始から14日、28日、42日に投与した。
 プライマリエンドポイントは、治療開始してから喀痰培養陰性化までの時間とした。
 患者は、ビタミンD受容体のTaqIとFokIポリモルフィズムによる
 ジェノタイプ分けがなされた。

結果:
 126人がデータ解析に妥当な患者であった。
 喀痰培養陰性化までの期間は、ビタミンD群において36.0日、プラセボ群に
 おいて43.5日であった。(調整HR 1.39, 95% CI 0.90—2.16; p=0.14)
 またTaqI genotypeはビタミンD投与により喀痰培養陰性化までの期間の
 変化をもたらすことがわかった (P(interaction)=0.03)。
 また、tt genotypeの患者にのみ、促進的な反応が観察された
 (調整HR8.09, 95% CI 1.36—48.01; p=0.02)
 FokI genotypeはビタミンDによる効果に影響はなかった(P(interaction)=0.85)
 56日目の平均血中ビタミンD濃度は、介入群101.4 nmol/L、プラセボ群
 22.8 nmol/Lであった(95% CI for difference 68.6—88.2; p<0.0001)

結論:
 4回にわたるビタミンD3(2.5mg)の投与によって
 抗結核治療を受けている患者の同血中濃度が上昇する。
 ビタミンDは有意に喀痰培養陰性化までの時間には影響しなかったものの
 TaqIのうちのtt genotypeの患者においては有意にその期間を短縮した。

by otowelt | 2011-03-29 06:12 | 抗酸菌感染症

M. abscessusは抗菌薬治療に外科手術を加えたほうが微生物学的アウトカムが良好

いわゆるrapid growingと呼ばれる非結核性抗酸菌症のうち
Mycobacterium abscessusの論文がCIDから出ていた。
M. abscessusの治療としては、重症例や呼吸器合併例では
uptodateには以下の記載がある。
•Amikacin (15 mg/kg per day divided in two doses) plus either
•Cefoxitin (2 g intravenously every four hours) or
•Imipenem (1 g intravenously every six hours) plus
•Clarithromycin (500 mg twice daily) or azithromycin (250 to 500 mg daily)

ゆえに、チエナム、アミカシン、クラリスなどと
いった組み合わせを用いることになる。
リネゾリドやモキシフロキサシンといった抗菌薬も有効性が示唆されている。
・Activities of linezolid against rapidly growing mycobacteria. Antimicrob Agents Chemother 2001; 45:764.
・In vitro activity of new fluoroquinolones and linezolid against non-tuberculous mycobacteria. Int J Antimicrob Agents 2003; 21:585.


以下CIDからの論文。

Clinical and Microbiologic Outcomes in Patients Receiving Treatment for Mycobacterium abscessus Pulmonary Disease
Clinical Infectious Diseases 2011;52(5):565–571


背景:
 M. abscessusは、慢性呼吸器感染症を引き起こすが、適切な治療法や
 長期アウトカムについてはほとんどわかっていない。

方法:
 われわれは、ATSのM. abscessus呼吸器疾患の基準に合致する
 症例についてレトロスペクティブ観察研究を2001年から2008年までおこなった。
 われわれの目的は、臨床的あるいは微生物学的アウトカムを、これらの
 患者において抗菌薬多剤併用を手術+抗菌薬と比較することである。

結果:
 107人の患者が解析に組み込まれた。患者は女性に多く(83%)、
 非喫煙者は60%、平均年齢は60歳であった。
 107人のうち59人(55%)が呼吸器MAC感染症を現在あるいは過去に有していた。
 HRCTにおいて気管支拡張症・結節影が98%の患者において、空洞が44%の患者に
 みられた。69人(46人内科的、23人外科手術)が平均34ヶ月フォローアップ
 された。咳嗽、喀痰、疲労感が残存、改善、寛解したのはそれぞれ
 80%、69%、59%であった。69人のうち20人(29人)が培養陽性が
 残存しており、16人(23%)が陰性化したものの再発を経験。
 33人(48%)が陰性化し再発もしなかった。17人(16%)が観察期間中死亡。
 培養陰性化し、それが最低1年続いた患者は外科手術例に顕著であった。
 (57% vs 28%; P=.022)
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結論:
 M. abscessus呼吸器感染において、多剤併用抗菌薬療法と
 手術+抗菌薬治療は臨床的に同様のアウトカムであった。
 しかしながら、外科手術例において微生物学的な反応はより長く続くと思われる。

by otowelt | 2011-02-07 05:41 | 抗酸菌感染症

抗結核薬におけるDLSTは役に立たない?

