カテゴリ:抗酸菌感染症( 141 )

DPB患者には非結核性抗酸菌症がしばしば観察される

e0156318_21415744.jpg DPBは緑膿菌と喀痰との戦いになることが多いです。NTMも重要な病原微生物ですね。

Takahiro Tsuji, et al.
Nontuberculous mycobacteria in diffuse panbronchiolitis
Respirology,30 SEP 2014 DOI: 10.1111/resp.12412


背景および目的:
 嚢胞性線維症に続発する非結核性抗酸菌症(NTM)は報告されているが、非嚢胞性線維症の気管支拡張症患者におけるNTMの頻度についてのデータは限られている。われわれはレトロスペクティブにびまん性汎細気管支炎(DPB)におけるNTMの頻度について調べた。

方法:
 われわれは2000年1月から2012年12月までの間に、33人のDPB患者における抗酸菌培養、患者特性、CT検査を調べた。少なくとも1回NTMが培養で陽性になったものをNTM陽性、陽性にならなかったものをNTM陰性、培養検査が実施されていないものをNTM非同定と定義した。
 DPBの診断は、1998 年厚生省特定疾患びまん性肺疾患調査研究班のものに従った。

結果:
 平均年齢は51.5歳であった。平均フォローアップ期間は162.8ヶ月であり、喀痰におけるNTMの頻度は21.2%(7人)だった。3人(9.1%)が少なくとも2回培養陽性であった(ATS/IDSA診断基準)。その7人のうち、6人がMACで、1人がM.kansasiiだった。M.chelonaeはMACと合併していた例が1人確認された。7人中4人に感受性検査が実施され、MACはすべてクラリスロマイシン感受性だった。緑膿菌は最も頻度が高く分離された(14人:42.4%)。ただし、NTM陽性患者とNTM陰性患者の間で緑膿菌の分離頻度に差はみられなかった(p=1.00)。
 最初の培養陽性からDPBの診断までの平均期間は194.6ヶ月であった。
 NTM陽性患者は、NTM陰性患者と比較して低い1秒量(%予測値)である傾向にあった(50.0% vs 77.3%, P = 0.03)。しかし、放射線学的あるいは臨床的な差は両群では観察されなかった。

結論:
 本研究によれば、NTMはDPBの患者でしばしば観察される。粘膜線毛クリアランスの欠如が個体にNTM感染をもたらすのかもしれない。


by otowelt | 2014-10-17 00:08 | 抗酸菌感染症

超多剤耐性結核に対するリネゾリドの有効性

e0156318_9331615.jpg 過去のNEJMの論文(N Engl J Med. 2012 Oct 18;367(16):1508-18.)では半年で87%の喀痰培養陰性化率が得られています。有害事象はやはり多いです。

Shenjie Tang, et al.
Efficacy, safety and tolerability of linezolid for the treatment of XDR-TB: a study in China
ERJ September 18, 2014 erj00351-2014


背景:
 リネゾリドは、多剤耐性結核(MDR-TB)および超多剤耐性結核(XDR-TB)の治療に効果的かもしれない。われわれは、プロスペクティブに実施した多施設共同ランダム化試験において、リネゾリドのXDR-TBに対する効果、安全性、忍容性を調べた。

方法:
 培養陽性となったXDR-TBの65人の患者がランダムにリネゾリド群とコントロール群に割り付けられた。両群に割り付けられた患者は2年の独立した化学療法レジメンを実施された。少なくとも5種類の抗結核薬を感受性に合わせて選択した。リネゾリド治療群はリネゾリドを含むレジメンとし、初期4~6週間で1日1200mg、その後1日300~600mgを継続された。

