カテゴリ:気管支喘息・COPD( 446 )

喫煙は29~39%がCOPDの新規発症と関連する

COPDの疫学的研究。

Risk Factors for Chronic Obstructive Pulmonary Disease in a European Cohort of Young Adults
Am J Respir Crit Care Med Vol 183. pp 891–897, 2011


背景:
 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の早期発症の因子に関する研究は少ない。

目的:
 われわれは、若年成人に対して呼吸機能検査を用いた
 国際コホート試験を実施しCOPDの危険因子を同定いsた。

方法:
 the European Community Respiratory Health Surveyを用いて
 4636人の喘息のない成人で気管支拡張薬使用前のFEV1/FVCを
 測定した1991年~1993年(当時20~44歳)の患者を
 1999年~2002年に解析したスタディである。
 COPDは国際的な基準に鑑みてFEV1/FVCが0.70未満と定義した。
 また、Quanjer and LuftiBus reference equations
 においてFEV1/FVC <正常下限とした。
 COPDの決定因子は、2レベルのPossin回帰モデルを用いて解析された。

結果:
 COPDの頻度は、Quanjer基準で1.85症例/人年、
 global initiative基準で2.88症例/人年であった。
 半数の症例において20pack-yearsを下回った喫煙歴であったが
 喫煙そのものはCOPDの主たるリスクであり、
 フォローアップ中新規発症は29~39%にのぼった。
 気道過敏性は2つ目の強い危険因子であった(15–17% of new cases)。
 他の決定因子として、小児期の家族の喘息歴、性別・年齢・過小体重。

結論:
 COPDは人生の早期の段階で起こりうる。
 喫煙予防は、COPD発症を減らすためには最も優先度が高い。また、
 気道過敏性、家族の喘息、小児期の気道感染はCOPD発症に関与する。
 呼吸機能検査のみで単独的にCOPDを定義するものではないと
 わたしたちは考える。

by otowelt | 2011-04-02 22:13 | 気管支喘息・COPD

サルメテロールよりチオトロピウムのほうがCOPD急性増悪を予防できる

Tiotropium versus Salmeterol for the Prevention of Exacerbations of COPD
N Engl J Med 2011;364:1093-103.


背景:
 COPDのガイドラインにおいて、中等症~最重症の患者の症状緩和と
 急性増悪のリスクを低下させるために、長時間作用型の吸入気管支拡張薬を
 使用することが推奨されている。ただ、長時間作用型抗コリン薬と
 長時間作用型β2刺激薬のどちらがよいかはわかっていない。
 COPD急性増悪の予防の観点において、抗コリン薬チオトロピウムが
 β2刺激薬サルメテロールにまさっているかどうか検証した。

方法:
 ランダム化二重盲検ダブルダミー並行群間比較試験を1年間観察する試験。
 COPDの中等症~最重症で、前年にCOPD急性増悪の既往がある患者を対象にして、
 中等度または高度のCOPD急性増悪の発生に対して、
 チオトロピウム18μg1日1回とサルメテロール50μg1日2回投与の効果を比較。

結果:
 合計7376人をチオトロピウム群(3707 例)とサルメテロール群(3669 例)の
 いずれかにランダムに割り付け。チオトロピウム群ではサルメテロール群に比べて
 初回のCOPD急性増悪までの期間が延長し(187 日 vs 145 日)、リスクが
 17%低下(HR0.83、95%CI 0.77~0.90、P<0.001)。またチオトロピウム群
 において初回のCOPD重症増悪までの期間も延長(HR0.72、
 95% CI 0.61~0.85,P<0.001)、年間の中等度~高度の急性増悪回数も減少
 (0.64 vs 0.72、rate ratio0.89、95% CI 0.83~0.96、P=0.002)。
 また年間の重症のCOPD急性増悪回数も減少した(0.09 vs 0.13、rate ratio0.73
 95% CI 0.66~0.82,P<0.001)。重篤な有害事象の発現と治療中止になった
 有害事象の発現は両群ともに同程度だった。
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結論:
 中等症~最重症のCOPDにおいて、サルメテロールよりチオトロピウムのほうが
 COPD急性増悪の予防に有効である。