全国的にも薬剤アレルギーを疑った時に
DLSTが検査される傾向にある。
個人的にはあまり有用とはおもっていない検査の1つである。
メソトレキセートに至っては、もはや出すべきではないとすら思っている。

過去記事:
DLSTは薬剤アレルギーに有用なのか?

抗結核薬のDLSTについて、2008年に論文が出ているが
「DLSTは有用でない」という報告であったため
めんどくさくて読んでいなかった。
最近INHの減感作ばっかりやっているので、せっかくなので読んでみた。
結核屋にとっては大事な論文であろう。

Drug Lymphocyte Stimulation Test in the Diagnosis of Adverse Reactions to Antituberculosis Drugs
CHEST 2008; 134:1027-1032


背景:
 結核は近年の治療向上により効果が高くなっているが、
 その反面で副作用も多いとされている。
 これに対してDrug lymphocyte stimulation test (DLST)が
 副作用を起こす抗結核薬の特定につながるかどうかを検討する。

方法:
 プロスペクティブスタディで、結核入院患者436人を対象とした。
 結核の治療中に副作用を生じた患者にDLSTおよび
 薬剤誘発試験(DPT)をおこなった。薬剤は、isoniazid (INH), rifampin (RIF),
 ethambutol (EMB), pyrazinamide (PZA)とする。

結果:
 436人中69人(15.8%)で副作用を認めた。
 全体で261剤がDLSTおよびDPT施行となった。
 DLST陽性は20例(28.9%)・28剤(10.7%)
 これに対してDPT陽性は46例(66.6%)・67剤(25.7%)であった。
 DLSTの感度は、全薬剤に対しては14.9%であり、個々の薬剤に対しては
 INH 14.3%、RIF 13.6%、EMB 14.3%、PZA 0%であった。
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解釈:
 DPT陽性ならば基本的にDLST陽性であってほしい。この論文の
 根幹はそこにあると思う。この結果から、INHに限って言えば、
 DLSTのSIが高い症例ではDPT陽性例の傾向があるように見える。
 しかしながら、感度は極めて低く、なおかつ偽陽性がINHで20%を超える
 となると、これはもう検査としては成立しない範疇と考えてよいだろう。
 ただ、INHのSIが信じられないくらい高いときはINHに関しては
 考慮してもよいかもしれない。


結論:
 DLSTはの副作用を起こした抗結核薬の同定には寄与しない。

by otowelt | 2011-01-05 15:49 | 抗酸菌感染症

難治性喘息において、NTM感染が一部関連している可能性がある

毎月、CHESTはやや遅れて月始に出る。
呼吸器系のimpact factorが高い論文は、
いつもERJ→AJRCCM→CHESTという順番で読むことになる。

CHESTからNTMと喘息の関連について報告があった。
この論文におけるコホート内症例対照研究というのは、
追跡中のコホート内に発生した患者を”症例”とし、対照が
症例と同じコホートから選択されるもののその選択が
症例の発症後に行われるようなタイプの症例対照研究のことである。

Nontuberculous Mycobacterial Infection as a Cause of Diffi cult-to-Control Asthma. A Case-Control Study.
CHEST 2011; 139(1):23–27


背景:
 非結核性抗酸菌症(NTM)による症候性疾患は、
 構造的な肺疾患の存在があることによって起こることが一般的であるが
 喘息についての報告は少ない。

方法:
 これはコホート内症例対照研究である。われわれは、22人の
 難治性喘息で紹介を受けNTM感染がみられた患者を登録した。
 それぞれの症例に2症例の対照患者を準備した。
 (当該症例から次の喘息2連続患者)

結果:
 症状が発症あるいは悪化してからNTMの診断がつくまで平均2.1年かかった。
 よくみられた症状は、咳嗽の悪化(77%)、喀痰(40.9%)、
 喘息発作の増加(31.8%)であった。肺MAC症は22人中14人(63.6%)に
 みられ、残り8人はM.xenopiであった。該当症例は対照群と比べて
 高齢であり(59.8 ± 8.9 vs 42.6 ± 18 years;P<.001)、より予測FEV1が
 低かった(FEV1 57% [40%-74%] vs 89.5% [80%-98%];P<.001)。
 吸入ステロイド使用率、日々の使用量については両群ともに差はなかったが、
 NTM患者においては、より長期にステロイド吸入を使用していた。
 (17 [6.2-20] vs 4 [0.75-6.0] years; P=.002)
 NTMの6例は、経口ステロイドを常用しており、対照群では使用はみられなかった。
 22例のうち、10例はNTMに対する抗菌薬治療を施行され、7人がその改善を認めた。

