カテゴリ:集中治療( 177 )

メタアナリシス:人工呼吸器装着患者に対する気管切開は早期に実施した方が死亡リスクが少ない

e0156318_001327.jpg

Ilias I Siempos, et al.
Effect of early versus late or no tracheostomy on mortality of critically ill patients receiving mechanical ventilation: a systematic review and meta-analysis
The Lancet Respiratory Medicine, Early Online Publication, 27 June 2014, doi:10.1016/S2213-2600(14)70125-0


背景:
 重症患者への挿管からおよそ2週間後には気管切開を行っておく方がよいとされており、これは大規模試験の結果から支持されていることである。われわれは、人工呼吸器管理を要する重症患者において、早期に気管切開を行う場合と晩期の気管切開ないし気管切開を行わない場合の死亡率について比較した。

方法:
 PubMedなどのデータベースからシステマティックに早期の気管切開(挿管後1週間以内)と晩期(同1週間以降)ないし気管切開を施行しない場合を比較したランダム化比較試験を抽出した。プライマリアウトカムはICU入室中の総死亡率、人工呼吸器関連肺炎の発生とした。

結果:
 13試験が解析された(2434人患者を登録、合計800人死亡)。その結果、早期に気管切開を施行された患者は有意に死亡率が低かった(オッズ比0.72, 95%信頼区間0.53—0.98; p=0.04)。18%のリスク減少でが、これはいうなれば生存率の絶対値を5%改善させる効果を持つ(65%→70%)。バイアスリスクが低い研究のみを採用しても、この結果は変わらかった(663人死亡:オッズ比0.68, 95%信頼区間0.49—0.95; p=0.02)。1年死亡率には差はみられなかった(788人死亡;リスク比0.93, 95%信頼区間0.85—1.02; p=0.14; 3試験1529人登録)。

結論:
 晩期の気管切開ないし気管切開の非実施と比較して、早期の気管切開はICUの人工呼吸器装着患者の死亡リスクの軽減と関連していた。そのため現在通常おこなわれている1週間を超えての気管切開の実施には疑問が呈されるかもしれない。しかしながら、長期死亡のベネフィットが不足していることと気管切開による合併症の存在については慎重になるべきであろう。


by otowelt | 2014-07-03 00:37 | 集中治療

敗血症に対する輸液蘇生は初期3時間で高率に点滴する方がよい

e0156318_22464538.jpg Mayoクリニックから、レトロスペクティブデザインですがEGDTの細かい時間配分についての報告です。

Sarah J. Lee, et al.
Increased fluid administration in the first three hours of sepsis resuscitation is associated with reduced mortality: a retrospective cohort study
Chest. 2014. doi:10.1378/chest.13-2702


背景:
 Surviving Sepsis guidelinesでは、敗血症発症から6時間以内の早期の輸液蘇生が推奨されている。確かに早期の輸液投与は利益をもたらすが、その蘇生タイミングについての研究は不足している。

仮説:
 早期の適切な輸液蘇生と敗血症発症後の患者アウトカムには関連性がある。

方法:
 これは2007年1月から2009年12月までにMayoクリニックICUに入室した重症敗血症/敗血症性ショックの連続成人患者に対して実施されたレトロスペクティブ試験である。敗血症の診断は2003 International Sepsis Definitions Consensus Conferenceに基づいた。感染症が疑われる患者で、輸液(20mL/kgボーラス)不応性の低血圧(収縮期血圧90mmHg未満)、乳酸値が4mmol/L超、血管作動薬の開始のいずれかを満たした時点を“Sepsis Onset Time”と設定した。敗血症性以外のショックが含まれる患者は除外した。
 データは電子診療データベースから抽出した。輸液蘇生は乳酸加リンゲル、生理食塩水、アルブミンを使用した。年齢、体重、SOFAスコア、APACHE IIIスコア、敗血症発症から6時間以内の総輸液量によって補正した多変量回帰モデルによって解析が行われた。