by otowelt | 2011-03-24 06:23 | 気管支喘息・COPD

妊娠喘息患者における吸入ステロイドは、胎児副腎機能に影響なし

「妊婦への吸入ステロイドはパルミコートが一番安全」と
研修医時代に教えられた記憶があるが、あまり気にしなくてよいのだろうか。
妊娠喘息において極めて重要なスタディであり、呼吸器内科医・産婦人科医ともに
読んでおきたい論文である。

Fetal Glucocorticoid-regulated Pathways Are Not Affected by Inhaled
Corticosteroid Use for Asthma during Pregnancy
Am J Respir Crit Care Med Vol 183. pp 716–722, 2011


背景:
 現在のところ、吸入ステロイド (ICS) は母親、胎盤、胎児への全身的な影響に
 おけるエビデンスがないにもかかわらず、妊娠中の喘息コントロールとしての
 使用が推奨されている。

目的:
 喘息の妊婦 (n = 156) と喘息のない妊婦(n = 51)において血清
 コルチゾル、エストリオール、コルチコトロピン遊離ホルモンを測定。

方法:
 妊娠のそれぞれのトリメスターにおいて、ICSの使用と投与量を記録し、
 血液検査をおこなった。母体の超音波を18週・30週に施行し
 出生時体重と胎児の性別を記録した。

結果:
 上記母体ホルモンの血清濃度は、喘息の有無により影響を受けなかった。
 ただしICS使用時に用量依存的に、上記は抑制された。
 この結果は胎児性別に依存し、女児を妊娠した際、
 第1トリメスターではICSは母体コルチゾルと逆相関し、
 第2~3トリメスターでは母体のオステオカルシンと逆相関した。
 男児を妊娠したときは、母体のコルチゾル、エストリオール、オステオカルシン
 血清濃度に影響はみられなかったものの、コルチコトロピン遊離ホルモンは
 ICS使用時に第1トリメスターでのみ増加がみられた。
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結論:
 妊娠喘息患者におけるICS使用により、女児を妊娠した時にのみ
 母体の糖質コルチコイド系に影響を生じる。
 ただし、男児および女児の両方の妊娠において、胎児副腎機能は
 影響を受けなかった。ICSは胎児期において糖質コルチコイド系に
 影響を与えないという結果となったが、これはすなわち
 胎児の成長・発達に悪影響を与えないものと考えられる。

by otowelt | 2011-03-22 04:25 | 気管支喘息・COPD

都市部に居住する小児・青年・若年成人の喘息症状の改善にオマリズマブは有用

季節性ピークを抑制できているのが驚きだ。

Randomized Trial of Omalizumab(Anti-IgE)for Asthma in Inner-City Children
N Engl J Med 2011; 364 : 1005-1015


背景:
 都市部に居住する小児は、アレルゲンへの曝露および感作が喘息重症度に
 多大な影響を及ぼすことがわかっている。よりよいコントロールをおこなうためには
 環境改善、ガイドライン治療だけでは限界がある。

方法:
 都市部に居住する小児・青年・若年成人で、持続性喘息を有するものを
 複数の施設でランダム化二重盲検プラセボ対照比較試験に登録。
 ガイドライン治療にオマリズマブを追加した場合の有効性をプラセボと比較。
 試験は60週行い、プライマリエンドポイントは喘息症状とした。