結果:
 リネゾリド群の喀痰培養陰性化率は24ヶ月までに78.8%であり、これはコントロール群よりも有意に高かった(36.6%, p<0.001)。空洞閉鎖率は、リネゾリド群で24ヶ月までに69.7%で、コントロール群よりも有意に高かった(p<0.05)。リネゾリド群の治療成功率は69.7%で、これも有意にコントロール群より高かった(34.4%, p = 0.004)。リネゾリド群の27人(81.8%)の患者は臨床的に有意な有害事象を経験し、そのうち25人(93%)の患者はリネゾリドに関連すると考えられた。ほとんどの有害事象はリネゾリドを減量あるいは一時的に中断することで改善した。
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(文献より引用)

結論:
 XDR-TBに対するリネゾリドを含む化学療法は、空洞の閉鎖、喀痰培養陰性化、治療成功を促進させるかもしれない。


by otowelt | 2014-10-16 00:53 | 抗酸菌感染症

結核性心膜炎に対するステロイドとM. indicus pranii免疫療法の有効性

e0156318_2061099.jpg いつかどこかで耳にしたことがあるような抗酸菌、Mycobacterium indicus pranii。この菌については知識ゼロで論文を読みました。複合アウトカムに関しては有効性は否定されていますが、ステロイドが心膜の炎症を軽減する効果はありそうです。

Bongani M. Mayosi, et al.
Prednisolone and Mycobacterium indicus pranii in Tuberculous Pericarditis
N Engl J Med 2014; 371:1121-1130


背景:
 抗結核治療をおこなったとしても、結核性心膜炎の死亡率は依然高い。本研究において、結核性心膜炎の患者に対する糖質コルチコイド補助療法とMycobacterium indicus pranii免疫療法の有効性を評価した。

方法:
 2×2要因試験デザインを用いて、結核性心膜炎の診断が確定あるいはほぼ確実である成人患者1400人を6週にわたるプレドニゾロンあるいはプラセボ、そして3ヶ月間に5回のM. indicus praniiあるいはプラセボ注射にランダムに割り付けた。参加者3分の2は、HIV混合感染を有していた。プライマリ効果アウトカムは死亡・心嚢穿刺を要する心タンポナーデ・収縮性心膜炎の複合とした。

結果:
 プライマリアウトカムについて、プレドニゾロン群とプラセボ群に差はみられなかった(23.8% vs. 24.5%、ハザード比0.95、95%信頼区間0.77~1.18、P=0.66)。M. indicus pranii免疫療法群とプラセボ群にも有意な差はなかった(25.0% vs. 24.3%、ハザード比1.03、95%信頼区間0.82~1.29、P=0.81)。
 プレドニゾロンはプラセボと比較して収縮性心膜炎の発生率を有意に低下させ(4.4% vs. 7.8%、ハザード比0.56、95%信頼区間0.36~0.87、P=0.009)、入院率も有意に低下させた(20.7% vs. 25.2%、ハザード比0.79、95%信頼区間0.63~0.99、P=0.04)。
 プレドニゾロンとM. indicus praniiのいずれもプラセボと比べてがんの発生率を有意に上昇させた(1.8% vs. 0.6%、ハザード比3.27、95%信頼区間1.07~10.03、P=0.03、1.8% vs. 0.5%、ハザード比3.69、95%信頼区間1.03~13.24、P=0.03)。ただし、これらはHIVに関連したがんの発生の増加と考えられる。

結論:
 結核性心膜炎の患者に対するプレドニゾロンとM. indicus pranii免疫療法のいずれも、死亡、心嚢穿刺を要する心タンポナーデ・収縮性心膜炎の複合アウトカムに対して有意な効果がみられなかった。


by otowelt | 2014-09-29 00:40 | 抗酸菌感染症

モキシフロキサシンを含む結核治療レジメン、標準治療に非劣性示さず

e0156318_16322657.jpg アベロックス®は多剤耐性結核の治療の研究が多いように思いますが、今回は感受性結核の使用についての報告です。

多剤耐性結核に対するレボフロキサシンとモキシフロキサシンの培養陰性化率は同等

Stephen H. Gillespie, et al.
Four-Month Moxifloxacin-Based Regimens for Drug-Sensitive Tuberculosis
NEJM September 7, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1407426


