カテゴリ:気管支喘息・COPD( 410 )

ANASA試験:ドライパウダー吸入器は喘息・COPDの幅広い患者で満足度が高い

e0156318_13444742.jpg Facebookページ(https://www.facebook.com/pulmonarist)でERS2016の速報ニュースを流しているので、興味のある人はご覧ください。
 
 エルペンヘラーは一度銀紙を差し込まないといけないつくりになっているので、わずらわしいと思うのですが・・・。なぜ高得点だったのだろう?

Zervas E, et al.
Assessment of satisfaction with different dry powder inhalation devices in Greek patients with COPD and asthma: the ANASA study.
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2016 Aug 5;11:1845-55. doi: 10.2147/COPD.S113870. eCollection 2016.


背景:
 吸入治療のアドヒアランス不良は喘息およびCOPD患者でよくみられる。患者の嗜好に合わせた吸入薬の選択は、アドヒランスおよび治療効果にとって有益になりうる。質問票を用いて吸入薬に対する患者満足度を調べることができる。この研究の目的は、吸入薬満足感(FSI-10)質問票を用いて、ドライパウダー吸入器(DPI)(ディスカス®、エルペンヘラー®、タービュヘイラー®)の使いやすさや満足度を調べることである。FSI-10は自己完結型の質問票で、使いやすさ、携帯性、操作性などを評価したものである。

患者および方法:
 4週間の多施設共同非介入試験を実施した。登録患者は560人の喘息患者と561人のCOPD患者である。初診時、患者は使用DPIによって3群に分けられた(セレタイドディスカス、ロレニウムエルペンヘラー、シムビコートタービュヘイラー)。再診時にFSI-10の記入に協力してもらった。

結果:
 517人のCOPD患者および523人の喘息患者が研究を完遂した。全てのDPIの満足度は良好であったが、エルペンヘラー群がよりFSI-10が高かった(それぞれCOPD,喘息の順、エルペンヘラー:44.7 and 44.1 vs タービュヘイラー:41.5 and 43, P<0.001、ディスカス:40.8 and 41.4, P<0.01)。 タービュヘイラーは喘息患者ではディスカスより良好な満足度が得られた。デバイスにかかわらず、重症COPD患者は中等症あるいは軽症のCOPD患者よりも満足度が高い傾向にあった。

結論:
 喘息およびCOPD患者において、全てのDPIは受け入れ良好であった。エルペンヘラーは質問票の多くの項目で高得点を獲得した。進行期のCOPD患者は、デバイス満足度が高い傾向にあった。


by otowelt | 2016-09-07 00:29 | 気管支喘息・COPD

CALIMA試験、SIROCCO試験:重症好酸球性喘息に対するベンラリズマブは発作を減少

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  Facebook(https://www.facebook.com/pulmonarist)のERS2016速報ニュース⑩でもお伝えしたように、Lancetに2研究が同時発表されています。LAVOLTA試験についても同日同誌で発表がありました。呼吸器内科医にとって論文を読むのが大変な時期ですが、頑張りましょう。
 ERS2016のニュースはFacebookで随時更新していきます。SNSなどで情報を流してくれるヨーロッパの若手呼吸器内科医たちに感謝です。

J Mark FitzGerald, et al.
Benralizumab, an anti-interleukin-5 receptor α monoclonal antibody, as add-on treatment for patients with severe, uncontrolled, eosinophilic asthma (CALIMA): a randomised, double-blind, placebo-controlled phase 3 trial
Lancet, Published Online: 04 September 2016


Eugene R Bleecker, et al.
Efficacy and safety of benralizumab for patients with severe asthma uncontrolled with high-dosage inhaled corticosteroids and long-acting β2-agonists (SIROCCO): a randomised, multicentre, placebo-controlled phase 3 trial
Lancet, Published Online: 04 September 2016


 いずれの試験も好酸球数が300/μL以上のコントロール不良喘息患者さんを組み入れた研究です。ベンラリズマブは30mgを4週ごとあるいは8週ごとに投与するレジメンで、プラセボと比較されました。
 CALIMA試験では、プラセボと比較して4週ごと投与群(率0.60[95%信頼区間0.48-0.74]、率比0.64[95%信頼区間0.49-0.85]、p=0.0018)および8週ごと投与群(率0.66[95%信頼区間0.54-0.82]、率比0.72[95%信頼区間0.54-0.95]、p=0.0188)で年間の喘息発作発生が減少しました。
 SIROCCO試験では、プラセボと比較して4週ごと投与群(率0.55[95%信頼区間0.42-0.71]、p<0.0001)、8週ごと投与群(率0.49[95%信頼区間0.37-0.64]、p<0.0001)で喘息発作発生が減少しました。気管支拡張前1秒量についてもプラセボと比較してやや改善がみられました。症状については8週ごと群で有意に軽快しましたが、4週ごと群では差はみられませんでした。


