カテゴリ:気管支喘息・COPD( 446 )

喘息診断例の33.1%は、現在喘息がない

e0156318_13444039.jpg 呼吸器科医必読であります。
 私は「気道可逆性検査」が日本全国どの病院でも信頼性がある検査と言えるのかどうか、疑問に感じています。検査をオーダーして満足しているドクターも多いはず。
 気道可逆性検査時のSABA吸入は誰がイニシアチブをとっていますか?検査技師?患者さん自身?そのSABA吸入は、本当にしっかりとできていますか?
 以前あるセミナーで「とりあえず、シュッシュっと噴霧すればいいんでしょうか?」と聞いてこられた検査技師さんがおられ、SABA吸入の手技なんて誰も教えてくれないとぼやいていました。

Shawn D. Aaron, et al.
Reevaluation of Diagnosis in Adults With Physician-Diagnosed Asthma
JAMA. 2017;317(3):269-279.


背景:
 喘息は慢性疾患だが、成人喘息の自然寛解率や診断の安定性はよくわかっていない。

方法:
 前向き多施設共同コホート研究がカナダの主要10地域で実施された。ランダムに電話し、過去5年以内に喘息と診断された成人患者を抽出した。長期経口ステロイドを用いている患者、スパイロメトリーを試験できない患者は除外された。どのように喘息診断にいたったのか調べるために診断医から情報を得た。
 1026人の被験者がスクリーニング基準を満たし、701人(68.3%)がこの研究への登録を受容した。全被験者は自宅ピークフロー値・症状モニタリング、スパイロメトリー、気道過敏性検査を受け、これらの被験者は喘息治療薬を4回の受診をかけて漸減されていった()。 フローチャートの如く、現在喘息がないと判断された患者の割合をプライマリアウトカムとした。
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(文献より引用)

結果:
 701人の被験者(平均年齢51±16歳、467人[67%]が女性)のうち、613人が試験を完遂した。喘息の存在が否定されたのは、613人の被験者のうち203人(33.1%、95%信頼区間29.4%-36.8%)だった。12人(2.0%)の被験者は重篤な循環呼吸器系障害があると報告された。
 追加12ヶ月の追跡により、最終的に181人(29.5%、95%信頼区間25.9-33.1%)が喘息のエビデンスなしと判断された。
 現在喘息がないと判断された被験者は、喘息があると判断された被験者と比較すると、初期診断で気流制限を評価されているケースが少なかった(43.8% vs 55.6%, 絶対差11.8%; 95%信頼区間2.1%-21.5%)。

※呼吸器科医として気になるのは次の表。もう少し診断率が高いと思っていたのだが・・・。
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(文献より引用改変)

※現在の喘息の存在を示唆する因子の補正オッズ比
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(文献より引用改変)

結論:
 喘息と診断された成人のうち、現在喘息があると認定されなかった者は33.1%にのぼった。



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by otowelt | 2017-01-19 00:39 | 気管支喘息・COPD

COPD患者に対する気管支鏡の安全性

e0156318_9511053.jpg 特に変わった結果はなさそうです。

Peter Grendelmeier, et al.
Flexible bronchoscopy with moderate sedation in COPD: a case–control study
International Journal of COPD 2017:12 177–187


背景:
 軟性気管支鏡は診断および治療目的での使用が増えている。われわれは、COPD患者において中等度の鎮静を併用した軟性気管支鏡の安全性を調べた。

方法:
 この研究は前向き縦断的症例対照単施設研究であり、1400人の連続患者を登録した。臨床的アセスメントおよび肺機能アセスメントののち、患者はCOPDあるいは非COPDに分類された。プライマリエンドポイントは合併症発生の複合アウトカムとした。

結果:
 合併症の頻度は両群同等であった。COPD患者は鼻あるいは経口エアウェイ挿入の頻度が高かったが、年齢、性別、手技時間で補正すると有意差は消失した。低血圧がもっともよくみられたCOPD患者の合併症だった。Sp2 90%以下の低酸素血症の発生も両群同等であった。しかしながら、COPD患者は平均および最低Sp2が非COPD群よりも低かった。PtcCO2の変化は両群ともに同等であったが、ピークPtcCO2とPtcCO2>45mmHgの時間はCOPD群の方が高かった。患者報告アウトカムは両群同等だった。
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(文献より引用)