結果:
 ランダム化した419例(ランダム化時点で73%が中等~重症)のうち
 オマリズマブ群はプラセボ群と比べ2週あたりの喘息症状発現日数が
 1.96 日から1.48 日に有意に減少した(24.5%、P<0.001)。
 オマリズマブ群では、1回以上の喘息発作増悪をきたした患者の割合が
 48.8%から30.3%へと低下した(P<0.001)。
 オマリズマブ群において、吸入ステロイド薬と長時間作用型β刺激薬使用が
 減少したにもかかわらず、喘息症状の改善がみられた。
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結論:
 都市部に居住する小児・青年・若年成人に対して、ガイドライン治療に
 オマリズマブを追加することで喘息コントロールが改善、増悪の季節性ピークが
 概ね消失した。また、コントロール達成においてその他薬剤の必要性が低下した。

by otowelt | 2011-03-20 13:18 | 気管支喘息・COPD

HRCTにおける間質性陰影は、全肺気量の減少と肺気腫率の低下に関連

ILDとCOPDとの関連に重要な報告となるだろう。

Lung Volumes and Emphysema in Smokers with Interstitial Lung Abnormalities
N Engl J Med 2011; 364:897-906


背景:
 喫煙は、気腫とレントゲン上の間質性肺異常陰影に関連する。
 間質性の胸部異常陰影がどのくらい全肺気量の減少と肺気腫の範囲に
 関連するのかよくわかっていない。

方法:
 喫煙者(コホート)で撮影されたHRCT2508件中2416件(96%)で
 間質性の陰影があるかどうかを検索した。線形回帰とロジスティック回帰を
 使用して、間質性陰影とおよびHRCT による全肺気量・肺気腫の測定との
 関連をアセスメントした。

結果:
 HRCT2416件中194件(8%)に間質性陰影がみられた。関連する共変量
 (relevant covariates)で補正した統計学的モデルにおいて、間質性陰影は
 全肺気量の減少(-0.444 L、95%CI -0.596~-0.292、P<0.001)と
 CT 値の閾値-950HU(-3%、95% CI -4~-2、P<0.001)、
 -910HU(-10%、95% CI -12~-8、P<0.001)によって定義された
 ”気腫率”の低下に関連。間質性陰影がない患者と比べて異常陰影が
 あった患者では、拘束性換気障害の割合が高く(OR2.3、95% CI 1.4~3.7、
 P<0.001)、COPD診断基準を満たす頻度が少なかった
 (OR0.53、95% CI 0.37~0.76、P<0.001)。
 間質性の肺の陰影は、たばこ受動喫煙の増加と現喫煙状況の双方ともに
 正の相関がみられた。
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結論:
 喫煙者でHRCT12件あたり1件にみられると思われる間質性の肺の陰影は
 全肺気量の減少と肺気腫率の低下に関連する。

by otowelt | 2011-03-11 06:01 | 気管支喘息・COPD

気管支喘息における吸入ステロイドは、肺炎のリスクを増加させない

気管支喘息に対する吸入ステロイドが
肺炎のリスクを上昇させるか検証したメタアナリシス。
”アストラゼネカ社”と銘打っているのがすごく気になる。

過去にCOPDにおいて、肺炎リスク上昇が示唆されている。
Inhaled corticosteroid usein chronic obstructive pulmonary disease and the risk of hospitalizationfor pneumonia. Am J Respir Crit Care Med 2007;176:162–166.

COPDにおいて吸入ステロイドが感染のリスクになりうる原因として、
COPDは下気道に、細菌のコロナイゼーションが多いからと考えられている。
Bacterial infection in chronic obstructive pulmonary disease. A study of stable and exacerbated outpatients using the protected specimen brush. Am J Respir Crit Care Med 1995;152:1316–1320.

以下、今回の論文。
Risks of Pneumonia in Patients with Asthma Taking Inhaled Corticosteroids
Am J Respir Crit Care Med Vol 183. pp 589–595, 2011


背景:
 吸入ステロイド(ICS)は、喘息治療の主幹である。COPDにおける
 スタディで、ICSにより肺炎を増加させるとの研究があった。そのため、
 気管支喘息におけるICSで肺炎のリスクが増加するのかどうか関心がある。