背景:
 先行研究や臨床前研究において、合併症のない薬剤感受性の喀痰抗酸菌塗抹検査が陽性の肺結核患者(18歳以上)に対して、モキシフロキサシンを含む4ヶ月のレジメンの有効性が示唆されている。

方法:
 われわれは、ランダム化二重盲検プラセボ対照第3相試験を実施し、モキシフロキサシンを含むレジメン2種類についてコントロールレジメンに対する非劣性を評価した。
 コントロール群はイソニアジド、リファンピシン、ピラジナミド、エタンブトールを8週間投与し、その後18週間イソニアジド、リファンピシンを投与した。介入群であるイソニアジド群は、コントロール群のエタンブトールの代わりにモキシフロキサシンを使用したレジメンを17週間投与し、その後プラセボを9週間投与した。もう1つの介入群であるエタンブトール群は、同様にコントロール群レジメンのイソニアジドをモキシフロキサシンに代えて17週間投与し、その後プラセボを9週間投与した(簡潔に書くと、2HREZ+4HRの6ヶ月レジメンを、2HRMZ+2HRMあるいは2REMZ+2REMの4ヶ月レジメンと比較した)。
 プライマリエンドポイントはランダム化から18ヶ月以内の治療失敗あるいは再発とした。

結果:
 1931人がランダム化された。909人が南アフリカ、376人がインド、212人がタンザニア、136人がケニア、119人がタイ、69人がマレーシア、66人がザンビア、22人が中国、22人がメキシコであった。
 per-protocol解析において、ランダム化された1931人の患者のうち、良好なアウトカムが報告されたのはイソニアジド群で85%、エタンブトール群で80%と、コントロール群の92%より低かった。コントロール群との差は、イソニアジド群が6.1ポイント(97.5%信頼区間1.7-10.5)、エタンブトール群が11.4ポイント(97.5%信頼区間6.7-16.1)だった。ITT解析、全感度解析でも結果は同様であった。
 コントロール群と比較した培養陰性までの期間に対するハザード比は、固形培地(Lowenstein–Jensen)と液体培地(MGIT)のいずれにおいても短縮していた。治療8週時点においてモキシフロキサシンの患者の方がより培養陰性化している頻度が多かったが、これについては統計学的に有意差はなかった。
 グレード3,4の有害事象の頻度には有意な差はみられなかった。

結論:
 モキシフロキサシンを含む2レジメン(INH、EBをそれぞれ変更)は、コントロール群と比較してより初期の結核菌量を減少させる。しかしながら、これらのレジメンの非劣性は示されておらず、4ヶ月の短期治療が効果的とは言えない。


by otowelt | 2014-09-27 00:39 | 抗酸菌感染症

多剤耐性結核に対するべダキリンの有効性

e0156318_233338.jpg 多剤耐性結核の頻度が多い地域では、治療開発は急務です。

Andreas H. Diacon, et al.
Multidrug-Resistant Tuberculosis and Culture Conversion with Bedaquiline
N Engl J Med 2014; 371:723-732


背景:
 結核菌のATP合成酵素(ATP synthase)を阻害するジアリルキノリンであるベダキリン(bedaquiline)(Sirturo、TMC207)は、多剤耐性結核患者に推奨されている基本的なレジメンに8週間併用したときに、喀痰培養の陰性化までの期間が短縮するとされている。

方法:
 この2b相試験において、新たに多剤耐性結核と診断された喀痰塗抹陽性患者160人をベダキリン400mg1日1回2週間投与したあとに200mg週3回22週間投与する群と、プラセボを投与する群にランダムに割り付けた。両治療群は推奨されている基本レジメンに併用する形とした。プライマリ効果エンドポイントは液体培地の喀痰培養陰性化までの期間とした。フォローアップ期間は120週間。