結論:
 COPDの有無を問わず、軟性気管支鏡は同等の安全性を有する。



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by otowelt | 2017-01-18 00:35 | 気管支喘息・COPD

重症喘息に対するヌーカラ®とゾレア®の間接比較

e0156318_1736469.jpg  間接比較ですが、ヌーカラ®を推したいのかな、と感じました。


Sarah M. Cockle, et al.
Comparative effectiveness of mepolizumab and omalizumab in severe asthma: An indirect treatment comparison
Rspiratory Medicine, DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.rmed.2016.12.009


背景:
 重症喘息はheterogeneousな疾患である。好酸球増多とアレルギー性の喘息フェノタイプの両方を有する患者は、メポリズマブおよびオマリズマブの治療の適応となりうる。このオーバーラップがみられる喘息集団の治療効果のエビデンスがあれば、臨床意思決定に追加的情報を与えるかもしれない。

方法:
 システマティックレビューと間接的治療比較(ベイズ理論)によって、標準治療にメポリズマブとオマリズマブを上乗せした場合の効果の比較および忍容性を調べた。プライマリ解析に組み込まれた研究は、重症喘息患者における二重盲検ランダム化比較試験とした。2つの集団を調べた:①潜在的に両方のモノクローナル抗体治療に適格基準を満たす集団、②どちらかのモノクローナル抗体治療に適格基準を満たす集団。

結果:
 ①のオーバーラップ集団において、発作の頻度、入院を要する発作の頻度に臨床的に有意な差は観察されなかった。しかし、傾向としてはメポリズマブの方が望ましいと言える(それぞれ率比0.66 [95%確信区間0.37,1.19]; 0.19[0.02,2.32])。②の集団において、メポリズマブ治療は、臨床的に有意な発作の頻度を減らした(率比0.63 [95%確信区間0.45,0.89])ものの、入院を要する発作については有意差はなかった(率比0.58 [95%確信区間0.16,2.13])(それでもメポリズマブの方が良い傾向にあった)。肺機能や忍容性プロファイルに対する影響は両薬剤とも同等であった。

結論:
 限定的なエビデンスと異質性の存在から断言はできないが、重症喘息患者に対するメポリズマブの使用は少なくともオマリズマブと同等の効果を有し忍容性プロファイルは差がみられないと思われる。




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by otowelt | 2017-01-17 00:33 | 気管支喘息・COPD

COPD患者の3分の2が吸入手技不良

e0156318_945442.jpg 65.5%は多いですね。毎日間違った方法で吸入しても、効果は得られません。

Anne C. Melzer, et al.
Patient characteristics associated with poor inhaler technique among a cohort of patients with COPD
Respiratory Medicine DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.rmed.2016.12.011


背景:
 吸入療法はCOPDの薬学的マネジメントに重要である。どのデバイスも最も効果を高めるには独特の手順を踏まねばならず、適切な吸入指導はCOPDマネジメントに欠かせない。

目的:
 COPD患者における吸入手技不良に関連した、患者特性とデバイス特性を調べること。

方法:
 少なくとも1つの吸入薬(pMDI、アドエアディスカス、スピリーバハンディヘラー)を使用しているCOPD患者における横断研究である。ロジスティック回帰モデルを用いて吸入手技不良と関連する因子を同定した。吸入手技不良は、手順における20%以上の誤操作と定義した。

結果:
 688人が適格基準を満たし、全体の65.5%が少なくとも1つのデバイスで吸入手技不良をきたしていた。補正解析において、黒人は吸入手技不良のリスクであった(オッズ比3.25, 95%信頼区間1.86–5.67)。 また、高い教育水準にある患者は吸入手技不良のリスクを減少させた(オッズ比0.35, 95%信頼区間0.17–0.70[商業校/大学中退], オッズ比0.25, 95%信頼区間0.11–0.61[大学卒業以上], p ≤ 0.001 for test of linear trend)。デバイスごとに誤操作の頻度にはばらつきがあったが、pMDIでは頻度が高かった。

結論:
 COPD患者における吸入手技不良はよくみられ、デバイスごとにその頻度が異なっていたものの、人種や教育水準がリスクであった。



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by otowelt | 2017-01-16 00:20 | 気管支喘息・COPD