目的:
 気管支喘息に対してICSを受けている患者の肺炎リスクを評価する。

方法:
 ICSブデソニドを喘息に対して受けている患者をレトロスペクティブに解析。
 プライマリデータに登録された臨床試験は、すべて二重盲検プラセボ対照試験で
 最低でも3ヵ月以上ブデソニドを含むICSを受けているものとした。
 (26試験/ブデソニド:9097人、比較:5926人)
 スポンサーはアストラゼネカ社とした。
 セカンダリデータに登録された臨床試験は、
 最低3ヵ月以上の条件は変わらないが、プラセボ対照群がないものとした。
 (60試験/ブデソニド33496人、フルチカゾン2773人)
 Cox比例ハザード回帰モデルがICSの肺炎への副作用あるいは重大な副作用の
 効果への相対リスクを評価するために用いられた。

結果:
 肺炎の副作用がみられたのは、プライマリデータにおいて0.5%
 (rate 10.0 events/1,000 patient-years [TPY]) for budesonide and
 1.2% (19.3 per TPY) for placebo (HR 0.52; 95%CI 0.36–0.76; P < 0.001)
 重大な肺炎の副作用がみられたのは0.15%(2.9 per TPY) for budesonide and
 0.13% (2.1 per TPY) for placebo (HR 1.29; 95%CI 0.53–3.12; P = 0.58)。
 セカンダリデータにおいて、肺炎の副作用は0.70% (12.7 per TPY)、重大な肺炎
 の副作用は0.17% (3.1 per TPY)であった。
 ブデソニド高用量においても、あるいはブデソニドとフルチカゾンの両方の
 場合においても肺炎リスク上昇はみられなかった。

結論:
 気管支喘息患者において、ブデソニドを使用した臨床試験における  
 肺炎あるいは重大な肺炎のリスク上昇はない。

by otowelt | 2011-03-07 14:36 | 気管支喘息・COPD

農家に住む小児は、多種多様な微生物曝露のため喘息リスクが低くなる

個人的には、喘息を発症してしまった子供を『療養のため』ということで
田舎に連れて行くのは意味があるのかどうかを知りたい。

Exposure to Environmental Microorganisms and Childhood Asthma
N Engl J Med 2011;364:701-9.


背景:
 農場には多くの微生物がいるが、これに曝露される環境で育った小児は、
 小児喘息やアトピーになりにくいとされている。すでに
 微生物曝露マーカーとこれらアレルギー疾患とに逆相関があるとわかっている。

方法:
 2つの断面研究、農家で生活している小児とコントロール群の小児との間で、
 喘息とアトピーの有病率と、微生物曝露の多様性(diversity)を比較。
 PARSIFAL試験は、マットレスダストのサンプルを用いて
 培養法では測定できない環境細菌を検出するべく一本鎖DNA構造多型解析に
 より細菌のDNAをスクリーニング。GABRIELA試験では、小児の部屋から
 採取した沈積ダストのサンプルを使用して、培養法により
 細菌・真菌分類群をアセスメント。

結果:
 2つの研究の両方ともが、農家で生活している小児はコントロール群の小児と比べ
 喘息とアトピーの有病率が低く、多くの環境微生物に曝露されていた。
 この微生物曝露の多様性は、喘息のリスクと逆相関があった
 (PARSIFAL:OR0.62,95%CI 0.44~0.89、GABRIELA:OR0.86、
 95% CI 0.75~0.99)。サブ解析において、個々の微生物に関しては
 ユーロチウム属の種への曝露(補正OR 0.37,95% CI 0.18~0.76)、
 Listeria monocytogenesBacillus属・Corynebacterium
 への曝露(補正OR 0.57,95% CI 0.38~0.86)であった。
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結論:
 農家の小児は、コントロール群の小児よりも多種多様な微生物に曝露されている。
 喘息リスクと農家で育つことの逆相関関係は、この微生物曝露によって説明できる。

by otowelt | 2011-02-25 05:52 | 気管支喘息・COPD

アセトアミノフェンを服用している思春期の若者は、喘息、鼻炎、湿疹に罹るリスクが高い

アセトアミノフェンがCOX-1阻害作用があるために
高用量の場合に喘息のリスクとなるのは有名であるが、
小児のアセトアミノフェン使用が、喘息罹患のリスクファクターになるのか
どうかは長い間議論を呼んでいる。