結論:
 NTM感染は喘息と関連している可能性がある。難治性の高齢患者で
 吸入ステロイドを使用しているにもかかわらず、FEV1がより低い場合には
 NTM感染を疑うべきである。

by otowelt | 2011-01-05 05:09 | 抗酸菌感染症

肺結核患者は肺癌発症のリスクが高い

肺結核患者の喀痰から抗酸菌だけでなく癌細胞が出た経験がある。
気管支鏡をして、結核と癌が混在していたこともある。
それだけに、このJTOの論文は興味深い。

Increased Lung Cancer Risk among Patients with Pulmonary Tuberculosis: A Population Cohort Study
Journal of Thoracic Oncology: January 2011 - Volume 6 - Issue 1 - pp 32-37


背景:
 世界では、総人口の約3分の1が結核に感染している。
 結核と肺癌の関連を正確に記述することは重要である。
 このスタディは、収縮性肺結核が肺癌のリスクとなるかどうかを調べたものである。

方法:
 コホートに肺癌のない20歳以上の716872件のサブジェクトを調べた。
 1998年~2000年の間で、4480人の患者で新たに肺結核と診断された患者を
 解析し、その後の肺癌発症のハザード比を算出する。

結果:
 肺癌発症は、非結核患者よりも結核患者において11倍多かった。
 (26.3 versus 2.41 per 10,000 person-years)
  Cox比例ハザード回帰分析では、社会人口学的調整を加えて
 結核患者の肺癌発症ハザード比は4.37 (95%CI: 3.56–5.36)、
 COPDや喫煙関連非肺癌で補正した場合は3.32 (95% CI: 2.70–4.09)であった。
 COPD合併例の場合、ハザード比は6.22 (95% CI: 4.87–7.94)まで上昇し、
 喫煙関連非肺癌合併例では15.5 (95% CI: 2.17–110)まで上昇。

結論:
 このスタディでは、結核患者において肺癌発症リスクは高いと言える。
 COPDや喫煙関連非肺癌合併例ではさらにそのリスクは上昇する。

by otowelt | 2010-12-26 08:41 | 抗酸菌感染症

北京型結核菌は治療失敗とは直接的に関連していない

東アジアで分離される結核菌の多くが特徴的な遺伝子型を示すため、
これを私たちは北京型と呼んでいる。
        J Clin Microbiol. 1995;33:3234-8.

北京型株は、他のジェノタイプと比べて以下のような特徴がある。
・感染伝播力が優れている
薬剤耐性と関連性が高い
・発病・再発を引き起こしやすい
・BCG接種による免疫の影響を受けにくい
        Trends Microbiol.2002;10:45-52.

The Mycobacterium tuberculosis Beijing Genotype Does Not Affect Tuberculosis Treatment Failure in Vietnam
Clinical Infectious Diseases 2010;51:879–886


背景:
 Mycobacterium tuberculosis Beijing genotype(北京型)は、
 臨床的に重症型であり、治療失敗も多い。
 これは薬剤耐性が関与しているものと思われる。
 われわれは、薬剤耐性が北京型と強く関連していると
 思われるベトナムにおいて、ジェノタイプが治療失敗に影響を与えるのか
 どうかを検討した。

方法:
 population‐based prospective cohort study。
 塗沫陽性の結核患者は治療前後で薬剤感受性を検査。
 培養ごとに治療失敗率を調査した。

結果:
 1106人の患者が登録。
 33人が治療失敗を経験した(3.0%; 95%CI, 2.1%–4.1%)。
 380人の北京型感染のうち、失敗率は5.3%(95% CI, 0.3%–7.9%)。
 MDRTBは失敗と強く関連していた(OR 114; 95% CI, 30–430)。
 MDRによる調整後、北京型のみでは治療失敗とは関連していなかった
 (adjusted OR, 0.7; 95% CI, 0.3–2.0)。

結論:
 北京型結核菌は治療失敗とは直接的に関連がなかった。
 

by otowelt | 2010-09-25 09:48 | 抗酸菌感染症

XDRTBには、新しい世代のフルオロキノロンを使う方がアウトカムがよい

CIDからの論文。去年からアナウンスされていたことである。
著者のKaren R. Jacobsonは、やさしい感じの女医さんだったと記憶している。

XDRTBの定義は、
「INHとRFPに耐性を示し、フルオロキノロン系いずれかと、
注射二次薬(カナマイシン、アミカシン、カプレオマイシン)
の少なくともひとつに耐性をもつ結核菌」である。

Treatment Outcomes among Patients with Extensively Drug‐Resistant Tuberculosis: Systematic Review and Meta‐Analysis
Clinical Infectious Diseases 2010;51:6–14


