カテゴリ:気管支喘息・COPD( 440 )

農家に住む小児は、多種多様な微生物曝露のため喘息リスクが低くなる

個人的には、喘息を発症してしまった子供を『療養のため』ということで
田舎に連れて行くのは意味があるのかどうかを知りたい。

Exposure to Environmental Microorganisms and Childhood Asthma
N Engl J Med 2011;364:701-9.


背景:
 農場には多くの微生物がいるが、これに曝露される環境で育った小児は、
 小児喘息やアトピーになりにくいとされている。すでに
 微生物曝露マーカーとこれらアレルギー疾患とに逆相関があるとわかっている。

方法:
 2つの断面研究、農家で生活している小児とコントロール群の小児との間で、
 喘息とアトピーの有病率と、微生物曝露の多様性(diversity)を比較。
 PARSIFAL試験は、マットレスダストのサンプルを用いて
 培養法では測定できない環境細菌を検出するべく一本鎖DNA構造多型解析に
 より細菌のDNAをスクリーニング。GABRIELA試験では、小児の部屋から
 採取した沈積ダストのサンプルを使用して、培養法により
 細菌・真菌分類群をアセスメント。

結果:
 2つの研究の両方ともが、農家で生活している小児はコントロール群の小児と比べ
 喘息とアトピーの有病率が低く、多くの環境微生物に曝露されていた。
 この微生物曝露の多様性は、喘息のリスクと逆相関があった
 (PARSIFAL:OR0.62,95%CI 0.44~0.89、GABRIELA:OR0.86、
 95% CI 0.75~0.99)。サブ解析において、個々の微生物に関しては
 ユーロチウム属の種への曝露(補正OR 0.37,95% CI 0.18~0.76)、
 Listeria monocytogenesBacillus属・Corynebacterium
 への曝露(補正OR 0.57,95% CI 0.38~0.86)であった。
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結論:
 農家の小児は、コントロール群の小児よりも多種多様な微生物に曝露されている。
 喘息リスクと農家で育つことの逆相関関係は、この微生物曝露によって説明できる。

by otowelt | 2011-02-25 05:52 | 気管支喘息・COPD

アセトアミノフェンを服用している思春期の若者は、喘息、鼻炎、湿疹に罹るリスクが高い

アセトアミノフェンがCOX-1阻害作用があるために
高用量の場合に喘息のリスクとなるのは有名であるが、
小児のアセトアミノフェン使用が、喘息罹患のリスクファクターになるのか
どうかは長い間議論を呼んでいる。

小児の発熱に対して用いられているアセトアミノフェンが喘息の危険因子になることは
既にLancetで報告されている。72ヶ国が参加した
このInternational Study of Asthma and Allergy in Childhood (ISAAC)試験で、
1歳時にパラセタモールを投与すると、6から7歳で喘息を発症するリスクが
1.46倍と報告されている。ただ、交絡因子と研究デザイン想起バイアスが指摘されていた。
Association between paracetamol use in infancy and childhood, and risk of asthma, rhinoconjunctivitis, and eczema in children aged 6–7 years: analysis from Phase Three of the ISAAC programme. Lancet 2008;372:1039–1048.

ただ、BMJからはその関連性は否定的であった。
呼吸器感染による交絡因子を除外して補正した場合、喘息の罹患リスクのORは
0.96倍(crude odds ratio 0.95, 0.81 to 1.12)であった。
Paracetamol use in early life and asthma: prospective birth cohort study. BMJ 2010; 341:c4616

今回、ISAAC試験を受けた論文がAJRCCMから出た。
過去に論文データは全て発表されていたが、正式に出版されたのが今回である。
結論としては、アセトアミノフェンも喘息リスクとなりうるが使う場合は慎重に
使わないといけない、ということだろう。

Acetaminophen Use and Risk of Asthma,Rhinoconjunctivitis, and Eczema in Adolescents International Study of Asthma and Allergies in Childhood Phase Three
Am J Respir Crit Care Med Vol 183. pp 171–178, 2011


背景:
 アセトアミノフェンが喘息の罹患リスクを上昇させることはすでに疫学的研究から
 わかっていることである(断言しましたね)

目的:
 現在アセトアミノフェンを使用している13~14歳の小児に対して
 世界的に喘息あるいは他のアレルギー疾患のリスクの評価をおこなった。

方法:
 第III相ISAAC試験の部分的なデータとして、13~14歳の小児で
 筆記あるいはビデオによるアンケートで、現在の喘息症状、
 鼻結膜炎、湿疹のデータが得られた。また、筆記による
 環境的なアンケートをISAAC調査用紙で施行。