小児の発熱に対して用いられているアセトアミノフェンが喘息の危険因子になることは
既にLancetで報告されている。72ヶ国が参加した
このInternational Study of Asthma and Allergy in Childhood (ISAAC)試験で、
1歳時にパラセタモールを投与すると、6から7歳で喘息を発症するリスクが
1.46倍と報告されている。ただ、交絡因子と研究デザイン想起バイアスが指摘されていた。
Association between paracetamol use in infancy and childhood, and risk of asthma, rhinoconjunctivitis, and eczema in children aged 6–7 years: analysis from Phase Three of the ISAAC programme. Lancet 2008;372:1039–1048.

ただ、BMJからはその関連性は否定的であった。
呼吸器感染による交絡因子を除外して補正した場合、喘息の罹患リスクのORは
0.96倍(crude odds ratio 0.95, 0.81 to 1.12)であった。
Paracetamol use in early life and asthma: prospective birth cohort study. BMJ 2010; 341:c4616

今回、ISAAC試験を受けた論文がAJRCCMから出た。
過去に論文データは全て発表されていたが、正式に出版されたのが今回である。
結論としては、アセトアミノフェンも喘息リスクとなりうるが使う場合は慎重に
使わないといけない、ということだろう。

Acetaminophen Use and Risk of Asthma,Rhinoconjunctivitis, and Eczema in Adolescents International Study of Asthma and Allergies in Childhood Phase Three
Am J Respir Crit Care Med Vol 183. pp 171–178, 2011


背景:
 アセトアミノフェンが喘息の罹患リスクを上昇させることはすでに疫学的研究から
 わかっていることである(断言しましたね)

目的:
 現在アセトアミノフェンを使用している13~14歳の小児に対して
 世界的に喘息あるいは他のアレルギー疾患のリスクの評価をおこなった。

方法:
 第III相ISAAC試験の部分的なデータとして、13~14歳の小児で
 筆記あるいはビデオによるアンケートで、現在の喘息症状、
 鼻結膜炎、湿疹のデータが得られた。また、筆記による
 環境的なアンケートをISAAC調査用紙で施行。

結果:
 プライマリアウトカムは現在のアセトアミノフェン使用による喘息症状
 のオッズ比とした。322959の小児(50ヶ国、113施設)が参加した。
 多変量解析では、最近のアセトアミノフェン使用は
 その曝露による喘息症状の悪化と関連
 (年に1回OR, 1.43 95%CI,1.33–1.53、1ヶ月に1回2.51 95%CI 2.33–2.70)。
 アセトアミノフェン使用は、曝露による鼻結膜炎と湿疹の症状も
 増悪させていた。
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結論:
 アセトアミノフェン使用は、喘息、鼻結膜炎、湿疹の増悪の
 重要なリスクファクターであると考えられる。

by otowelt | 2011-01-19 12:01 | 気管支喘息・COPD

アレルギー性喘息患者にオマリズマブを加えることの安全性についてのシステマティックレビュー

難治性喘息患者が多いので、ゾレアはたまに処方する。
FDA、6-11歳小児への使用を承認すべきでないとしている。
・Treatment of childhood asthma with anti-immunoglobulin E antibody (omalizumab). Pediatrics. 2001 ; 108 (2): E36.
・Omalizumab for the treatment of exacerbations in children with inadequately controlled allergic (IgE-mediated) asthma. J Allergy Clin Immunol. 2009 ; 124 (6): 1210 - 1216.


