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人工呼吸器関連肺炎の診断においてCEPPISはCPISよりも有効

e0156318_16532358.jpg CPISはVAPの診断においてその感度と特異度の低さが指摘されています。胸部レントゲン写真(radiography)と思って読み進めていたところ、途中で肺エコー(echography)だと気付きました。
 人工呼吸器・気管チューブがからんでいるのかどうかというよりも、どういった菌を想定するのかが最も重要であることは言うまでもありません。 

Giovanni Zagli, et al.
Diagnosis of ventilator-associated pneumonia: a pilot, exploratory analysis of a new score based on procalcitonin and chest echography
Chest. 2014. doi:10.1378/chest.13-2922


背景:
 ICUにおいて人工呼吸器関連肺炎(VAP)の診断をおこなうためには、たとえばCPISといったスコアが有用とされるものの、これは過去の研究において低い診断パフォーマンスであることが指摘されている。そのため、われわれはプロカルシトニンと肺エコーを使用したVAP診断スコア:CEPPIS(Chest Echography and Procalcitonin Pulmonary Infection Score)を考案した。
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(文献より引用:CEPPISスコア)

方法:
 これはイタリアのCareggi University Hospitalにおいて実施されたレトロスペクティブ研究である。患者は2009年1月から2011年12月までの間に救急部からICUへ入室となった者(人工呼吸器装着時間>48時間の患者)を登録した。肺エコーはVAPが疑われた場合に、胸部レントゲン撮影の12時間以内に実施された。微生物学的にVAPと診断された患者(VAP群)あるいは病原菌が検出されなかったコントロール群にレトロスペクティブに分類した。

結果:
 221人の患者が登録され、13人が微生物学的にVAP群と診断され、108人がコントロール群に設定された。VAPの起因菌はMSSA28人、緑膿菌25人、クレブシエラ24人が多かった。多変量解析において外傷によるICU入室はVAPのリスクを上昇させた(オッズ比3.5938)。
 CEPPISスコア>5点の患者は、有意にVAPの存在を予測した(オッズ比23.78, 感度80.5%, 特異度85.2%、陽性的中率85.1%、陰性的中率80.7%、p<0.0001)、これはCPIS>6点よりも精度が高かった(オッズ比3.309、感度39.8%, 特異度83.3%、陽性的中率71.4%、陰性的中率57%、p=0.0002)。また、AUC-ROC解析でもCEPPISはCPISよりも有意に高い診断能であった(AUC 0.829 vs 0.616; P < 0.0001)。
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(文献より引用)

結論:
 この研究によれば、CEPPISはVAPの診断に効果的なスコアリングと考えられる。このスコアがVAP診断に妥当かどうか、前向きの検討が必要であろう。


by otowelt | 2014-09-11 00:55 | 集中治療

担癌の重症患者の感染症ではCRPよりもプロアドレノメデュリンやプロカルシトニンの方が有用

e0156318_22555653.jpg 癌患者さんではCRPやD-ダイマーは上昇していることが多く、想定よりも役に立たないことが多いと言われています。近い将来、プロアドレノメデュリンが日常的に測定されるバイオマーカーになる日がくるかもしれませんね。

Debiane, Labib, et al.
The Utility of Proadrenomedullin and Procalcitonin in Comparison to C-Reactive Protein as Predictors of Sepsis and Bloodstream Infections in Critically Ill Patients With Cancer.
Critical Care Medicine: Post Author Corrections: July 31, 2014


目的:
 われわれは、発熱のある担癌の重症患者においてプロアドレノメデュリンとプロカルシトニンの診断的・予後予測バイオマーカーとしての有用性を調べ、CRPと比較した。

方法:
 単施設プロスペクティブコホート研究。114人の発熱のある担癌患者の重症患者を本研究に登録した。発熱のあった日と4-7日後に血液検査を行い、プロアドレノメデュリン、プロカルシトニン、CRPが測定された。