by otowelt | 2016-09-06 00:32 | 気管支喘息・COPD

Salford Lung Study:COPDに対するレルベア®は通常ケアと比較して急性増悪を減少

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 Facebook(https://www.facebook.com/pulmonarist)でもお伝えしたように、現在ロンドンで開かれているERS2016で現時点で一番のトピックです。
 私を含め、肺炎を懸念していた人間からしてみれば大きなニュースです。実臨床に根付いた試験デザインであるのが非常に好ましいと思います。GSKが介入していますが。

Jørgen Vestbo, et al.
Effectiveness of Fluticasone Furoate–Vilanterol for COPD in Clinical Practice
NEJM September 4, 2016DOI: 10.1056/NEJMoa1608033


背景:
 COPDマネジメントのエビデンスは、厳格な組み入れ基準に基づいた選ばれた患者を含む効果をみた研究に基づいている。普段の臨床プラクティスに近い状態でのランダム化比較試験が望まれていた。

方法:
 これは、COPD患者2799人を1日1回のフルチカゾンフランカルボン酸100μg/ビランテロール25μg(合剤群)あるいは通常ケア群にランダムに割り付けた比較試験である。プライマリアウトカムは、試験より1年以内に急性増悪を起こした既往のある患者における、中等症あるいは重症の急性増悪の発症とした。セカンダリアウトカムは、プライマリケアの受診率、二次医療機関の受診率、COPD初期治療の修正、試験より3年以内に急性増悪を起こした既往のある患者における急性増悪率とした(time-to-evento解析)。

結果:
 中等症あるいは重症の急性増悪は、通常ケアよりもフルチカゾンフランカルボン酸の方が有意に少なかった(8.4%、95%信頼区間1.1 to 15.2)(P=0.02)。プライマリケアあるいは二次医療機関へのCOPDによる受診には有意差はみられなかった。また両群において、time-to-event解析で初回の中等症あるいは重症急性増悪および初回の重症急性増悪の発症に差はみられなかった。フルチカゾンフランカルボン酸/ビランテール群における重篤な肺炎の有害事象の超過は観察されなかった。他の重篤な有害事象についても両群で同等だった。

結論:
 COPD急性増悪の既往がある患者において、1日1回のフルチカゾンフランカルボン酸/ビランテロール治療は通常ケアと比較して、重篤な有害事象を増加させることなく急性増悪の頻度を減少させる。


by otowelt | 2016-09-05 00:01 | 気管支喘息・COPD

ICS/LABAの重症喘息関連イベントリスクはICS単独と同等その2

e0156318_1637713.jpg 別の研究なので「その2」と書くのは失礼ですが、同じ号に掲載されているので便宜上・・・。

Stephen P. Peters, et al.
Serious Asthma Events with Budesonide plus Formoterol vs. Budesonide Alone
N Engl J Med 2016; 375:850-860


背景:
 喘息治療に、吸入ステロイド(ICS)に長時間作用性β2刺激薬(LABA)を併用する安全性については、いまだ懸念が残っている。FDAの市販後安全性調査において、喘息患者のブデソニド維持療法にホルモテロールを追加することで、重症喘息関連イベントのリスクが上昇するか調べた。

方法:
 この26週間の多施設共同二重盲検試験において、持続型喘息に対して喘息治療薬の投与を受けて、過去1年に1~4 回の発作を起こしている12歳以上の患者を、ブデソニド/ホルモテロール群とブデソニド単独群にランダムに割り付けた。致死的な喘息既往がある患者は本研究から除外した。プライマリエンドポイントは重症の喘息関連イベント(死亡、気管挿管、入院の複合アウトカム)の発生とし、time-to-event解析で評価した。ブデソニド/ホルモテロールのブデソニドに対する非劣性は、プライマリ安全性エンドポイントのリスクの 95%信頼区間上限が2.0を下回るものと定義した。プライマリ有効性エンドポイントは喘息発作の発生とし、これもtime-to-event解析で評価した。

結果:
 合計11693人をランダム化し、5846人をブデソニド/ホルモテロール群に、5847人をブデソニド群に割り付けた。重症な喘息関連イベントは、それぞれ43人、40人に発生し(ハザード比1.07、95%信頼区間0.70-1.65)、ブデソニドに対するブデソニド/ホルモテロールの非劣性が示された。本研究における喘息死は2人でいずれも併用群だった。喘息発作のリスクは、ブデソニド/ホルモテロール群の方が16.5%低かった(ハザード比0.84、95%信頼区間0.74-0.94、P=0.002)。