重症急性細気管支炎に対するヘリオックス吸入療法の有効性

e0156318_13444039.jpg ヘリオックスについては色々調べているので参考になりました。

阿部 世紀ら.
小児重症急性細気管支炎に対するheliox吸入療法パイロットスタディ.
日本集中治療医学会雑誌 Vol. 23 (2016) No. 6 p. 633-640


目的:
 小児の重症急性細気管支炎に対してヘリウム酸素混合ガス(heliox)を吸入させることにより,PICU滞在期間を短縮可能か,heliox吸入療法の安全性とともに前方視的に検討した。

方法:
 2012年11月から2014年12月までに急性細気管支炎の疑いでPICUに入室し,人工呼吸管理を受けた2歳未満の患者に,helioxを投与した(H群)。ヒストリカルコントロールとして,2010年4月から2012年3月までの同様の患者を選択した(C群)。

結果:
 H群は10例,C群11例であった。PICU滞在期間はH群4.7±1.1日,C群8.6±2.8日で,H群が有意に短かった(P<0.005)。同様に気管挿管期間は,H群3.8±1.4日,C群7.6±2.8日で,H群が有意に短かった(P<0.005)。バイタルサイン,血液ガス,血液生化学および血液一般検査に異常変動はなく,有害事象もなかった。

結論:
 Heliox吸入療法は,安全に重症急性細気管支炎患者のPICU滞在期間と気管挿管期間を短縮できる可能性がある。


by otowelt | 2017-01-12 00:55 | 気管支喘息・COPD

妊婦が魚油を摂取すると出生時の持続性喘鳴・喘息リスクが減る

e0156318_13444039.jpg ニュースにもなっていますね。

Hans Bisgaard, et al.
Fish Oil–Derived Fatty Acids in Pregnancy and Wheeze and Asthma in Offspring
N Engl J Med 2016; 375:2530-2539


背景:
 n–3系長鎖多価不飽和脂肪酸(LCPUFA)の摂取不足は、増加している喘鳴性疾患の有病率に寄与している因子と考えられる。われわれは、妊娠女性のn–3系LCPUFA摂取が児の持続性喘鳴および喘息リスクに与える影響を調べた。

方法:
 妊娠24週の女性736人を、n–3系LCPUFA(魚油)を毎日2.4gを摂取する群と、プラセボ(オリーブ油)を摂取する群にランダムに割り付けた。被験者から出生した児でCOPSAC2010コホートを構築して、前向きにフォローアップし、臨床型で分類。割り付けは、フォローアップ期間中初期3年間は担当医に被験者にも知らせず、その後2年間は担当医にのみに知らせなかった。プライマリエンドポイントは持続性喘鳴または喘息とし、セカンダリエンドポイントは下気道感染、喘息増悪、湿疹、アレルギー感作など。

結果:
 被験者から出生した新生児695人を本試験に登録し、全体の95.5%が3年間の二重盲検フォローアップを完遂した。持続性喘鳴または喘息のリスクは、n-3系LCPUFA摂取群で16.9%であったのに対し、プラセボ群では23.7%でだった(ハザード比0.69、95%信頼区間0.49-0.97、P=0.035)。事前に規定したサブグループ解析において、n–3系LCPUFA摂取の持続性の喘鳴と喘息に対する効果は、ランダム化した時のエイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸の血中濃度が試験集団下位3分の1の女性から出生した新生児でもっとも大きかった(摂取群17.5% vs プラセボ群34.1%、ハザード比0.46、95%信頼区間0.25-0.83、P=0.011)。セカンダリエンドポイントについては、n–3系LCPUFA摂取は下気道感染のリスク低下との関連がみられた(31.7% vs 39.1%、ハザード比0.75、95%信頼区間0.58-0.98、P=0.033)。ただし、喘息増悪、湿疹、アレルギー感作については統計学的に有意な関連はなかった。

結論:
 妊娠第3期におけるn–3系LCPUFAの摂取は、出生児の持続性喘鳴または喘息、および下気道感染の絶対リスクの減少に寄与した。

by otowelt | 2017-01-10 00:14 | 気管支喘息・COPD

貧血、CRP高値、酸素療法中のCOPD患者は入院後3ヶ月アウトカム不良

e0156318_9415066.jpg CATスコアの平均がなかなか高い重症度分類B群をイメージした検討です。多変量解析に用いた因子がかなり多いです。

García-Rivero JL, et al.
Risk Factors of Poor Outcomes after Admission for a COPD Exacerbation: Multivariate Logistic Predictive Models.
COPD. 2016 Dec 16:1-6.