CHESTから、小児から成人までを含んだシステマティックレビュー。

Effi cacy and Safety of Subcutaneous Omalizumab vs Placebo as Add-on Therapy to Corticosteroids for Children and Adults With Asthma.A Systematic Review
CHEST 2011; 139(1):28–35


背景:
 オマリズマブは、重症のアレルギー性喘息において使用される
 ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体である。マリズマブは免疫に作用する薬剤であるため
 その安全性については注目されてきた。

方法:
 オマリズマブの皮下注をステロイド治療に加えることの安全性について
 プラセボと比較した臨床試験のシステマティックレビューを作成する。
 このレビューのプライマリアウトカムは、喘息発作におけるステロイド使用の減少とする。
 セカンダリアウトカムは、呼吸機能、レスキュー屯服使用、喘息症状、健康関連QOL、
 副作用とする。

結果:
 8の臨床試験、3428の参加者が選択基準に該当した。
 ステロイドを減量する過程において、プラセボと比べると
 オマリズマブ群はより完全な形で減量をおこなうことができた。
 (relative risk [RR] =1.80; 95% CI,1.42-2.28; P= .00001)
 オマリズマブを使用した患者は安定期後の喘息発作のリスクを減らし
 (RR=0.57; 95% CI, 0.48-0.66; P=.0001)
 ステロイド調整中においてもそのリスクを減らした
 (RR=0.55; 95% CI, 0.47-0.64; P=.0001)。
 post-hoc検定では、この効果は治療期間や年齢、喘息重症度、バイアスリスクとは
 独立していた。重篤な副作用の頻度は両群とも同等であった(3.8% vs 5.3%)。
 しかしながら、注射部位の反応は、オマリズマブ群で有意に多かった
 (19.9% vs 13.2%)。
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結論:
 中等症から重症のアレルギー性喘息患者においてオマリズマブを
 加えることの安全性は容認できる。

by otowelt | 2011-01-06 13:00 | 気管支喘息・COPD

10代の若者における喫煙と喘息の関係

スタディの結果よりも、16~17歳の男性5.7%、女性11.4%が
喫煙しているという結果の方が驚いた。今の世の中、そんなもんか?

Both environmental tobacco smoke and personal smoking is related to asthma and wheeze in teenagers.
Thorax 2011;66:20-25


背景:
 受動喫煙:Environmental tobacco smoke (ETS) は
 小児喘息にとって有意なリスクファクターである。
 成人にとっては、個人的な喫煙は呼吸器症状や呼吸器疾患に
 関連するとされている。ただ、これらの喫煙が10代の若者の
 喘息の有病率あるいはwheezeの頻度に影響するかどうかはまだよくわかっていない。

目的:
 このスタディの目的は、ETSと個人的な喫煙が10代の若者の
 喘息の頻度とwheezeの頻度にどう影響するかを調べるものである。

方法:
 1996年から北部スウェーデンで施行された縦断的研究である。
 喘息あるいはアレルギー性疾患のある7~8歳の小児で
 3430人が年次ごとの質問票でフォローアップされた。
 16~17歳となった2005年になって、82%の参加者を解析した。

結果:
 母からのETSに曝露された場合、内科医診断の喘息・wheezeについては
 有意に高くみられた。多変量解析においても、母からのETSは
 喘息あるいはever wheezeのリスクだった(OR 1.3-1.5)。
 個人的に毎日喫煙している場合、current wheeze のリスクだった(OR 2.0)。
 いずれもの曝露を受けている場合、喘息はOR1.7、ever wheezeはOR2.5。
 ※ever wheezeの定義:以下の質問にyesと答えたもの
 ・Have You ever had wheezing or whistling
       in the chest at any time in the past?
 ※current wheezeの定義:以下の質問にyesと答えたもの
 ・Have You had wheezing or whistling in the chest in the last 12 months?’
 ・In the last 12 months, has Your chest sounded wheezy during
    or after exercise?
 ・In the last 12 months, have You had wheezing
    or whistling in the chest without having a cold?
 あるいは以下の質問に1つ以上該当したもの
 ・How many attacks of wheezing have You had in the last 12 months?
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結論:
 ETSと個人的な喫煙は、10代の若者の喘息およびwheezeの頻度に
 有意に関連している。母体からのETS曝露もそうだが、
 毎日喫煙しているような若者はより強く喘息症状に影響を与える。

by otowelt | 2010-12-15 12:59 | 気管支喘息・COPD