結論:
 中等症~重症の喘息を有する12歳以上では、ブデソニド/ホルモテロールはブデソニドと比べて喘息発作のリスクを低減したが、重症喘息関連イベントのリスクは同程度だった。


by otowelt | 2016-09-03 00:14 | 気管支喘息・COPD

VESTRI試験:ICS/LABA合剤の重症喘息関連イベントリスクはICS単独と同等

e0156318_1637713.jpg  小児における、ICS/LABAとICSの重症喘息関連イベントのリスクの差をみた研究です。かなり大規模な研究ですね。

David A. Stempel, et al.
Safety of Adding Salmeterol to Fluticasone Propionate in Children with Asthma
N Engl J Med 2016; 375:840-849


背景:
 長時間作用性β刺激薬(LABA)は、成人の喘息死リスクおよび小児の喘息入院リスクを増加させることがわかっている。吸入ステロイド薬(ICS)と LABA を併用することで、これらリスクが軽減するかどうかは現時点で不明である。この研究では、小児を対象としてフルチカゾンプロピオン酸エステル/サルメテロールの固定用量合剤の安全性を前向きに調べた。

方法:
 喘息に対して連日の治療を要し、過去1年間に喘息発作の既往を有する4~11歳の小児を、26週間のフルチカゾンプロピオン酸エステル/サルメテロール吸入群とフルチカゾン吸入群に、1:1にランダムに割り付けた。プライマリ安全性エンドポイントは、重篤な喘息関連イベント(死亡、気管挿管、入院)の発生とし、time-to-event解析で評価した。プライマリ安全性エンドポイントのハザード比における95%信頼区間上限が2.675を下回る場合を非劣性と定義した。プライマリ有効性エンドポイントは、全身性ステロイド治療を要する重症喘息発作の発生とし、これもtime-to-event解析で評価した。

結果:
 合計6208人のうち、合剤群27人とフルチカゾン単独群21人に、重篤な喘息関連イベントが生じた。合剤群のフルチカゾン群に対するハザード比は1.28(95%信頼区間0.73-2.27)で、合剤の非劣性が示された(P=0.006)。また、重症の喘息発作は合剤群265人(8.5%)、フルチカゾン群309人(10.0%)で観察された(ハザード比0.86、95%信頼区間0.73-1.01)。

結論:
 喘息の小児を対象としたVESTRI試験において、フルチカゾンプロピオン酸エステル/サルメテロールの合剤は、重篤な喘息関連イベントのリスクに関連していたが、そのリスクはフルチカゾン単独治療と同程度だった。


by otowelt | 2016-09-02 00:59 | 気管支喘息・COPD

COSYCONET研究:COPD患者では末梢動脈疾患の頻度が高い

e0156318_17345414.jpg その頻度、倍とのこと。

Sarah Houben-Wilke, et al.
Peripheral Artery Disease and its Clinical Relevance in Patients with COPD in the COSYCONET Study
Am J Respir Crit Care Med. First published online 17 Aug 2016 as DOI: 10.1164/rccm.201602-0354OC


背景:
 COPD患者における末梢動脈疾患(PAD)の頻度と臨床的関連性の知見は不足している。

目的:
 われわれはCOPD患者におけるPADの頻度を健常コントロール群と比較し、PADと健康ステータス・機能的耐容能との関連性を調べた。

方法:
 PADの診断には足関節上腕血圧比(ABI)(Ankle-Brachial-Index)が用いられた(ABI0.9以下)。6分間歩行距離、健康ステータス(SGRQスコア、CATスコア、EQ-5D-3L)がCOSYCONETコホート研究におけるアウトカムとして使用された。コントロール群はSHIPコホートから抽出された。
 
結果:
 2088人のCOPD患者(61.1%が男性、平均年齢65.3±8.2歳、GOLD分類I期5.1%-II期7.4%-11.1%-9.5%)が登録された。184人(8.8%)の患者がPADと診断された。SHIPコホートでは、PADは1.8~4.2%の範囲であった。PADを有するCOPD患者は有意に6分間歩行距離が短かく(356m vs 422m、p<0.001)、健康ステータスが不良であった(SGRQスコア:49.7 vs 42.7、p<0.001、CATスコア: 19.6 vs 17.9, p=0.004, EQ-5D VAS: 51.2 vs 57.2, p<0.001)。この差はいくつかの交絡因子で補正後も有意であった。