結果:
 651人のスクリーニング患者のうち、594人について輸液に関する詳細なデータが得られた。年齢中央値は70歳、54%が男性だった。コホート内では、452人が生存退院し、142人が死亡した。
 単変量解析において退院時生存していた患者の敗血症治療初期3時間以内の輸液量中央値は、死亡患者と比較して多かった(2085 mL [940-4080] vs. 1600 mL [600-3010], p=0.007)。後半3時間の輸液量については660 mL (290-1485) vs. 800 mL (360-1680)と統計学的な差は観察されなかった(p=0.09)。交絡因子で補正すると、総輸液量のうち初期3時間以内に投与された輸液の割合が高いと、院内死亡が低かった(オッズ比0.34、95%信頼区間0.15-0.75、p=0.008)。
e0156318_22435122.jpg
(文献より引用)

結論:
 早期の輸液蘇生(初期3時間以内)は重症敗血症/敗血症性ショックからの生存者の多さに関連していた。


by otowelt | 2014-06-09 00:53 | 集中治療

ATS2014:ACROSS試験:アセトアミノフェンは重症敗血症において血清クレアチニン値を軽減

e0156318_22274031.jpg


D.R. Janz, et al.
Randomized Trial Of Acetaminophen For The Reduction Of Oxidative Injury In Patients With Severe Sepsis (ACROSS)
[Publication Page: A6568]


背景:
 潜在的なオキシダントである血清cell-free hemoglobin(CFH)の上昇は成人敗血症のアウトカム不良と関連していると言われている。観察研究においてアセトアミノフェンは敗血症患者の臨床アウトカム改善に寄与するのではないかと示唆されている。われわれは、重症敗血症でCFHが同定できた患者においてアセトアミノフェンがプラセボと比較して酸化傷害を減少させることができるかどうか検証した。

方法:
 われわれは、成人重症敗血症においてアセトアミノフェン1g6時間ごとあるいはプラセボを3日間投与する第II相ランダム化二重盲検プラセボ対照試験をおこなった。アセトアミノフェンを投与されている患者や急性・慢性肝疾患患者は除外した。プライマリアウトカムは酸化傷害の指標としての血清F2-イソプロスタン値とした。セカンダリアウトアムは血清クレアチニン値や院内死亡率とした。

結果:
 合計40人の患者がランダムに割り付けられた。試験薬を両群とも同じ数だけ服用した。
 その結果、アセトアミノフェンは有意にF2-イソプロスタン値が減少し(2日目:24.9 pg/mL, IQR 22-37 vs. 41.2 pg/mL, IQR 27.1-67.3, p = 0.022)、クレアチニン値が低かった(3日目:1.0 mg/dL, IQR 0.6–1.4 vs. 1.3 mg/dL, IQR 0.83 – 2.0, p = 0.039)。
 院内死亡率(アセトアミノフェン5.6% vs. プラセボ18.2%, p = 0.355)や有害事象(AST or ALT >400)(アセトアミノフェン9.5% vs. プラセボ4.3%, p = 0.599)については差はみられなかった。
e0156318_12441149.jpg
(Abstractより引用)

結論:
 成人の重症敗血症で血清CFHが同定できた患者では、アセトアミノフェン治療は酸化傷害の軽減や腎機能の改善をもたらす。


by otowelt | 2014-05-20 15:46 | 集中治療

ATS2014:重症敗血症は退院後の再入院が多い

e0156318_22274031.jpg


A96
T.K. Jones, et al.
Severe Sepsis Is Associated With High Rates Of Hospital Readmission
[Publication Page: A2190]


背景:
 重症敗血症の頻度は増加している。重症敗血症の生存者はしばしば新規の認知機能障害や身体的障害に発展する。敗血症生存者の退院後のリソース使用についてはほとんど知られていない。この研究では、重症敗血症後の再入院の頻度とそのリスクについて調べた。

方法:
 2010年7月1日から2011年6月30日まで多施設共同レトロスペクティブ研究を実施した。プライマリおよびセカンダリアウトカムはICDコードに基づく重症敗血症患者の退院後の30日再入院率および7日再入院率とした。