結果:
 プライマリアウトカムは現在のアセトアミノフェン使用による喘息症状
 のオッズ比とした。322959の小児(50ヶ国、113施設)が参加した。
 多変量解析では、最近のアセトアミノフェン使用は
 その曝露による喘息症状の悪化と関連
 (年に1回OR, 1.43 95%CI,1.33–1.53、1ヶ月に1回2.51 95%CI 2.33–2.70)。
 アセトアミノフェン使用は、曝露による鼻結膜炎と湿疹の症状も
 増悪させていた。
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結論:
 アセトアミノフェン使用は、喘息、鼻結膜炎、湿疹の増悪の
 重要なリスクファクターであると考えられる。

by otowelt | 2011-01-19 12:01 | 気管支喘息・COPD

アレルギー性喘息患者にオマリズマブを加えることの安全性についてのシステマティックレビュー

難治性喘息患者が多いので、ゾレアはたまに処方する。
FDA、6-11歳小児への使用を承認すべきでないとしている。
・Treatment of childhood asthma with anti-immunoglobulin E antibody (omalizumab). Pediatrics. 2001 ; 108 (2): E36.
・Omalizumab for the treatment of exacerbations in children with inadequately controlled allergic (IgE-mediated) asthma. J Allergy Clin Immunol. 2009 ; 124 (6): 1210 - 1216.


CHESTから、小児から成人までを含んだシステマティックレビュー。

Effi cacy and Safety of Subcutaneous Omalizumab vs Placebo as Add-on Therapy to Corticosteroids for Children and Adults With Asthma.A Systematic Review
CHEST 2011; 139(1):28–35


背景:
 オマリズマブは、重症のアレルギー性喘息において使用される
 ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体である。マリズマブは免疫に作用する薬剤であるため
 その安全性については注目されてきた。

方法:
 オマリズマブの皮下注をステロイド治療に加えることの安全性について
 プラセボと比較した臨床試験のシステマティックレビューを作成する。
 このレビューのプライマリアウトカムは、喘息発作におけるステロイド使用の減少とする。
 セカンダリアウトカムは、呼吸機能、レスキュー屯服使用、喘息症状、健康関連QOL、
 副作用とする。

結果:
 8の臨床試験、3428の参加者が選択基準に該当した。
 ステロイドを減量する過程において、プラセボと比べると
 オマリズマブ群はより完全な形で減量をおこなうことができた。
 (relative risk [RR] =1.80; 95% CI,1.42-2.28; P= .00001)
 オマリズマブを使用した患者は安定期後の喘息発作のリスクを減らし
 (RR=0.57; 95% CI, 0.48-0.66; P=.0001)
 ステロイド調整中においてもそのリスクを減らした
 (RR=0.55; 95% CI, 0.47-0.64; P=.0001)。
 post-hoc検定では、この効果は治療期間や年齢、喘息重症度、バイアスリスクとは
 独立していた。重篤な副作用の頻度は両群とも同等であった(3.8% vs 5.3%)。
 しかしながら、注射部位の反応は、オマリズマブ群で有意に多かった
 (19.9% vs 13.2%)。
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結論:
 中等症から重症のアレルギー性喘息患者においてオマリズマブを
 加えることの安全性は容認できる。

by otowelt | 2011-01-06 13:00 | 気管支喘息・COPD

10代の若者における喫煙と喘息の関係

スタディの結果よりも、16~17歳の男性5.7%、女性11.4%が
喫煙しているという結果の方が驚いた。今の世の中、そんなもんか?

Both environmental tobacco smoke and personal smoking is related to asthma and wheeze in teenagers.
Thorax 2011;66:20-25


背景:
 受動喫煙:Environmental tobacco smoke (ETS) は
 小児喘息にとって有意なリスクファクターである。
 成人にとっては、個人的な喫煙は呼吸器症状や呼吸器疾患に
 関連するとされている。ただ、これらの喫煙が10代の若者の
 喘息の有病率あるいはwheezeの頻度に影響するかどうかはまだよくわかっていない。

目的:
 このスタディの目的は、ETSと個人的な喫煙が10代の若者の
 喘息の頻度とwheezeの頻度にどう影響するかを調べるものである。

方法:
 1996年から北部スウェーデンで施行された縦断的研究である。
 喘息あるいはアレルギー性疾患のある7~8歳の小児で
 3430人が年次ごとの質問票でフォローアップされた。
 16~17歳となった2005年になって、82%の参加者を解析した。