背景および方法:
 この研究の目的は、COPDの増悪によって入院した後の予後不良因子を多変量モデルで同定することである。われわれは、多施設共同観察前向き研究を実施した。COPDで入院した患者をその後3ヶ月追跡した。入院時に信頼性のある臨床的因子を選択した。各因子に対して、予後不良アウトカムを予測する最適なカットオフ値をROC曲線を用いて同定した。最終的にステップワイズロジスティック回帰モデルをおこなった。

結果:
 106人のCOPD患者が登録された(平均年齢71.1±9.8歳)。平均%1秒量は45.2%で、平均CATスコアは24.8±7.1点だった。3ヶ月時点で、39人(36.8%)がアウトカム不良と判断された(死亡2.8%、再入院20.8%、新たな増悪13.2%)。ロジスティックモデルに組み込まれた因子は以下の通り:過去の入院既往、%1秒量45%未満、Charlsonスコア3点以上、ヘモグロビン13g/dL未満、PaCO246mmHg以上、フィブリノゲン554g/L以上、CRP45mg/L以上、白血球数9810×109/L未満、膿性痰、長期酸素療法、入院時CATスコア31点以上。
 最終的なモデルでは、ヘモグロビン13g/dL未満(オッズ比2.46、95%信頼区間1.09-6.36)、CRP45mg/L以上(オッズ比2.91、95%信頼区間1.11-7.49)、長期酸素療法(オッズ比3.07, 95%信頼区間1.07-8.82)はアウトカム不良の頻度を上昇させた(82.4%)。CATスコア31点以上を加えると、91.6%まで上昇(AUC = 0.75; p = 0.001)。

結論:
 COPD患者の36.8%が退院後3ヶ月以内のアウトカムが不良で、ヘモグロビン低値、CRP高値がアウトカム不良のリスク因子であった。入院時CATスコア高値は適中率を上昇させた。

by otowelt | 2017-01-04 00:25 | 気管支喘息・COPD

喫煙COPD患者において電子たばこは主観的・客観的COPDアウトカムを改善

e0156318_23175684.jpg よくわからんので私は中立的な立場ですが、電子たばこはいいんだ!という意見も出てきました。

Polosa R, et al.
Evidence for harm reduction in COPD smokers who switch to electronic cigarettes.
Respir Res. 2016 Dec 16;17(1):166.


背景:
 電子たばこ(ECs)は蒸発作用のあるニコチン喫煙のための充電式デバイスである。ニコチンは、喫煙者に対してたばこ消費をなくしたり減らしたりする作用がある。COPDのある喫煙者に対するECの健康的な影響のデータは欠如しており、定期的な使用が主観的および客観的なCOPDアウトカムを改善するかどうかも分かっていない。
 われわれは、ECを補助的に使用したり単独で使用したりしてたばこ消費量をゼロにしたりやめたりしたCOPDと診断された喫煙者の、客観的および主観的な呼吸器系アウトカムの長期的変化を調べた。

方法:
 われわれは、少なくとも2回のフォローアップにおいて定期的なEC毎日使用を報告したCOPD患者を後ろ向きにレビューした。定期的に喫煙しているCOPD患者をリファレンス群と設定した。

結果:
 EC使用者で著明なたばこ消費量の減少がみられた。COPD増悪についても、EC使用群で有意に減少した(フォローアップ1回目:平均2.3±1→1.8±1、p = 0.002、フォローアップ2回目:→平均1.4 ±0.9、p < 0.001)。従来のたばこを使用しつつもECも使用している場合においてもCOPD増悪の有意な減少がみられた。COPD症状および身体活動性はEC群で有意に改善したが、リファレンス群では変化はなかった。