結果:
 114人の患者のうち、27人が血流感染、36人が局所感染を発症した。残りの患者は感染症は同定されなかった。
 血流感染症の診断に対して、CRPと比較してプロアドレノメデュリン(0.70; 95%信頼区間 0.59-0.82)、プロカルシトニン(0.71; 95%信頼区間 0.60-0.83)のROC曲線下面積は有意に大きかった(それぞれp = 0.021、p = 0.003)。
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(文献より引用:血流感染症の診断・・・離れている2つがプロアドレノメデュリンとプロカルシトニン)

 ROC解析では、発熱発症から2か月以内の患者の死亡を予測する上でプロアドレノメデュリン(p = 0.005)およびプロカルシトニン(p = 0.009)はやはりCRPよりもパフォーマンスが良好であった。抗菌薬治療に反応性のあった患者ではこれらバイオマーカーはすべて値が減少したものの、不応性の患者ではプロアドレノメデュリン値が有意に上昇していた(p < 0.0001)。感染症のあった患者において、抗菌薬反応性を予測する上でプロアドレノメデュリン(0.81; 95%信頼区間0.71-0.92)とプロカルシトニン(0.73; 95%信頼区間0.60-0.85)はいずれもCRP(0.59; 95%信頼区間0.45-0.73)よりもAUCが大きかった(それぞれp = 0.004、p = 0.043)。しかしながらすべての有熱性の患者において、良好な治療反応性を予測する上で、プロアドレノメデュリンは有意にプロカルシトニンよりもAUCが大きかった(p < 0.0001)。

結論:
 担癌の重症患者において、プロアドレノメデュリンおよびプロカルシトニンは両方ともCRPと比較して血流感染を予測する上で有用と考えられる。これら2つのバイオマーカーは、感染症のあった患者において抗菌薬反応性の予後予測解析においてCRPよりも優れていた。しかしながら、すべての有熱性の患者において治療反応性を予測する上でプロアドレノメデュリンはプロカルシトニンよりも優れており、不応性の患者では有意に上昇していた。


by otowelt | 2014-09-04 00:45 | 集中治療

ICUにおける家族満足度のシステマティックレビュー

e0156318_2374935.jpg 読み物としてのレビューの側面が強い論文でした。

Laura J. Hinkle, et al.
Factors Associated with Family Satisfaction with End-of-Life Care in the ICU: A Systematic Review
Chest. 2014. doi:10.1378/chest.14-1098


背景:
 ICUにおける終末期医療の家族満足度はこれまでシステマティックにレビューされたことはなかった。われわれの目的は、このレビューによって重症成人患者の終末期医療における家族満足度に関連する因子を扱ったデータを統合することである。

方法:
 電子データベース(MEDLINE, MEDLINE Updated, EMBASE, CINAHL, PsycInfo, PubMed)が検索された。2人の著者が研究のタイトルとアブストラクトをレビューした。非成人、非ICU、終末期の状態にない患者を扱った研究、家族満足度が評価されてない研究などは除外された。研究の質はCONSORTグループの推奨に基づくチェックリストを用いてアセスメントされた。

結果:
 検索によって23論文が適格基準を満たした。すべての研究は家族から満足度の調査をおこなっていた。個別のコミュニケーション戦略(共感性、非放棄、緩和保証、記述による情報提供)は満足度を上昇させた。加えて、意思決定サポート、死亡時の家族の同席、死前期の抜管などの個別対応は満足度を上昇させた。
※ただし死前期の抜管は日本では法的整備がまだなされていない、当該研究のみに限る(American Journal of Respiratory & Critical Care Medicine 2008; 178:798-804、Journal of Palliative Care 2000; 16 Suppl:S40-44)