結果:
 ベダキリンの使用によって喀痰培養陰性化までの期間の中央値は、プラセボの中央値125日と比較して 83日と短かかった(ベダキリン群のハザード比2.44、95%信頼区間1.57~3.80、P<0.001)。また、24週時点での喀痰培養陰性化率(79% vs 58%、P=0.008)、120週時点での喀痰培養陰性化率(62% vs 44%、P=0.04)もプラセボを上回った。WHOの多剤耐性結核の転帰の定義によれば、120週時点の治癒率はベダキリン群58%、プラセボ群32%だった(P=0.003)。有害事象については両群で同程度だった。死亡例はベダキリン群のほうがプラセボ群よりも多かったが、因果関係はないと考えられた。

結論:
 多剤耐性結核の24週間の推奨レジメンにベダキリンを追加することにより、喀痰培養陰性化が短縮し、120週時点の喀痰培養陰性化率がプラセボ群と比べて有意に上昇した。


by otowelt | 2014-09-05 00:25 | 抗酸菌感染症

リファンピシン耐性、イソニアジド耐性結核における遺伝子変異

e0156318_11483418.jpg 多剤耐性結核に対して、私は高用量イソニアジドを使った経験はありません。

Abate, D, et al.
Isoniazid and rifampicin resistance mutations and their effect on second-line anti-tuberculosis treatment
The International Journal of Tuberculosis and Lung Disease, Volume 18, Number 8, 1 August 2014, pp. 946-951(6)


目的:
 イソニアジドおよびリファンピシンに対する耐性を起こしうる遺伝子変異の頻度を調べ、セカンドライン抗結核治療にこれらの変異がおよぼす影響をアセスメントすること。

デザイン:
 エチオピアのSt Peter's TB Specialized Hospitalで行われたレトロスペクティブ研究である。GenoType®MTBDRplusアッセイの結果と臨床データがレトロスペクティブに調べられた。

結果:
 リファンピシン耐性結核のうち68.7%(470例)が、rpoB遺伝子のコドン531(S531L)に変異を有していた。また、イソニアジド耐性結核のうち93%(481例)が、katG遺伝子のコドン315(S315T1)に変異を有していた。inhA遺伝子変異の頻度は0.8%であった。
 セカンドラインの治療アウトカムは、23.7%(76人)で不良であった。rpoB遺伝子における他のコドンの変異や、inhAプロモーター領域の変異はアウトカム不良とは関連していなかった。
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(文献より引用)

結論:
 リファンピシン、イソニアジドに耐性の結核において、高い頻度でrpoBのコドン531、katGのコドン315にそれぞれ変異を有していた。inhA領域の変異はまれであった。多剤耐性結核患者の治療に高用量イソニアジドはわずかな効果を有するのみかもしれない。


by otowelt | 2014-08-19 00:19 | 抗酸菌感染症

ネットワークメタアナリシス:リファマイシン含有レジメンはLTBIの標準治療となるか

e0156318_23483962.jpg この記事は全文を読まずにアップロードしています。ネットワークメタアナリシスの論文を読むたびに、間接比較というのがどうしても溜飲が下がらないといいますか、概念的にスッキリ理解できていないのが個人的な課題です。時間ができたら全文をちゃんと読んでみます。
 現場の医師としては、6ヶ月イソニアジドを飲むとフォローアップもコンプライアンスの維持も大変なので、やはり短期の方が望ましいかなと感じます。

Helen R. Stagg, et al.
Treatment of Latent Tuberculosis Infection: A Network Meta-analysis
Ann Intern Med. Published online 12 August 2014 doi:10.7326/M14-1019


背景:
 潜在性結核感染(LTBI)の効果的な治療は結核根絶プログラムの重要なコンポーネントである。より効果的とされる有望な新しいレジメンが登場している。直接比較されたレジメンは少ないが、ネットワークメタアナリシスによって間接比較で結論づけることができるかもしれない。