結果:
 母からのETSに曝露された場合、内科医診断の喘息・wheezeについては
 有意に高くみられた。多変量解析においても、母からのETSは
 喘息あるいはever wheezeのリスクだった(OR 1.3-1.5)。
 個人的に毎日喫煙している場合、current wheeze のリスクだった(OR 2.0)。
 いずれもの曝露を受けている場合、喘息はOR1.7、ever wheezeはOR2.5。
 ※ever wheezeの定義:以下の質問にyesと答えたもの
 ・Have You ever had wheezing or whistling
       in the chest at any time in the past?
 ※current wheezeの定義:以下の質問にyesと答えたもの
 ・Have You had wheezing or whistling in the chest in the last 12 months?’
 ・In the last 12 months, has Your chest sounded wheezy during
    or after exercise?
 ・In the last 12 months, have You had wheezing
    or whistling in the chest without having a cold?
 あるいは以下の質問に1つ以上該当したもの
 ・How many attacks of wheezing have You had in the last 12 months?
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結論:
 ETSと個人的な喫煙は、10代の若者の喘息およびwheezeの頻度に
 有意に関連している。母体からのETS曝露もそうだが、
 毎日喫煙しているような若者はより強く喘息症状に影響を与える。

by otowelt | 2010-12-15 12:59 | 気管支喘息・COPD

急性の喘息発作に対して、経口モンテルカストはPEFを改善

喘息発作に対するロイコトリエン拮抗薬はあまり脚光を浴びないが、
静脈内投与でFEV1を改善することは過去に報告されている。
・A randomized controlled trial of intravenous montelukast in acute asthma.
Am J Respir Crit Care Med 2003;167:528-33.
・Zafirlukast treatment for acute asthma: evaluation in a randomized, double-blind, multicenter trial.
Chest 2004;126:1480-9.


急性喘息発作に対するモンテルカストの研究がThoraxから出ている。
そろそろ論文も2011年の号に変わってきた。

Oral montelukast in acute asthma exacerbations: a randomised, double-blind, placebo-controlled trial.
Thorax 2011;66:7-11


背景:
 ロイコトリエン受容体拮抗拮抗薬は、慢性の喘息患者においての
 役割が確立されているが、急性の喘息発作に対しての効果はよくわかっていない。

方法:
 87人の成人で急性喘息発作で入院が必要な症例を、モンテルカスト10mgと
 プラセボにランダムに割り付け4週間毎日夜内服をしてもらった。
 すべての患者は呼吸器内科のコンサルタントを受けたケアの
 もと入院としており、BTSガイドラインに準じた治療を受けている
 ものとする。プライマリエンドポイントは、ピークフロー(PEF)の差とした。

結果:
 プライマリエンドポイントが測定できたのは73人であった。モンテルカスト群
 (n=37)は、平均(±SD)PEFが227.6(±56.9) l/min (47.6% predicted)で、
 プラセボ群(n=36) は、240.3 (±99.8) l/min(49.6% predicted)だった。
 入院後の翌朝のPEFはモンテルカスト群で
 389.6(±109.7) l/min (81.4% predicted)、プラセボ群で
 332.3(±124.9) l/min (69.8% predicted) であった(p=0.046)。
 PEF平均差は57.4 l/min (95% CI 1.15 to 113.6 l/min or1.95-21.2% predicted)。

結論:
 急性の喘息発作に対して、経口モンテルカストを加えることは
 入院翌朝のPEFを有意に改善する。

by otowelt | 2010-12-15 06:01 | 気管支喘息・COPD

COPD患者への吸入ステロイド、喘息患者への吸入抗コリン薬はCAPのリスク

吸入薬とCAPのリスクについて調べた論文がERJから出た。

inhaled drugというのが吸入”ドラッグ”のことかと勘違い
しそうになったが、ちゃんとした吸入薬のことだった。

Inhaled drugs as risk factors for communityacquired pneumonia
Eur Respir J 2010; 36: 1080–1087


吸入薬がCAPへ及ぼす影響はよくわかっていない。
このケースコントロールスタディは、吸入薬がCAPのリスク
になるかどうかを調べたものである。
COPD患者において、吸入ステロイドはOR 3.26 (95% CI 1.07–9.98)、
喘息患者において、吸入抗コリン薬は OR 8.80 (95% CI 1.02–75.7)であった。
β2刺激薬はCAPとは関連性はみられなかった。
すなわち、吸入ステロイドはCOPD患者においてCAPを誘発するリスク
があり、喘息患者では吸入抗コリン薬がそのリスクとなる可能性がある。

by otowelt | 2010-11-05 22:17 | 気管支喘息・COPD

COPD急性増悪における抗菌薬はプロカルシトニン値が低い方が恩恵を受けやすい

なぜプロカルシトニンが細菌感染の有無に関係なく同等なのだろう???
と思ったが、あくまでプロカルシトニンは高値のときに
細菌感染のリスクが高いという指標になるのであって、
細菌感染があるからといって高いわけではないということか。
昨今話題の”プロカルシトニン至上主義”治療という流れに
ストップをかけるようなスタディだ。