結論:
 良質なコミュニケーション、意思決定サポート、患者に対する個別のケアは終末期医療の家族満足度を上昇させる。意思決定の際に、家族が参加を望むかどうかアセスメントすることは重要な因子となるかもしれない。


by otowelt | 2014-08-22 00:43 | 集中治療

PROVHILO試験:手術中は高PEEPと低PEEPのどちらがよいか

e0156318_10165332.jpg IMPROVE試験では、術中も一回換気量を少なく設定した肺保護戦略の方がよいとされています。PEEPについてはどうなのかと論じたのがPROVHILO試験です。術後5日目までというアウトカム設定に少し疑問の声がありますが、興味深い報告だと思います。

The PROVE Network Investigators†for the Clinical Trial Network of the European Society of Anaesthesiology.
High versus low positive end-expiratory pressure during general anaesthesia for open abdominal surgery (PROVHILO trial): a multicentre randomised controlled trial.
The Lancet, Volume 384, Issue 9942, Pages 495 - 503, 9 August 2014


背景:
 外科手術のときの全身麻酔時に人工呼吸器の設定でPEEPを高くする意義はまだ不明である。PEEPを0 cmH2O以上にすることで術後の呼吸器系合併症を減らすことができるかもしれないが、術中の循環動態の抑制や肺傷害を引き起こす可能性もある。全身麻酔下で開腹手術を受ける際に低い一回換気量で人工呼吸をおこなわれている患者において、われわれはリクルートメント手技を用いた高PEEPが術後呼吸器系合併症に対して保護的にはたらくのではないかという仮説を検証した。

方法:
 ヨーロッパおよび北・南アメリカの30施設で実施されたこのランダム化比較試験において、われわれは900人の術後呼吸器合併症が高い患者(全身麻酔下で開腹手術を予定されており、一回換気量が8mL/kg)を登録した。われわれはランダムに患者をリクルートメント手技を用いた高PEEP(12cmH2O)群、同手技を用いない低PEEP(2cmH2O以下)群に割り付けた。
 プライマリエンドポイントは術後の呼吸器系合併症(術後5日目まで)とした。当該エンドポイントはITT解析とした。

結果:
 2011年2月から2013年1月までに447に員の患者がランダムに高PEEP群、453人が低PEEP群に割り付けられた。6人の患者が解析から除外された。高PEEP群におけるPEEP中央値は12 cmH2O(IQR 12—12)で、低PEEP群は2 cmH2O(0—2)であった。
 術後呼吸器合併症は高PEEP群のうち174人(40%)、低PEEP群のうち172人(39%)に起こった(相対リスク1.01; 95%信頼区間0.86—1.20; p=0.86)。低PEEP群の患者と比較して、高PEEP群の患者は術中に低血圧や血管作動薬を必要とすることが多かった。

結論:
 腹部開腹手術におけるリクルートメント手技を用いた高PEEP戦略は、術後の呼吸器合併症に保護的に寄与しなかった。術中の保護換気戦略として、リクルートメント手技を用いない低一回換気量・低PEEPを含めるべきと考えられる。


by otowelt | 2014-08-21 00:50 | 集中治療

バンコマイシンは腎毒性軽減のためには持続点滴がよい?

e0156318_2340245.jpg limitationにも述べられていますが、レトロスペクティブかつ単施設研究です。本研究のコホートでは、持続投与が全体の半数にものぼります。

Hanrahan, Timothy P, et al.
Vancomycin-Associated Nephrotoxicity in the Critically Ill: A Retrospective Multivariate Regression Analysis.
Critical Care Medicine: July 31, 2014


目的:
 重症患者の急性腎傷害(AKI)の発生に関して、バンコマイシンの用量、トラフ濃度、投与設計の影響を調べること。

方法:
 レトロスペクティブ単施設観察研究。本研究はイギリスバーミンガムの大学病院で実施された。登録患者は2004年12月1日から2009年8月31日までの間にバンコマイシンを投与されたすべての重症患者とした。新規の腎毒性の発症はRIFLE分類を用いて報告され、腎毒性の独立予測因子はロジスティック回帰分析を用いて同定された。