結果:
 3820人の重症敗血症症例を同定した。これらのうち1113人(29.1%)が非生存者、348人(9.1%)がホスピスへ退院した。ゆえに2359人が再入院のリスクにあった。急性心筋梗塞、心不全、肺炎の患者と比較して、重症敗血症の患者では再入院率が7日および30日で高かった。交絡因子で補正すると、人工呼吸器の使用(オッズ比1.26、95%信頼区間1.04~1.52, p=0.02)、急性神経機能障害(オッズ比1.34, 95%信頼区間1.06~1.69, p=0.01)は30日再入院の独立因子であった。ショックや血液透析は関連がみられなかった。

結論:
 重症敗血症で入院した患者は、退院後1週間以内の再入院がよくみられる。


by otowelt | 2014-05-19 10:04 | 集中治療

ATS2014:アメリカにおけるARDSの死亡率の変遷

e0156318_22274031.jpg


ARDSによる死亡率の移り変わりを報告したレトロスペクティブコホート試験の結果です。

A25
S. Annangi, et al.
Acute Respiratory Distress Syndrome Related Mortality In United States From 1999 to 2010
[Publication Number: A1160]


概要:
 われわれはアメリカにおけるARDS関連死亡率についてレトロスペクティブコホート試験を組み、1999年から2010年までの変遷を調べた。ARDSはICD-10コードを用いて抽出した。
 本コホートでは129211人が同定された。死亡時平均年齢は64.5歳であり、51.3%が男性だった。試験期間中における年齢調整ARDS関連死亡率は、1999年の10万人あたり5.1人(95%信頼区間5.1 to 5.0)から、2010年の2.8人(95%信頼区間2.9 to 2.8)まで減少していた。アフリカン・アメリカンの男性では死亡率が高く、10万人あたり5.2人(95%信頼区間5.3 to 5.1)であったが、他の人種の女性では低く2.4人 (95%信頼区間2.5 to 2.3)だった。
 ARDSによる直接的死亡が16.6%、悪性腫瘍による死亡が12.2%、肺炎による死亡が12.1%、敗血症による死亡が6.9%だった。
e0156318_23141121.jpg
(Abstractより引用)
 1999年から2010年にかけて、ARDSに関連する死亡率は全体で45%減少したと言える。


by otowelt | 2014-05-18 23:12 | 集中治療

ATS2014:敗血症患者および患者家族に対しては十分な説明を

e0156318_22274031.jpg


A24
V. Kundel, et al.
Assessing Sepsis Survivor And Family Knowledge And Attitudes Regarding Sepsis Outcomes
[Publication Number: A1142]


概要:
 敗血症でICUに入室した患者において、患者および患者家族に対する説明がどの程度行われているのかよくわかっていない。本研究では124人の敗血症患者あるいはその家族を解析対照とした。われわれは患者および家族に敗血症についていくつか質問を行った。
 124人のうち、69人(55.6%)が生存者であり、54人(43.5%)が患者家族であった。全参加者の71%が女性だった。81人(65.3%)が敗血症と言われたのは主治医あるいは看護師からが最初であり、37.9%がわかりやすい手法であったとしている。わずか14人(11.3%)のみが長期的な合併症について言及されていた。
 医療従事者から患者および患者家族に対する敗血症の十分な説明がなされているとは言い難く、特に長期的なアウトカムについてはほとんど知らされていない。
e0156318_2345482.jpg
(Abstractより引用)


by otowelt | 2014-05-18 22:51 | 集中治療

ATS2014:ALI/ARDSに対する早期NIPPVの使用は挿管を回避できるが死亡率の改善なし

e0156318_22274031.jpg


 ALI/ARDSに対してNIPPVを早期に使用することで挿管は回避できるかもしれないが、全体的な死亡率の軽減効果はないとする報告です。

A26
J. Luo, et al.
Can Noninvasive Positive Pressure Ventilation Prevent Endotracheal Intubation In Acute Lung Injury/Acute Respiratory Distress Syndrome: A Meta-Analysis
[Publication Number: A1176]


目的:
 ALI/ARDSに対する非侵襲性陽圧換気(NIPPV)が挿管を回避でき死亡率を減少させることができるかどうか調べる。

方法:
 Pubmed, Ovid Medline, Ovid Embase, Ovid Central Cochrane Controlled Trials Register (CCTR)、Chinese National Knowledge Infrastructure (CNKI)からランダム化比較試験を抽出し、メタアナリシスをおこなった。