2007年のCHESTの論文がCOPDにおけるプロカルシトニンで有名である。
Antibiotic treatment of exacerbations of COPD: a randomized, controlled trial comparing procalcitonin-guidance with standard therapy. Chest . 2007 ; 131: 9 - 19

本スタディでは、forest plotでday10の時に
プロカルシトニン低値およびCRP高値のときにドキシサイクリンの
効果が有意にみられているという結果であった。
っていうか、なんでドキシサイクリンやねん。

Procalcitonin vs C-Reactive Protein as Predictive Markers of Response to Antibiotic Therapy in Acute Exacerbations of COPD
CHEST 2010; 138(5):1108–1115


背景:
 COPD急性増悪(AECOPD)に対する論理的な抗菌薬処方に
 予測できるマーカーが望ましい。われわれは、全身性炎症反応マーカーを用いる
 ことで、この抗菌薬の反応を予測できるかどうか解析した。

方法:
 243のCOPD急性増悪の患者のデータから205人を抽出し
 ドキシサイクリン+コルチコステロイドとプラセボ+コルチコステロイド群に
 割りつけた。臨床的および微生物学的な反応、血清CRPレベル、
 血清プロカルシトニン値が測定された。

結果:
 増悪患者のうち58%に微生物学的な原因が同定された。
 われわれは、プロカルシトニンとCRPに相関を見出した( r=0.46, P<.001)。
 75%の患者はプロカルシトニンレベルが低く、多くはCRPが上昇していた。
 CRP上昇は細菌感染の存在で有意に増えたが、プロカルシトニンは細菌感染
 の有無にかかわらず同等であった。
 ドキシサイクリンはプロカルシトニンが0.1未満の患者で有意に効果を発揮した
 (treatment effect, 18.4%; P=.003)。
 CRPが5以下、6~50、50より上に分けると
 治療による効果はそれぞれ6%、10%、18%であった。
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結論:
 このスタディにおいて、AECOPDにおいて
 低いプロカルシトニンレベルでは抗菌薬の恩恵を受けやすい。
 CRPはこういった患者においてさらに有用なマーカーであると考えられる。

by otowelt | 2010-11-05 16:20 | 気管支喘息・COPD

細菌感染はウイルスと同等の小児喘息発作リスクを有する

月始めにしか論文が発表されないので、
月末は読む論文が少ない。

ウイルスと小児喘息の関連は有名である。
・Role of respiratory viruses in acute upper and lower respiratory tract illness in the first year of life: a birth cohort study. Pediatr Infect Dis J 2006;25:680-6.
・Community study of role of viral infections in exacerbations of asthma in 9-11 year old children. BMJ 1995;310:1225-9.
・Rhinovirus illnesses during infancy predict subsequent childhood wheezing. J Allergy Clin Immunol 2005;116:571-7.


ただ、細菌についてはよくわかっていなかったが、
BMJの報告で、ウイルスと同じくらいの増悪因子であることがわかった。

Association of bacteria and viruses with wheezy episodes in young children: prospective birth cohort study. BMJ. 2010 Oct 4;341:c4978. doi: 10.1136/bmj.c4978.

背景:
 コペンハーゲンで喘息の母親から生まれた411例を追跡調査している
 ”コペンハーゲン前向き小児喘息研究”の被験児を対象にした。
 
方法:
 プライマリエンドポイントは、喘鳴発作時の気道に認められた細菌・ウイルスの
 頻度と、定期通院時に呼吸器症状が伴わなかった頻度。
 
結果:
 細菌は361人984検体で解析。ウイルスは299人844検体。
 喘鳴発作は、細菌感染、ウイルス感染いずれとも関連が認められた。
 細菌感染のORは2.9(95%CI1.9~4.3、P<0.001)、ウイルス感染のORは
 2.8(95%CI1.7~4.4、P<0.001)で、それぞれの関連は相互に独立。
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結論:
 細菌感染はウイルスと同等の小児喘息発作リスクを有する

by otowelt | 2010-10-26 09:55 | 気管支喘息・COPD

血清NGALレベルはCOPD患者で有意に高い

Neutrophil Gelatinase-Associated Lipocalin. A Biomarker in COPD
CHEST October 2010 vol. 138 no. 4 888-895