目的:
 少ない有害事象で活動性結核を予防することができる最も有効なレジメンを同定すること。

データ:
 2014年1月までのPubMed, EMBASE, Web of Scienceのデータ。

スタディデザイン:
 ヒトのLTBIの治療を評価したランダム化比較試験で、事前に規定した2つのエンドポイント(活動性結核の予防あるいは肝障害)のうち少なくとも1つのデータが存在するもの。

結果:
 1516の論文のうち、53が適格基準を満たした。LTBI治療レジメンは合計15レジメンだった。105の比較のうち42(40%)が直接比較であった。プラセボと比較して、6ヶ月のイソニアジド(オッズ比0.64、95%信用区間[credible interval]0.48 to 0.83)、12ヶ月以上のイソニアジド(オッズ比0.52、95%信用区間0.41 to 0.66)、3-4か月のリファンピシン(オッズ比0.41、95%信用区間0.18 to 0.86)、リファペンチン-イソニアジド(オッズ比0.61、95%信用区間0.29 to 1.22)、リファンピシン-イソニアジド(オッズ比0.52、95%信用区間0.34 to 0.79)はネットワーク内で効果的なレジメンであった。
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(文献より引用:オッズ比はプラセボとの比較)

結論:
 活動性結核を予防する上で、3か月以上のリファマイシンを含むLTBI治療レジメンは有効であり、イソニアジド単独よりも潜在的には効果的かもしれない。リファマイシンを含むレジメンはイソニアジド単独治療に代替可能かもしれない。


by otowelt | 2014-08-13 00:30 | 抗酸菌感染症

結核の家庭内接触者におけるツベルクリン反応とIGRAの不一致

e0156318_2237214.jpg ちょっと不一致が甚だしいのが気になりますが、IGRAはかなり遅れて陽性化する可能性があることは既知の知見でもあります。

結核曝露後のQFT陽転は、現行ガイドラインの6~10週後再検では取りこぼすおそれがある

Rodrigo Ribeiro-Rodrigues, et al.
Discordance of Tuberculin Skin Test and Interferon Gamma Release Assay in Recently Exposed Household Contacts of Pulmonary TB Cases in Brazil
PLOS ONE, DOI: 10.1371/journal.pone.0096564


背景および方法:
 クオンティフェロンGold In-tubeのようなインターフェロンγ遊離アッセイ(IGRAs)は、結核菌特異抗原に反応したT細胞から遊離されたインターフェロンγを測定したものである。ツベルクリン反応と異なり、IGRAは特異度が高く、BCGワクチン接種者と結核感染を鑑別することができる。このスタディでは、ツベルクリン反応とIGRAの不一致を評価し、肺結核の家庭内接触者における新規の結核感染症を診断する有効性を調べた。

結果:
 ブラジルにおいて行われたこのスタディで、合計357人の家庭内接触者が同定された。ツベルクリン反応は登録2週間以内に実施され、陰性であれば8~12週間後に再検した。これにより、家庭内接触者はツベルクリン反応陽性者、持続的ツベルクリン反応陰性者、ツベルクリン反応陽転者の3群に分けられた。陽転者は新規の結核感染を示唆する。IGRAは登録から8~12週間後に実施された。
 その結果、ツベルクリン反応陽性者ではIGRA陽性が82%、ツベルクリン反応陽転者ではIGRA陽性が48%、ツベルクリン反応陰性者ではIGRA陽性が12%だった。
 いずれのカテゴリーにおいても、家庭内接触者ではツベルクリン反応とIGRAの不一致が多く観察された。
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(文献より引用)


by otowelt | 2014-06-24 00:20 | 抗酸菌感染症

抗レトロウイルス治療を受けているHIV感染者全員に対してイソニアジドの予防投与は結核発症予防効果あり

e0156318_1215550.jpg 驚愕の試験結果だと思ったのですが、よくよく考えれば過剰に発症抑制(取りこぼし例の抑制)をしているので当たり前の事象なのかもしれません。