結果:
 6試験がメタアナリシスに組み込まれ、227人の患者が解析された。患者はNIPPV使用あるいは通常の酸素療法の2群に分けられた(NIPPV:115人、通常の酸素療法:112人)。挿管率における統計学的な異質性は観察されなかった(Ι2=43%, χ2=8.82, Ρ=0.12)。ICU死亡率についても同様であったが、院内死亡率については異質性がみられた(Ι2=61%, χ2=5.12, Ρ=0.08)。
 挿管率は0.60 (95%信頼区間0.41-0.89)であり、ICU死亡率は0.76 (95%信頼区間0.52-1.12)だった。2群の間で挿管率に有意な差がみられたが(Ζ=2.53, Ρ=0.01)、ICU死亡率については差はなかった(Ζ=1.40, Ρ=0.16)。
 2つの研究のみがALI/ARDSの原因について肺内・肺外について論じていた。

結論:
 ALI/ARDSの早期にNIPPVを用することで挿管率を減らすことができるかもしれないが、死亡率については改善させなかった。


by otowelt | 2014-05-18 21:45 | 集中治療

ATS2014:頻呼吸、低酸素血症、低GCSではNPPV失敗の可能性が高い

e0156318_22274031.jpg


 救急部におけるNPPV使用についての報告です。極度の低酸素血症の患者は最初からIPPVでもよいのではと論じています。

A25
L. Vieira, et al.
Noninvasive Ventilation In Emergency Department: Predictors Of Success Or Failure [Publication Number: A1180]


背景:
 非侵襲性陽圧換気(NPPV)の利点は侵襲性換気を回避することができるという点である。また、NPPVは急性呼吸不全の一部の患者において在院日数の軽減、コスト削減に有用とされている。救急部において適切なNPPVの導入ができれば、挿管を回避できるだけでなくICU入室を回避しコスト削減や合併症・死亡率の軽減に役立つであろう。

目的:
 救急部においてNPPVが適応となった急性呼吸不全の症例を解析し、NPPVの成否を分けた因子について調べること。

方法:
 本研究はプロスペクティブに症例を解析したもので、EPAPを5~10cmH2Oに設定、IPAPは1回換気量が6ml/kgとなるよう設定した。SpO2を90%以上に維持するようFiO2を設定。
 アウトカムはNPPV開始48時間以内の挿管とした。

結果:
 635人の患者が登録された。38.7%は急性肺水腫、24.5%はCOPD急性増悪、15.3%は肺炎、12.4%は気管支喘息、9.1%はその他の原因によってNPPVが導入された。装着期間は8.2±3.6時間だった。
 635人のうち、88.4%がNPPV成功と判断された。頻呼吸、80%未満のSpO2、GCSが低い場合には挿管にいたる頻度が高かった。

結論:
 救急部において、NPPVは安全かつ効果的な治療法である。ただし、頻呼吸、80%未満のSpO2、GCSが低い場合には挿管にいたる頻度が高かった。

by otowelt | 2014-05-18 20:19 | 集中治療

メタアナリシス:ARDSに対する腹臥位療法は十分な時間をもうけることで死亡率減少効果を増大

e0156318_2334482.jpg 腹臥位療法のメタアナリシスです。

Lee JM, et al.
The Efficacy and Safety of Prone Positional Ventilation in Acute Respiratory Distress Syndrome: Updated Study-Level Meta-Analysis of 11 Randomized Controlled Trials
Crit Care Med. 2014 May;42(5):1252-62


目的:
 ARDSに対する人工呼吸中の腹臥位療法の生存期間への効果が議論されている。近年の多施設共同ランダム化比較試験によれば、この治療法は28日死亡率および90日死亡率の有意な減少をもたらしたとされている。われわれは、このトピックについてメタアナリシスを行い、腹臥位療法の死亡率や合併症に対する影響を検証した。

研究:
 ARDS患者における腹臥位療法と通常の仰臥位での治療を比較したランダム化比較試験。2013年5月までのPubMed, EMBASE, BioMed Central, Cochrane Central Register of Controlled Trials, ClinicalTrials.gov, and conference proceedings.