結論:
 大規模なCOPDコホートにおいて、8.8%の患者がPADと診断された。これは非COPDコントロールよりも頻度が高かった。


by otowelt | 2016-09-01 00:53 | 気管支喘息・COPD

システマティックレビュー:説明のつかないCOPD急性増悪では肺塞栓を考慮すべき

e0156318_1015674.jpg COPD急性増悪でなくとも、疑うべきときは疑わなければならない重要な疾患です。

F.E. Aleva, et al.
Prevalence and Localization of Pulmonary Embolism in Unexplained Acute Exacerbations of COPD: A systematic review and meta-analysis
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2016.07.034


背景:
 COPD患者は炎症亢進エピソード、いわゆるCOPD急性増悪に遭遇することがある。この30%において原因ははっきりわからないとされている。炎症と血栓の間にはよく知られた関連があるため、この研究では説明のつかないCOPD急性増悪において、塞栓症の局在と頻度、肺塞栓の臨床マーカーを同定した。

方法:
 MEDLINE、EMBASEを用いてシステマティックに検索を実施した(1974年~2015年10月)。COPD急性増悪患者において肺塞栓を診断するため胸部CT血管造影を実施された前向きおよび横断研究を抽出した。

結果:
 22論文がレビューされ、7試験が登録された。説明のつかないCOPD急性増悪のうち肺塞栓がみられた頻度は16.1%だった(95%信頼区間8.3-25.8%)。68%の塞栓は肺動脈主幹、葉動脈、葉間動脈にみられた。死亡率および入院期間は説明のつかないCOPD急性増悪患者および肺塞栓患者では上昇・延長した。胸膜痛および心不全は説明のつかないCOPD急性増悪患者および肺塞栓患者でよくみられる臨床所見だった。反面、気道感染徴候は肺塞栓による増悪では頻度は少なかった。

結論:
 説明のつかないCOPD急性増悪で肺塞栓はよくみられる。塞栓の3分の2はその局在が明らかであり、抗凝固療法の適応となろう。特に胸膜痛や心不全徴候があり、感染徴候が明らかでなければ、説明のつかないCOPD急性増悪患者では肺塞栓を注意すべきである。


by otowelt | 2016-08-31 00:14 | 気管支喘息・COPD

チオトロピウムによるCOPD治療開始は心血管系リスクを増加させず

e0156318_23175684.jpg 本題とは異なる観点ですが、海外でもやはりLABA単独使用というのはまれのようですね。

Samy Suissa, et al.
Long-acting bronchodilator initiation in COPD and the risk of adverse cardio-pulmonary events: A population-based comparative safety study
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2016.08.001


背景:
 長時間作用性β2刺激薬(LABA)や抗コリン薬チオトロピウムを含む長時間作用性気管支拡張薬は、COPDの初期治療として推奨されている。これらの気管支拡張薬の心血管系、脳血管系、呼吸器系に対する有害事象のリスクについては、限定的なサンプルサイズの研究に基づいていたり相反する結果が示されたりしている。さらに、当該初期治療が開始された次期や、おのおのがリスクに直面する時期についての情報が得られる研究はほとんどない。

方法:
 われわれは、長時間作用性気管支拡張薬を2002年~2012年の間に新規処方された55歳以上の患者をUnited Kingdom’s Clinical Practice Research Datalinkを用いて同定した。チオトロピウムで開始された患者は、高次元傾向スコアおよび過去の吸入ステロイド薬使用によってマッチされ、LABA新規使用者と比較された。治療開始から1年あるいは急性心筋梗塞(AMI)、脳卒中、心不全、不整脈、肺炎の発症まで追跡された。

結果:
 26442人のチオトロピウム新規使用者が26442人のLABA新規使用者と比較された。LABA使用者は、主にICSに追加処方されていた。LABAと比較して、チオトロピウム開始によるAMIのハザード比は1.10 (95%信頼区間0.88-1.38)、脳卒中のハザード比は1.02 (95%信頼区間0.78-1.34), 不整脈のハザード比は0.81 (95%信頼区間0.60-1.09), 心不全のハザード比0.90 (95%信頼区間0.79-1.02)だった。肺炎の発症は、チオトロピウム群で有意に少なかった(ハザード比0.81; 95%信頼区間0.72-0.92)。

結論:
 LABAと比較してチオトロピウムによるCOPDの治療開始は、心血管系リスクを初期1年で増加させなかった。肺炎リスクはLABAの方が高く、これはLABAとともに使用されている吸入ステロイド薬の使用による影響と考えられた。


by otowelt | 2016-08-30 00:58 | 気管支喘息・COPD

製錬業はCOPDの職業的リスク因子

e0156318_234399.jpg そうは言ってもやはり喫煙が気腫化の最たる原因であろうと思います。

Kraïm-Leleu M, et al.
Occupational Risk Factors for COPD: A Case-Control Study.
PLoS One. 2016 Aug 3;11(8):e0158719.