背景:
 XDRTB治療は大きく変化してきている。セカンドラインの抗結核薬は
 あまり効果が見られないうえに毒性が強く、ファーストラインよりもコストが
 かかってしまう。XDRTBとは、定義上は、キノロンを含めた
 セカンドラインのオプションに耐性を示すものである。
 われわれは、XDRTB治療において良好な効果を示す文献から
 メタアナリシスをおこなった。

方法:
 PubMed、EMBASEのデータベースを使用してXDRTB治療アウトカムを検証。

結果:
 560人の患者を含む13の観察研究がヒットした。
 43.7% (95%CI, 32.8%–54.5%)がよいアウトカムを呈していた。
 20.8% (95%CI, 14.2%–27.3%)が死亡。
 後世代のフルオロキノロン(レボフロキサシン、モキシフロキサシン、
 スパルフロキサシン)で治療された患者は良好なアウトカムであった。
 (P = .001) 良好なアウトカムを呈していた患者は、
 近年の新しい世代のフルオロキノロンを使用している傾向があった。

結論: 
 このメタアナリシスによると、XDRTBに対して初期治療で
 新しい世代のフルオロキノロンを加えることによって臨床アウトカムが
 改善することがわかった(たとえ、フルオロキノロン耐性であったとしても)。
 この結果は、新世代フルオロキノロンをXDRTB治療レジメンに加えてもよいと
 考えられ、今後臨床試験によって評価すべきと考える。


オールドキノロンとニューキノロンの交差耐性は明らかであるが、
XDRTBには関係ないのか??
検査室で耐性と出ても、キノロンを使うとアウトカムがよくなると
いう結論なので、それを信用するしかないわけだが…

by otowelt | 2010-06-10 12:21 | 抗酸菌感染症

マイナーNTM特徴覚え書き

いつまでたっても覚えられないので、
表を作って覚えることにした
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by otowelt | 2010-04-20 16:26 | 抗酸菌感染症

非結核性抗酸菌症の治療


a)肺MAC 症
1)RECAM
 CAM 600-800mg/日分2-3 (最低12mg/kg/day以上は必要)
 RFP 450-600 mg/日 分1
 EB 500-750mg/日分1
 KMまたはSM1000 mg/日週2-3回 筋注(初期2-3ヶ月)
 排菌陰性化から1年以上

2)(CAM耐性または使用不可の場合)
 RFP 450-600mg/日 分1
 EB 500-750mg/日分1
 SPFX 100-200mg/日分1
 KM またはSM1000mg/日週2-3回筋注
排菌陰性化から1年以上

*CAM耐性:
 液体培地を用いてMICを測定する. 32μg/mlを越えた場合を耐性とする.


b)肺M. kansasii症

1)HRE
 INH 300mg/日  分1
 RFP 450-600mg/日  分1
 EB  500-750mg/日  分1
  計1-1.5年

※INHの副作用が疑われた場合は中止

2)(RFP耐性または使用不可の場合)
 CAM 600-800mg/日 分2
 EB 500-750mg/日 分1
 LVFX 300-500 mg/日 分1
 またはTH 300-500mg/日
 重症ではSM1000mg/日 週2-3回筋注(初期3-6ヶ月)を追加
  菌陰性化後1年以上


c)迅速発育菌による肺感染症
発育速度が速く、通常の抗結核薬は無効であるが一般抗生剤の一部が有効
であり、薬剤感受性検査は液体培地を用いた微量希釈法によるMICの測定
が有益である等、抗酸菌ではあるが一般細菌に近い菌と認識すべき。

M. fortuitumはAMK、ニューキノロン、sulfonamides、cefoxitin、
IPM/CS、CAM等が有効であり比較的予後良好。

M.abscessusは有効な薬剤がCAM、AMK、cefoxitin、IPM/CSに
ほぼ限られており(RFP+EBが有効との意見もあり)、最も予後不良な
肺非結核性抗酸菌症。

M. chelonae はAMK、CAM、IPM/CS、doxycyclin、CPFX等に
感受性が報告されている。

いずれも経験的に有効な3-4剤を1-2年投与しているのが現状である.

d) 肺M.szulgai症
RFP、EB、TH、SM、KM、EVMに感受性を示す菌が多い。
RFP+EBにKMまたはTHを加えた1-2年の治療で菌陰性化が期待できる。

e)肺M. nonchromogenicum症
RFP+EB+TH+CAMで治療するという結核病学会の見解はあるが、
症例の蓄積が乏しく臨床効果は確定していない。

f)その他の菌種による感染症
有効薬剤や治療法は確立していない。
肺MAC症に準じた治療をしているのが現状。

by otowelt | 2009-11-12 07:17 | 抗酸菌感染症