結果:
 すべてのデータが有用だったのは1430人の患者であった。併用された血管作動薬(オッズ比1.633; p < 0.001), 血清バンコマイシン中央値(オッズ比1.112; p < 0.001), 治療期間(オッズ比1.041; p <= 0.001)は腎毒性を有意に予測した。間欠的な点滴は、持続点滴よりも腎毒性のリスクが高かった(オッズ比8.204; p <= 0.001)。
 持続点滴は1日量で中央値1.7gで、間欠的点滴と比較して有意に多かった(vs 1.5g/日、p=0.003)。また持続点滴の場合、バンコマイシンの血中濃度中央値は18.4 mg/Lであった。

結論:
 バンコマイシンの血中濃度高値と長期治療は独立して腎毒性のオッズ比を上昇させた。さらに、持続点滴は間欠的な点滴と比較して腎毒性のリスクを減少させる可能性がある。この研究では、バンコマイシンは重症患者において持続的な点滴を支持する。


by otowelt | 2014-08-14 00:07 | 集中治療

抜管後の酸素療法はベンチュリマスクよりもネーザルハイフローの方が有用

e0156318_9393351.jpg 抜管後のネーザルハイフローについての報告です。当院でも最近よく使っています。

Maggiore SM, et al.
Nasal High-flow vs Venturi Mask Oxygen Therapy After Extubation: Effects on Oxygenation, Comfort and Clinical Outcome.
Am J Respir Crit Care Med. 2014 Jul 8. [Epub ahead of print]


背景:
 通常抜管後には酸素投与がおこなわれる。いくつかのデバイスが使えるが、その効果を評価したデータは不足している。

目的:
 ベンチュリマスクと比較して、ネーザルハイフローが抜管後の吸入酸素濃度を設定するためのPaO2値に与える影響を調べる。セカンダリエンドポイントは、患者の快適性、有害事象、臨床的アウトカムとした。

方法:
 このランダム化比較試験において105人のP/F比が300以下の抜管直前の患者を登録した。52人がベンチュリマスク、53人がネーザルハイフローに割り付けられた。

結果:
 P/F比、インターフェイスによる患者の快適性、気道乾燥症状(NRS10点満点で聴取)、インターフェイスのずれ、酸素飽和度低下、人工呼吸器使用の必要性、再挿管のアウトカムが抜管後48時間までアセスメントされた。
 24時間目以降は、P/F比はネーザルハイフローの方が高く維持できた(287±74 vs 247±81 at 24h, p=0.03)。
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(文献より引用)

 インターフェイスの快適性や気道乾燥症状についてもネーザルハイフローの方が良好であった(p=0.006, p=0.002)。また、ネーザルハイフロー群ではインターフェイスのずれを訴えた患者は少なく(32% vs 56%, p=0.01), 酸素飽和度の低下(40% vs 75%, p<0.001)や再挿管(4% vs 21%, p=0.01)、他の人工呼吸器の使用(7% vs 35%, p<0.001)についても少なかった。

結論:
 抜管後の酸素療法として、ネーザルハイフローはベンチュリマスクと比較してP/F比が良好に維持でき、デバイストラブルも少ない。また再挿管の頻度も下げる。


by otowelt | 2014-08-08 00:24 | 集中治療

メタアナリシス:人工呼吸器装着患者に対する気管切開は早期に実施した方が死亡リスクが少ない

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Ilias I Siempos, et al.
Effect of early versus late or no tracheostomy on mortality of critically ill patients receiving mechanical ventilation: a systematic review and meta-analysis
The Lancet Respiratory Medicine, Early Online Publication, 27 June 2014, doi:10.1016/S2213-2600(14)70125-0


背景:
 重症患者への挿管からおよそ2週間後には気管切開を行っておく方がよいとされており、これは大規模試験の結果から支持されていることである。われわれは、人工呼吸器管理を要する重症患者において、早期に気管切開を行う場合と晩期の気管切開ないし気管切開を行わない場合の死亡率について比較した。