目的:
 この研究の目的は、技巧職におけるCOPDの職業的リスク因子を調べることである。

方法:
 この多施設共同症例対照研究には、曝露形態が異なる11の職業が含まれた。コントロールおよび対象症例は性別、年齢、喫煙歴がマッチされた。多変量ロジスティック回帰分析を用いてオッズ比を推定した。

結果:
 合計1519人の参加者が2004年9月から2012年9月までに登録された。マッチ後、547のペアがつくられた。平均年齢は56.3±10.4歳だった。この研究では、製錬業のみがCOPDのリスクを上昇させた(オッズ比7.6, p < 0.0001, 95%信頼区間4.5-12.9)。身体活動性はオッズ比を低下させ(オッズ比0.7)、都市部の居住はリスク因子だった(オッズ比1.6)。
 精錬業者で用いられた金属はおもに鋳鉄、アルミニウム、合金であった。機械整備(65.2%)、鋳造(49.6%)、表面処理(41.1%)、鋳造(41.0%)がもっともよくみられた活動内容であった。

結論:
 技巧職のうち、とりわけ製錬業ではCOPDの職業的リスクとなる。


by otowelt | 2016-08-29 00:48 | 気管支喘息・COPD

フェヴィピプラント(fevipiprant)は中等症~重症喘息患者の好酸球性気道炎症を抑制する

e0156318_1637713.jpg 喘息治療医の間で注目を集めている経口治療薬フェヴィピプラントの報告です。

Sherif Gonem, et al.
Fevipiprant, a prostaglandin D2 receptor 2 antagonist, in patients with persistent eosinophilic asthma: a single-centre, randomised, double-blind, parallel-group, placebo-controlled trial
Lancet Respiratory Medicine, DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S2213-2600(16)30179-5


背景:
 好酸球性気道炎症は喘息でよくみられ、この炎症を軽減することで臨床アウトカムが改善する。われわれは、プロスタグランジンD2受容体アンタゴニストであるフェヴィピプラント(fevipiprant, QAW039)が中等症~重症の好酸球性喘息患者における好酸球性気道炎症を軽減するかもしれないと仮説を立てた。

方法:
 イギリスのグレンフィールド病院において、単施設ランダム化二重盲検並行群間プラセボ対照比較試験を実施した。われわれは、喀痰中好酸球数比率が2%以上の遷延性の中等症~重症喘息患者を登録した。2週間の単盲検プラセボrun-in periodののち、患者は1:1にランダムにフェヴィピプラント225mg1日2回経口投与あるいはプラセボに割り付けられた。12週治療期間を経て、6週間のプラセボによるウォッシュアウト期間を設けた。プライマリアウトカムは、喀痰好酸球比率のベースラインから治療後12週までの変化とし、ITT解析で評価した。一度でも試験薬を投与されたすべての患者は安全性解析を実施された。

結果:
 2012年2月10日から2013年1月30日までの間、61人の患者がランダムにフェヴィピプラント(30人)あるいはプラセボ(31人)に割り付けられた。フェヴィピプラント群の3人の患者とプラセボ群の4人の患者が喘息発作のため試験中止となった。フェヴィピプラント群の2人がプラセボを不適切に投与された。ベースラインから治療後12週までの間で、喀痰好酸球比率はフェヴィピプラント群で有意に減少した(フェヴィピプラント群:5.4% [95%信頼区間3.1–9.6]→1.1% [95%信頼区間0.7–1.9]、プラセボ群4.6%[95%信頼区間2.5–8.7]→3.9%[95%信頼区間2.3–6.7])。ベースラインと比較して、平均喀痰好酸球比率はフェヴィピプラント群で4.5倍減少した(プラセボ群との差:3.5倍、95%信頼区間1.7-7.0、p=0.0014)。フェヴィピプラント群の安全性プロファイルは良好で、治療関連死や重篤な有害事象は観察されなかった。

結論:
 フェヴィピプラントは遷延性の中等症~重症喘息患者の好酸球性気道炎症を抑え、忍容性も良好であった。


by otowelt | 2016-08-26 00:51 | 気管支喘息・COPD