結果:
 成人ARDSに行われた腹臥位療法に関する11のランダム比較試験、合計2246人の患者を対象に解析した。1142人が腹臥位療法を受けた。人工呼吸中の腹臥位療法は、全体として有意に死亡率を減少した(オッズ比0.77;95%信頼区間0.59-0.99、 p = 0.039; I2= 33.7%)。
e0156318_22575783.jpg
(文献より引用)

 1日10時間以上かけて腹臥位療法をおこなった8試験(1100人)と10時間未満の3試験(1146人)に分けた場合、1日10時間以上の腹臥位療法により死亡率低下が観察された(オッズ比0.62;95%信頼区間0.48-0.79、p = 0.039; pinteraction= 0.015)。10時間未満の腹臥位療法では死亡率の低下がみられなかった(オッズ比1.04; 0.80-1.36、p = 0.757; I2 = 10.7%)。
e0156318_22595431.jpg
(文献より引用)

 また、腹臥位療法は褥瘡の発生率を増加させ(オッズ比1.49; 95%信頼区間1.18-1.89、p = 0.001; I2= 0.0%)、主要な気道合併症(予定外の抜管など)を増加させた(オッズ比1.55;95%信頼区間1.10-2.17、p = 0.012; I2= 32.7%)。特に気道合併症として気管チューブの閉塞が主であった(オッズ比2.16;95%信頼区間1.53–3.05; p < 0.001; I2= 0.0%)。

結論:
 重症ARDS患者における腹臥位療法は有意に死亡率を低下させる。十分な腹臥位療法の時間が死亡率に減少に寄与するものと考えられる。しかし、腹臥位療法は褥瘡や気道合併症を増加させる。


by otowelt | 2014-04-26 00:30 | 集中治療

敗血症治療中の新規発症心房細動はその後の心不全、脳卒中、死亡のリスク

e0156318_2361973.jpg カテコラミンを使用している重症患者さんでは心房細動はよく経験します。その心房細動が将来的なリスクを孕むという重要な報告です。

Allan J. Walkey, et al.
Long term outcomes following development of new-onset atrial fibrillation during sepsis
Chest. 2014. doi:10.1378/chest.14-0003


背景:
 新規発症の心房細動は敗血症の入院中の転帰不良と関連しているが、敗血症関連新規発症心房細動を起こした入院患者の長期的アウトカムについては不明である。

方法:
 われわれは1999年~2010年の敗血症で入院し生存した患者を同定した。心房細動は「心房細動なし」「心房細動の既往あり」「新規発症心房細動」に分類した。心房細動、心不全、脳卒中、敗血症入院後の死亡率の5年リスクを同定するために競合リスクモデルを用いた。

結果:
 138722人の敗血症生存者を同定し、95536人(69%)が心房細動を発症せず、33646人(24%)が心房細動の既往があり、9540人(7%)に新規発症の心房細動が観察された。
 敗血症治療中の新規発症心房細動患者において、その後の心房細動罹患は心房細動のなかった患者と比較してよくみられた(54.9% vs. 15.5%)。敗血症治療中に心房細動を発症しなかった患者と比較すると、新規発症心房細動患者は心不全の5年リスクが高かった[11.2% vs 8.2%;多変量補正ハザード比1.25, (95%信頼区間1.16-1.34)]。また、脳卒中[5.3% vs 4.7%; 多変量補正ハザード比1.22 (95%信頼区間1.10-1.36)]、死亡(74.8% vs 72.1%;多変量補正ハザード比1.04 (95%信頼区間1.01-1.07)].のリスクも増加させた。
e0156318_23091.jpg
e0156318_2314916.jpg
(文献より引用)

結論:
 敗血症の治療中に心房細動を新規発症した生存者のほとんどは退院後も心房細動を罹患しており、長期にわたって心不全、脳卒中、死亡のリスクを上昇させる。


by otowelt | 2014-04-25 00:44 | 集中治療