方法:
 PubMedなどのデータベースからシステマティックに早期の気管切開(挿管後1週間以内)と晩期(同1週間以降)ないし気管切開を施行しない場合を比較したランダム化比較試験を抽出した。プライマリアウトカムはICU入室中の総死亡率、人工呼吸器関連肺炎の発生とした。

結果:
 13試験が解析された(2434人患者を登録、合計800人死亡)。その結果、早期に気管切開を施行された患者は有意に死亡率が低かった(オッズ比0.72, 95%信頼区間0.53—0.98; p=0.04)。18%のリスク減少でが、これはいうなれば生存率の絶対値を5%改善させる効果を持つ(65%→70%)。バイアスリスクが低い研究のみを採用しても、この結果は変わらかった(663人死亡:オッズ比0.68, 95%信頼区間0.49—0.95; p=0.02)。1年死亡率には差はみられなかった(788人死亡;リスク比0.93, 95%信頼区間0.85—1.02; p=0.14; 3試験1529人登録)。

結論:
 晩期の気管切開ないし気管切開の非実施と比較して、早期の気管切開はICUの人工呼吸器装着患者の死亡リスクの軽減と関連していた。そのため現在通常おこなわれている1週間を超えての気管切開の実施には疑問が呈されるかもしれない。しかしながら、長期死亡のベネフィットが不足していることと気管切開による合併症の存在については慎重になるべきであろう。


by otowelt | 2014-07-03 00:37 | 集中治療

敗血症に対する輸液蘇生は初期3時間で高率に点滴する方がよい

e0156318_22464538.jpg Mayoクリニックから、レトロスペクティブデザインですがEGDTの細かい時間配分についての報告です。

Sarah J. Lee, et al.
Increased fluid administration in the first three hours of sepsis resuscitation is associated with reduced mortality: a retrospective cohort study
Chest. 2014. doi:10.1378/chest.13-2702


背景:
 Surviving Sepsis guidelinesでは、敗血症発症から6時間以内の早期の輸液蘇生が推奨されている。確かに早期の輸液投与は利益をもたらすが、その蘇生タイミングについての研究は不足している。

仮説:
 早期の適切な輸液蘇生と敗血症発症後の患者アウトカムには関連性がある。

方法:
 これは2007年1月から2009年12月までにMayoクリニックICUに入室した重症敗血症/敗血症性ショックの連続成人患者に対して実施されたレトロスペクティブ試験である。敗血症の診断は2003 International Sepsis Definitions Consensus Conferenceに基づいた。感染症が疑われる患者で、輸液(20mL/kgボーラス)不応性の低血圧(収縮期血圧90mmHg未満)、乳酸値が4mmol/L超、血管作動薬の開始のいずれかを満たした時点を“Sepsis Onset Time”と設定した。敗血症性以外のショックが含まれる患者は除外した。
 データは電子診療データベースから抽出した。輸液蘇生は乳酸加リンゲル、生理食塩水、アルブミンを使用した。年齢、体重、SOFAスコア、APACHE IIIスコア、敗血症発症から6時間以内の総輸液量によって補正した多変量回帰モデルによって解析が行われた。

結果:
 651人のスクリーニング患者のうち、594人について輸液に関する詳細なデータが得られた。年齢中央値は70歳、54%が男性だった。コホート内では、452人が生存退院し、142人が死亡した。
 単変量解析において退院時生存していた患者の敗血症治療初期3時間以内の輸液量中央値は、死亡患者と比較して多かった(2085 mL [940-4080] vs. 1600 mL [600-3010], p=0.007)。後半3時間の輸液量については660 mL (290-1485) vs. 800 mL (360-1680)と統計学的な差は観察されなかった(p=0.09)。交絡因子で補正すると、総輸液量のうち初期3時間以内に投与された輸液の割合が高いと、院内死亡が低かった(オッズ比0.34、95%信頼区間0.15-0.75、p=0.008)。
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(文献より引用)