Molebogeng X Rangaka, et al.
Isoniazid plus antiretroviral therapy to prevent tuberculosis: a randomised double-blind, placebo-controlled trial
Lancet, Published Online May 14, 2014


背景:
 抗レトロウイルス治療は結核のリスクを減らすが、HIV非感染者と比較してHIV感染者では結核の頻度が多い。われわれの目的は、抗レトロウイルス療法を受けている18歳以上のHIV-1感染患者について、結核リスクに対するイソニアジド予防投与の効果を評価することである。

方法:
 試験は、南アフリカケープタウンのカエリチャで実施された。被験者を1:1にイソニアジド予防投与12ヶ月群、プラセボ群にランダムに割り付けた。被験者、主治医、薬剤師に対して盲検化で行われた。スクリーニングにおいて、喀痰の抗酸菌培養検査が陽性となった結核症例は除外基準となった。
 プライマリエンドポイントは、結核の発症(疑い例や不確定例も含む)とした。

結果:
 2008年1月31日~2011年9月31日の試験期間中、合計1329人がランダム化された(イソニアジド群662人、プラセボ群667人)。全体で3227人年が解析対象となった。
 結核発症は95人に同定された。そのうちイソニアジド群は37人、発生率は2.3/100人年(95%信頼区間1.6~3.1)、プラセボ群は58人、発生率は3.6/100人年(95%信頼区間2.8~4.7)であった。ハザード比0.63(95%信頼区間0.41~0.94)だった。
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(文献より引用)
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(文献より引用)

 Grade3または4のALT値上昇のため試験薬投与を中断したのは、イソニアジド群19人/662人、プラセボ群10人/667人だった(リスク比1.9、95%信頼区間0.90~4.09)。
 この試験結果において、イソニアジド予防投与の効果がツベルクリン反応検査ないしインターフェロンγ遊離アッセイが陽性の患者のみに限定されるというエビデンスは観察されなかった。これらの結果が陰性であった患者の補正後ハザード比は、ツベルクリン反応検査0.43(95%信頼区間0.21~0.86)、インターフェロンγ遊離アッセイ0.43(95%信頼区間0.20~0.96)だった。陽性患者についてはそれぞれ0.86(同:0.37~2.00)、0.55(同:0.26~1.24)だった。

結論:
 予測試験や有益性予測の多変量アルゴリズムを行わずとも、イソニアジドの予防投与は、中等度以上の結核蔓延地域で抗レトロウイルス療法を受けている全患者に、ツベルクリン反応テストやインターフェロンγ遊離アッセイの陽性・陰性に関係なく推奨されるべきである。


by otowelt | 2014-06-03 00:57 | 抗酸菌感染症

多剤耐性結核治療薬:デルティバ6月にも承認か

e0156318_17201413.jpg 2014年6月に多剤耐性結核の新しい治療薬であるデルティバ錠50mg(デラマニド、大塚製薬)が承認される見込みです。

 デルティバは、ニトロ-ジヒドロ-イミダゾオキサゾール誘導体です。これは結核菌細胞壁のミコール酸の生成を阻害することで効果を発揮します。デルティバ錠は1回100mgを1日2回、朝・夕食後に経口投与します。

 根拠となった臨床試験は2つあり、特に前者の論文は有名でしょう。

Gler MT, et al.
Delamanid for multidrug-resistant pulmonary tuberculosis.
N Engl J Med. 2012 Jun 7;366(23):2151-60. doi: 10.1056/NEJMoa1112433.


Skripconoka V, et al.
Delamanid improves outcomes and reduces mortality in multidrug-resistant tuberculosis.
Eur Respir J. 2013 Jun;41(6):1393-400.


 言うまでもなく、単剤使用や効果の弱い抗結核薬との併用は絶対禁忌と考えてよいと思われます。


by otowelt | 2014-05-29 00:13 | 抗酸菌感染症