背景:
 好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン
 (Neutrophil gelatinase-associated lipocalin (NGAL))は
 COPDの病態発生に関連するかもしれない抗菌ペプチドである。
 このスタディは、血清NGALレベルをCOPD患者とコントロール群
 において調べた大規模コホート試験である。

方法:
 40~76歳の402人のCOPD患者と229人のコントロール患者を登録。
 (Bergen COPD Cohort Study)
 全てのCOPD患者は1秒率が0.7未満で、予測一秒量が80%未満、
 喫煙歴は10pack-years以上とした。
 血清NGALレベルは酵素イムノアッセイで測定された。
 交絡因子は性別、年齢、喫煙、Charlson合併症スコア、吸入ステロイド、
 好中球数、血清クレアチニン、血清フェリチン、血清CRPで調べた。

結果:
 平均血清NGAL濃度はCOPD患者で75.1±31.8 ng/mL、
 コントロール群で56.5±22.0 ng/mLであった(P<.01)。
 NGALレベルは年齢、喫煙、身体組成、Charlson合併症スコア、
 好中球数、血清クレアチニン、血清CRPとも関連していたが、
 これらの交絡因子の調整後でも、NGALレベルはCOPD患者で有意に上昇。
 COPD急性増悪、低酸素の頻度は高いNGALレベルと関連していた。

結論:
 血清NGALレベルは、COPD患者において有意に高い。

by otowelt | 2010-10-10 09:58 | 気管支喘息・COPD

mild~moderateのCOPDにおいて、バレニクリンは禁煙に有効かつ安全

バレニクリン(チャンピックス)は呼吸器内科医であれば
誰しもが耳にする禁煙薬の代表格なのだが、
あまり使用している先生は多くないように思う。
(もちろんいろいろ理由はあるのだが・・・)

過去に2つのランダム化試験があるが、
呼吸機能検査がなされていなかったり、COPD患者ではない患者も
含まれており、一貫性がないという指摘もしばしばみられていた。
・Varenicline, an α4β2 nicotinic acetylcholine receptor partial agonist, vs sustained-release bupropion and placebo for smoking cessation: a randomized controlled trial. JAMA 2006;296:47-55
・Efficacy of varenicline, an α4β2 nicotinic acetylcholine receptor partial agonist, vs placebo or sustained-release bupropion for smoking cessation: a randomized controlled trial. JAMA 2006;296:56-63


今回CHESTのpublished ahead of printにバレニクリンの
ランダム化試験が掲載されていた。
これも呼吸器内科医必読の論文である。
原稿の状態で全文読むのはめんどくさいので、
出版されてキレイな論文になってから全文読もうと思う。

Effects of Varenicline on Smoking Cessation in Mild-to-Moderate COPD: A Randomized Controlled Trial
Chest; Prepublished online September 23, 2010;


背景:
 喫煙はCOPDとその進行にもっとも大事なリスクファクターである。
 このランダム化試験は、バレニクリンとプラセボを比較することによって
 mild~moderateのCOPDに対する効果と安全性をみた初めての試験である。

方法:
 27施設による二重盲検試験で、504人のmild~moderateのCOPD患者が
 登録した。(気管支拡張薬後 FEV1/FVC<70%および予測FEV1% ≧50%)
 バレニクリン群(N=250)あるいはプラセボ群(N=254) に12週間割り当て。
 その後40週間の非治療期間をフォローアップした。プライマリエンドポイントは
 9~12週の一酸化炭素確認による持続的な禁煙率
 (carbon monoxide-confirmed continuous abstinence rate :CAR)
 とした。セカンダリエンドポイントは9~52週のCARとした。

結果:
 9~12週のCARはバレニクリン群で有意に高かった。
 (42.3% VS 8.8%; OR, 8.40; 95% CI, 4.99–14.14; p<0.0001)であった。
 バレニクリンCARは9~52週においても同様に高かった
 (18.6% vs placebo 5.6%; OR, 4.04; 95% CI, 2.13–7.67; p<0.0001)。
 バレニクリン群では、悪心、悪夢、上部気道感染などの副作用がよくみられた。
 重篤な副作用は両群ともみられなかった。

結論:
 mild~moderateのCOPDにおいて、バレニクリンは
 プラセボよりも禁煙に効果があり安全である。

by otowelt | 2010-09-27 23:09 | 気管支喘息・COPD