結論:
 早期の輸液蘇生(初期3時間以内)は重症敗血症/敗血症性ショックからの生存者の多さに関連していた。


by otowelt | 2014-06-09 00:53 | 集中治療

ATS2014:ACROSS試験:アセトアミノフェンは重症敗血症において血清クレアチニン値を軽減

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D.R. Janz, et al.
Randomized Trial Of Acetaminophen For The Reduction Of Oxidative Injury In Patients With Severe Sepsis (ACROSS)
[Publication Page: A6568]


背景:
 潜在的なオキシダントである血清cell-free hemoglobin(CFH)の上昇は成人敗血症のアウトカム不良と関連していると言われている。観察研究においてアセトアミノフェンは敗血症患者の臨床アウトカム改善に寄与するのではないかと示唆されている。われわれは、重症敗血症でCFHが同定できた患者においてアセトアミノフェンがプラセボと比較して酸化傷害を減少させることができるかどうか検証した。

方法:
 われわれは、成人重症敗血症においてアセトアミノフェン1g6時間ごとあるいはプラセボを3日間投与する第II相ランダム化二重盲検プラセボ対照試験をおこなった。アセトアミノフェンを投与されている患者や急性・慢性肝疾患患者は除外した。プライマリアウトカムは酸化傷害の指標としての血清F2-イソプロスタン値とした。セカンダリアウトアムは血清クレアチニン値や院内死亡率とした。

結果:
 合計40人の患者がランダムに割り付けられた。試験薬を両群とも同じ数だけ服用した。
 その結果、アセトアミノフェンは有意にF2-イソプロスタン値が減少し(2日目:24.9 pg/mL, IQR 22-37 vs. 41.2 pg/mL, IQR 27.1-67.3, p = 0.022)、クレアチニン値が低かった(3日目:1.0 mg/dL, IQR 0.6–1.4 vs. 1.3 mg/dL, IQR 0.83 – 2.0, p = 0.039)。
 院内死亡率(アセトアミノフェン5.6% vs. プラセボ18.2%, p = 0.355)や有害事象(AST or ALT >400)(アセトアミノフェン9.5% vs. プラセボ4.3%, p = 0.599)については差はみられなかった。
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(Abstractより引用)

結論:
 成人の重症敗血症で血清CFHが同定できた患者では、アセトアミノフェン治療は酸化傷害の軽減や腎機能の改善をもたらす。


by otowelt | 2014-05-20 15:46 | 集中治療

ATS2014:重症敗血症は退院後の再入院が多い

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A96
T.K. Jones, et al.
Severe Sepsis Is Associated With High Rates Of Hospital Readmission
[Publication Page: A2190]


背景:
 重症敗血症の頻度は増加している。重症敗血症の生存者はしばしば新規の認知機能障害や身体的障害に発展する。敗血症生存者の退院後のリソース使用についてはほとんど知られていない。この研究では、重症敗血症後の再入院の頻度とそのリスクについて調べた。

方法:
 2010年7月1日から2011年6月30日まで多施設共同レトロスペクティブ研究を実施した。プライマリおよびセカンダリアウトカムはICDコードに基づく重症敗血症患者の退院後の30日再入院率および7日再入院率とした。

結果:
 3820人の重症敗血症症例を同定した。これらのうち1113人(29.1%)が非生存者、348人(9.1%)がホスピスへ退院した。ゆえに2359人が再入院のリスクにあった。急性心筋梗塞、心不全、肺炎の患者と比較して、重症敗血症の患者では再入院率が7日および30日で高かった。交絡因子で補正すると、人工呼吸器の使用(オッズ比1.26、95%信頼区間1.04~1.52, p=0.02)、急性神経機能障害(オッズ比1.34, 95%信頼区間1.06~1.69, p=0.01)は30日再入院の独立因子であった。ショックや血液透析は関連がみられなかった。

結論:
 重症敗血症で入院した患者は、退院後1週間以内の再入院がよくみられる。


by otowelt | 2014-05-19 10:04 | 集中治療