結論:
 COPDを有する喫煙者におけるECの使用は、たばこ消費量を減らし、年間COPD増悪発生だけでなく主観的および客観的COPDアウトカムについても改善をもたらした。

by otowelt | 2016-12-27 00:11 | 気管支喘息・COPD

スピリーバ®は喫煙者喘息にも有効:吸入後短時間での肺機能を検討

e0156318_23175684.jpg 吸入後の短い時間でのLAMAの効果について検証したものです。喫煙者の方が効果は大きいと言えます。

Yoshida M, et al.
Effects of tiotropium on lung function in current smokers and never smokers with bronchial asthma.
Pulm Pharmacol Ther. 2016 Nov 22. pii: S1094-5539(16)30169-9. doi: 10.1016/j.pupt.2016.11.004. [Epub ahead of print]


背景:
 現喫煙者および非喫煙者のICS等で治療されている喘息患者に対する吸入LAMAであるチオトロピウムの肺機能への効果を調査した。

方法:
 われわれは二重盲検プラセボ対照比較試験を実施し、現喫煙者9人・非喫煙者9人にチオトロピウム単回吸入をプラセボとクロスオーバーで吸入してもらった。肺機能はチオトロピウム18μgあるいはプラセボの吸入から1時間後、3時間後、24時間後に測定した。プライマリアウトカムはベースラインからの1秒量変化、セカンダリアウトカムはピークフロー、V50(ブイドット50)、V25(ブイドット25)とした。

結果:
 喘息患者の平均1秒量は喫煙者2590mLで、非喫煙者2220mLだった。平均ICS用量はそれぞれ1208μg/日、1000μg/日だった。プラセボと比較してチオトロピウムの吸入では、3時間後のベースラインからの1秒量の増加がみられた(喫煙者169mL、非喫煙者105mL)。ピークフロー、V50、V25についてもチオトロピウム吸入の方が有意に大きかった。喫煙者の喘息患者の方が1秒量やピークフローの改善が大きい傾向にあったが、統計学的な差は観察されなかった。

結論:
 チオトロピウムは現喫煙者および非喫煙者の喘息の肺機能を改善した。チオトロピウムは気管支喘に対する新しい治療戦略として支持される。

by otowelt | 2016-12-21 00:43 | 気管支喘息・COPD

GALA II研究・SAGE II研究:認識型人種差別と喘息の関連

e0156318_9511160.jpg 言わずもがなの結果ですが、重要なことです。

Neeta Thaku, et al.
Perceived Discrimination Associated with Asthma and Related Outcomes in Minority Youth: The GALA II and SAGE II Studies
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2016.11.027


背景:
 喘息は不釣り合いに一部の集団に影響を与え、人種差別といった精神社会的ストレスと関連している。われわれは、喘息およびコントロール不良喘息を有するアフリカ系アメリカ人およびラテン系若年層における認識型差別(perceived discrimination)の影響について調べた。

方法:
 われわれがアフリカ系アメリカ人(954人)、メキシコ系アメリカ人(1086人)、他のラテン系アメリカ人(522人)、プエルトリコ・アイランダーズ(1025人)の若年者(8~21歳)をGALA II研究およびSAGE II研究から抽出した。喘息は主治医の診断で定義され、喘息コントロールはNHLBIガイドラインで定義された。認識型人種差別は差別経験に対するアンケートを学校、医療機関、公共の場で実施することで拾い上げた。われわれは、認識型差別と喘息アウトカムの関連を調べ、社会経済的ステータス(SES)と世界的にアフリカ人の祖先を持つことがこれらの関連に影響を与えるか調べた。

結果:
 差別経験のあるアフリカ系アメリカ人の小児は、そうした経験のない小児と比較して喘息のオッズ比を78%上昇させた(オッズ比1.78; 95%信頼区間1.33-2.39)。同様に、差別経験のあるアフリカ系アメリカ人の小児は、喘息コントロール不良と関連していた(オッズ比1.97; 95%信頼区間1.42-2.76)。
 これらの関連性はラテン系アメリカ人小児の間には観察されなかった。
 SESは、メキシコ系アメリカ人および他のラテン系アメリカ人において、喘息を有する若年層の間で認識型差別の影響を悪化させた。


結論:
 認識型差別はアフリカ系アメリカ人の若年層で喘息およびコントロール不良喘息のオッズ比を上昇させる。SESはメキシコ系アメリカ人および他のラテン系アメリカ人での喘息を有する若年層の間で認識型差別の影響を増加させた。

by otowelt | 2016-12-20 00:33 | 気管支喘息・COPD